(注)昨日の記事に追記があったようです。

福島県双葉町→さいたま市 避難した町“凍った心”ほぐす
産経新聞 [3/24 07:57]
さいたまスーパーアリーナで、ボランティアからトレイ用のダンボールを受け取る避難者の女性 =23日午後、さいたまスーパーアリーナ(荻窪佳撮影)(写真:産経新聞)
福島県双葉町の町民と町役場の機能が丸ごと移転してきたさいたまスーパーアリーナ(さいたま市中央区)。23日で移転から5日目となり、住民の中には体調不良を訴える人も多い。そんな窮状を知った埼玉県接骨師会(同市北区)では、アリーナ内に診療スペースを開設、会員の接骨師らがボランティアでマッサージを施して避難者の体のケアに当たっている。

「ペンで文字を書こうとすると、ぶるぶると手が震えるんです」。双葉町から避難してきた男性(48)は、こう訴えた。症状が出始めたのはアリーナに避難してきてから。これまで経験したことがない症状に戸惑いを隠せない。マッサージを担当したのは接骨師の安藤啓太さん(60)。

「精神的な緊張が長く続き、筋肉が凝り固まっているのでしょう」と説明しながら、男性の首や腰の筋肉をもみほぐしていた。

毛布1枚を敷いただけの固い通路が寝床。避難生活が長引くほどに、首や肩、腰の痛みを訴える人が増える。県接骨師会の渕辺吉博会長(66)は「最後の日まで、避難者の生活をサポートしたい」と話す。

地震発生時や避難の際に転倒し、腰や足を痛めたものの、きちんとした治療を受けられないままだった人もいる。林営子さん(68)もその一人だ。

営子さんは11日の地震発生時、双葉町の自宅にいた。「ドン」という衝撃で体が宙に浮き、次の瞬間には床にたたきつけられていた。

腰骨を折ったが、最初の避難場所の福島県川俣町では「他にもっとひどい症状の人がいる」と入院を断られた。アリーナに移ってからは、ほとんどの時間を横たわって過ごしてきた。

接骨師による診療が始まった21日からは毎日マッサージを受けている。「それでだいぶ痛みが取れて楽になったんです。感謝しています」とニッコリ。今では、車いすを使って近所の銭湯にも出かけている。

4月からは、生活拠点が旧県立騎西高校(同県加須市)に移る。アリーナでは多くのボランティアに支えられた生活だが、井戸川克隆町長は「町民が自力で生活する基盤にしたい」とビジョンを語る。

町では、現金を持たない町民のために当面の生活資金として1人3万円を無利子で貸し出すことも決めた。

双葉町民たちの新しい生活は、希望と不安の中でいよいよ本格的に始まろうとしている。


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