<東日本大震災>避難生活の支えは愛犬 車中泊続ける66歳
毎日新聞 [3/27 09:51]
軽乗用車で愛犬と避難生活を続ける大平さん=岩手県大槌町小鎚で2011年3月24日、福島祥撮影
津波で自宅を失った岩手県大槌町桜木町の無職、大平トワさん(66)は避難所の駐車場で車中泊を続けている。避難所にペットを連れ込むことはできないため、愛犬のマルチーズ、モモ(雌、5歳)と一緒に寝泊まりすることを選んだ。「つらい体験や避難生活でも、モモは私を支えてくれている」と話す。

1人暮らしの大平さんは外出先で地震に遭った。激しい揺れに驚いて帰宅。留守番をしていたモモと、足が不自由な隣家の高齢女性を軽乗用車に乗せ、高台を目指して逃げた。

命からがらたどり着いた避難所で、日中に作業を手伝い、食料などの物資を受け取っている。「モモちゃん、お仕事だからお留守番しててね」。車を離れるときは必ず声を掛ける。

モモとの散歩は運動にも気分転換にもなる。

エコノミークラス症候群を予防するため、医師に相談して体調管理に気を配る。「仙台市に住む長男が(モモを預かりに)来るまでは一緒にいたい」

ペットを心の支えにする被災者は少なくない。近くの建築資材会社「南部屋産業」は、被災者が自宅の片づけをする間などの短時間に限りボランティアでペット犬を預かる。小笠原正年代表取締役(64)は「『ペットは手放せばいいじゃないか』と言う人もいるかもしれないが、1人暮らしのお年寄りらにとっては大きな存在」と話している。【福島祥】

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