ビル枝野長官会見(1)国外から水供給「あらゆる可能性を検討」
産経新聞 [3/24 12:54]
記者会見する枝野幸男官房長官=24日午前、首相官邸(酒巻俊介撮影)(写真:産経新聞)
枝野幸男官房長官が24日午前11時から、東日本大震災などについて首相官邸で行った記者会見の詳報は以下の通り。


【水道水から放射性物質】

--昨日、東京都の浄水場で放射性物質が検出され、水の配布が始まっているが、供給量が少ない。国がメーカーに増産をお願いするか

「今回の水の乳児向けには、できるだけお使いいただかないようにという対応も含め、できるだけ長期にわたってそうした数値のものを摂取しても健康に影響が出ることのない、非常にレベルの低い段階での数値に基づいてさまざまな措置をお願いしている。

従って、今回、東京都の場合については、そうしたことも考慮して、非常に念には念を入れた安全基準に基づいて、乳児が摂取することをお控えいただきたいとお願いしたわけだ。それ以外の皆さんについては、まったくといっていいほど影響を及ぼすほどの状況でない。ぜひ、乳児を抱えていらっしゃる皆さん以外は、冷静な対応をお願いしたい」

「同時に、現実的に乳児を抱えていらっしゃる皆さんに影響を及ぼすことのないように、東京都においても万全の措置を取っていただいているが、国としても、いわゆるペット飲料の増産と適切な供給を関連部局に指示したいと思っている」


--メーカー側は供給増が難しいという声もあるが、どうするか。

国外に水の供給を求める検討はしているか

「あらゆる可能性を踏まえて、検討を進めていただいているところだ。繰り返し申し上げるが、今回、水に限らずだが、さまざまな基準値は、長期にわたって摂取し続けた場合に備え、さまざまな基準値を設け、それに基づいて対応をお願いしている。東京都で今、出ている数値は乳児以外は、そうした数値も下回っている状況だ。ぜひ、冷静な対応をお願いしたい。どういう数値に基づいているのかは引き続き繰り返し丁寧な説明に努めたい」


【福島第1原発の現況】

--東京電力福島第1原発のあちこちの原子炉から煙が出ているようだが事実関係を。

また、昨日、原子力安全委員会の斑目春樹委員長は1号機について「かなり溶融が進み最も危険な状態」と発言したがどうか

「まず煙が出ているのは、特に燃料プールが水が入って冷却されている中で、一定の水蒸気が外に出ている。これは当然あること。同時にあらゆる可能性について考慮しながら、慎重に見極め、分析を現場でしていただいているという状況だ。

「斑目委員長の昨日の発言についてだが、報道などでは、大変楽観的な報道もなされているようだが、繰り返し申し上げている通り、今の時点でこれ以上の悪化を食い止める状況を数日間続け、なおかつその間に、改善に向けた、例えば電気系統の整備などの努力をしていただいている。決して予断を許す状況でない。

緊張感を持って、それぞれについて対応していただいている状況だ。そうした中で昨日、1号機の炉の温度が上昇するという事象があった。冷却をさらに協力に進めることによって、温度は低下しているが、その分圧力が高まっている。ただ、直ちに何かが起こるという状況でなくて、冷却を進めながら圧力をいかに減らしていくかということで対応していただいている。

そういった意味では、専門家でいらっしゃるので、相対的には1号機について、さらに努力と注視が必要だという状況だというご認識なのだろうと報告を受けている」


--1号機だが、炉心の損傷で圧力容器そのものが損傷を受けている危険性はないか

「現時点で圧力容器に損傷がでているということではないと報告を受けている。ただ、まさに、原子炉の状況というのは、冷却とそれから、それにより温度を下げることと圧力と。これは順次、たとえば温度についてのモニターが、いろいろなやり方である程度できつつあるという状況で、そうした数値を専門家の皆さんに、これは1号炉に限らず、注視をし続けて慎重に対応しなければならないということでは従来、変わっていない。

そうした状況を引き続き、緊張感をもって進めているという状況だ」


【首相と原子力委員長の会談】

--先ほど、斑目委員長と海江田万里経済産業相が菅直人首相と会談した。菅首相からはどういった話があったのか

「今朝までのさまざまな状況の報告と確認ということがなされた。その上で、原子力安全委員会が政府にさまざまな安全性について助言し、場合によっては勧告をするという意味で、大変、大きな役割を担っていただいている。一つには原発についての安全性、リスク管理についての勧告と助言だが、この間も斑目委員長を中心に進めてきていただいている。

さらに水道水や野菜などへの放射線の影響が広がっている状況の中で、原子力安全委員会において、委員の皆さんはもとより、事務局を含めて、より万全な態勢でこうしたことについての対応ができるように、官邸としてもさまざまなバックアップをするので、さらに強力に進めてほしいと。

こういった趣旨の指示が原子力安全委員会に対してされている」


--その中で、首相は「保安院に適切な助言をするように」と斑目委員長に指示をしたというが、その指示の意図は

「この間も、原子炉そのものの保安を担当している経済産業省の原子力安全・保安院と、安全について政府に助言、勧告をする原子力安全委員会の両方の専門的な知見に基づいて、原子力発電所のほうの対応、それから、放射能の社会的な影響について対応をしてきているところだ。残念ながら今、水や野菜をはじめとして、その影響が広がりをみせている中で、そうしたことに対してもしっかりと安全委員会、さらにしっかりと役割を果たしてほしい。

同時に、原子力発電所そのものと周辺の安全確保についてもしっかりとやってほしい。そういったことの中で安全委員会と保安院との連携を強化してほしい。そういう趣旨の発言はあった」


--保安院と安全委員会の連携は十分だったのか

「それについては、全力を挙げて取り組んできているつもりだが、さまざまなご意見があるんだろう。しかし、今後、特に安全委員会がさまざまな周辺への影響についての役割業務が大きくなっているとの状況を踏まえて、そうした中でも保安院との連携をしっかりとやってほしいと。こういう趣旨でおっしゃったと認識している」

=(2)に続く


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