肉は大丈夫? 専門家は「ほとんど心配ない」 水など配慮で防げる
産経新聞 [4/17 00:50]
福島第1原発事故で、野菜や魚、原乳から次々と国の暫定基準値を上回る放射性物質(放射能)が検出されたが、食肉からは検出されていない。専門家は国内の飼育実態などから「ほとんど心配ない」と指摘する。

農水省などによると、家畜は放射性物質を含む水や飼料を摂取することで放射性物質を取り込み、排泄(はいせつ)物や乳で排出する。すべてを体内に吸収するわけではないという。放射性ヨウ素は半減期が8日と短いことなどから、食肉には基準値が設定されていない。一方、放射性セシウムは筋肉にたまるとされ、基準値は1キロ当たり500ベクレルとなっている。

農水省は、放射性物質を含む水や飼料を与えなければ「問題になるほど取り込まれる可能性は極めて低い」として、農家に対し、飼料を屋内で保存することや屋外で水を与えないことなどを求めている。

国内の肉用の牛や豚、鶏は畜舎での飼育が一般的だ。主な飼料は輸入の配合飼料で、牧草も昨年のものだ。環境科学技術研究所の久松俊一環境動態研究部長は「飼育実態からみて豚や鶏はほとんど心配ない。牛も汚染された牧草を食べさせなければ大丈夫」と話す。

3月31日に福島県天栄(てんえい)村産の牛肉からいったん、基準値を上回る放射性セシウムが検出された。だが、再検査では検出されず、検査機器などを包むポリ袋にセシウムが付着していたと判明。

これまでに福島、茨城、群馬各県などで牛、豚、鶏の検査が行われたが、基準値を上回る放射性物質は検出されていない。

しかし、関係者の心配は尽きない。ブランド牛「米沢牛」で知られる山形県米沢市。県内で高い放射線量は観測されていないが、約180の農家が加盟する米沢牛銘柄推進協議会によると、飼料の保存方法などの対策を農家に連絡し、今年の牧草は検査してから与えるか否か決めるという。

協議会の吉田耕造事務局長は「生産者は問題がいったん発生すれば産地がなくなると考えており、対策はきちんと取るはずだ。後は原発が早く収まってほしい」と話している。


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