「高齢の被災者受け入れを」-国境なき医師団・黒崎会長
医療介護CBニュース [3/20 16:32]
「高齢の被災者受をけ入れてほしい」と話す、国境なき医師団の黒崎伸子会長
警察庁によると、3月20日午後3時現在、東日本大震災による死者の数は8199人に達し、最も多い宮城県では4882人に上る。NPO法人「国境なき医師団日本」は現在、医師や看護師ら12人が計4チームに分かれて、同県内の南三陸町などで援助活動を行っている。地震発生直後の12日から2日間、現地で活動に当たった黒崎伸子会長は、慢性疾患を持つ高齢の被災者が多いことから、「受け入れる施設があれば、どんどん受け入れてほしい」と話し、医療機関に協力を求めている。
―現地をご覧になって、どのようなご感想を持ちましたか。
地震後の津波でこれほど大きな被害を受けたのは、日本では初めてのケースだと思います。
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わたしは2004年にインドネシアのスマトラ沖地震で援助活動を行った経験があるので、現地の状況は大体イメージできましたが、やはり先進国と発展途上国の違いは感じました。
日本は道路が非常に整備されていますが、逆にそこがふさがってしまうと、身動きがとれなくなってしまう。スマトラ沖地震の時には、山の中など何とか入っていけるスペースがありました。その意味では、今回の方が動きづらいと言えます。最初の数日間は、目の前の支援物資を届けることができないもどかしさを感じました。
―現地ではどのような活動を行っているのでしょうか。
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わたしたちは、できるだけ医療にアクセスできない被災者を助けたいので、周囲から孤立している場所をターゲットにして、そこで活動を行っています。そこに着くまでの道がない場合も多いのですが、援助のすき間というか、ポケットになっているところを探しています。手遅れにならないように、現地で診療に当たる部隊と、ポケットになっている場所を調査する部隊が同時に動いています。
―医師は何人ですか。
現在は4人です(20日現在)。DMAT(災害派遣医療チーム)と同じように、最初は外科系と麻酔、それから救急医療の医師が現地に向かったのですが、地震よりも津波の被害が大きいので、その後どんどん入れ替わって、今は内科だけになりました。
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あとは看護師2人と、臨床心理士、コーディネーター(全体の調整役)、アドミニストレーター(財務・雇用担当)がそれぞれ1人、それから現地でさまざまなセッティングを行う「ロジスティシャン」が3人います。医師や看護師がいるだけでは十分な活動ができません。ロジスティシャンは、電話を通じるようにしたり、電気のジェネレーターを使えるようにしたり、現地で働く環境を整備するため、非常に重要な役割を担います。
―医薬品や燃料など、さまざまな物資が不足していると思いますが、現在、どのようなニーズが多いのでしょうか。
わたしがこちらに戻ってきた日に、足りない薬のオーダーが現地から入りました。
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血圧のお薬とか、血小板凝集抑制剤とか、あとは睡眠導入剤みたいなものもありましたが、高齢者が飲まれるものがほとんどでした。オーダーのあった9000人のうち、6割が高齢者ということで、1か月分の慢性疾患用の薬を送ったら、「1日分にしかならない」と言われて驚いたのですが、それぐらい慢性疾患の方が多いということです。せっかく薬を届けても、1日分にしかならないのでは意味がありませんし、こうした薬は飲み続けないと効果が出ません。輸送ルートの確保や薬の納品が難しいという問題もあるので、薬の供給不足がこのまま続くのであれば、重症な方は一時的に避難していただく必要があると思います。
―現地で活動する上で、何か問題はありますか。
≫
阪神淡路大震災ではボランティアやNPOが活躍しましたが、まだNPOへの信頼感というか、「NPOと一緒に支援しよう」という体制が日本では整っていないように感じます。今回は幸い、医師会の先生やほかの方々のサポートで、すぐに動くことができましたが、それができなくて困っているNPOもあるでしょう。NPOと連携することで、もっと早く物流も改善されるのに、非常に残念です。NPOやNGOはさまざまなネットワークを持っているので、最初の段階で県庁の中にそのための窓口を作っていただければ、それをもっと生かせたでしょう。これから声を大にして訴えなければならないと思っています。
―今後、どのような活動を行う予定でしょうか。
≫
まだスムーズとは言えませんが、物流が少しずつ改善されているので、水や食料、毛布といった支援物資を今後も積極的に送るつもりです。病気の悪化の予防にもつながるので、現在、そのための準備を進めています。
―医療者の方にメッセージをお願いします。
津波の場合、外科的な治療が必要な被災者は非常に少なく、既に亡くなっているか、あるいは行方不明になっている方と、それほど重症ではない方に分かれます。高齢者の多い地区で起こった今回の震災は、過去の地震とはまったく違います。被災地には慢性疾患を持つ高齢者が多いので、そういった方々を受け入れる施設があれば、たくさん受け入れてほしい。とにかく早く、バスを出してでも引き取りに行っていただきたい。
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5人でも10人でも構いませんので、施設の空きスペースに順番に入れていただく。重症の方は必ずアセスメントして、例えば85歳以上の方を優先するといったやり方がよいのではないでしょうか。
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転載
医療介護CBニュース [3/20 16:32]
「高齢の被災者受をけ入れてほしい」と話す、国境なき医師団の黒崎伸子会長
警察庁によると、3月20日午後3時現在、東日本大震災による死者の数は8199人に達し、最も多い宮城県では4882人に上る。NPO法人「国境なき医師団日本」は現在、医師や看護師ら12人が計4チームに分かれて、同県内の南三陸町などで援助活動を行っている。地震発生直後の12日から2日間、現地で活動に当たった黒崎伸子会長は、慢性疾患を持つ高齢の被災者が多いことから、「受け入れる施設があれば、どんどん受け入れてほしい」と話し、医療機関に協力を求めている。
―現地をご覧になって、どのようなご感想を持ちましたか。
地震後の津波でこれほど大きな被害を受けたのは、日本では初めてのケースだと思います。
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わたしは2004年にインドネシアのスマトラ沖地震で援助活動を行った経験があるので、現地の状況は大体イメージできましたが、やはり先進国と発展途上国の違いは感じました。
日本は道路が非常に整備されていますが、逆にそこがふさがってしまうと、身動きがとれなくなってしまう。スマトラ沖地震の時には、山の中など何とか入っていけるスペースがありました。その意味では、今回の方が動きづらいと言えます。最初の数日間は、目の前の支援物資を届けることができないもどかしさを感じました。
―現地ではどのような活動を行っているのでしょうか。
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わたしたちは、できるだけ医療にアクセスできない被災者を助けたいので、周囲から孤立している場所をターゲットにして、そこで活動を行っています。そこに着くまでの道がない場合も多いのですが、援助のすき間というか、ポケットになっているところを探しています。手遅れにならないように、現地で診療に当たる部隊と、ポケットになっている場所を調査する部隊が同時に動いています。
―医師は何人ですか。
現在は4人です(20日現在)。DMAT(災害派遣医療チーム)と同じように、最初は外科系と麻酔、それから救急医療の医師が現地に向かったのですが、地震よりも津波の被害が大きいので、その後どんどん入れ替わって、今は内科だけになりました。
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あとは看護師2人と、臨床心理士、コーディネーター(全体の調整役)、アドミニストレーター(財務・雇用担当)がそれぞれ1人、それから現地でさまざまなセッティングを行う「ロジスティシャン」が3人います。医師や看護師がいるだけでは十分な活動ができません。ロジスティシャンは、電話を通じるようにしたり、電気のジェネレーターを使えるようにしたり、現地で働く環境を整備するため、非常に重要な役割を担います。
―医薬品や燃料など、さまざまな物資が不足していると思いますが、現在、どのようなニーズが多いのでしょうか。
わたしがこちらに戻ってきた日に、足りない薬のオーダーが現地から入りました。
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血圧のお薬とか、血小板凝集抑制剤とか、あとは睡眠導入剤みたいなものもありましたが、高齢者が飲まれるものがほとんどでした。オーダーのあった9000人のうち、6割が高齢者ということで、1か月分の慢性疾患用の薬を送ったら、「1日分にしかならない」と言われて驚いたのですが、それぐらい慢性疾患の方が多いということです。せっかく薬を届けても、1日分にしかならないのでは意味がありませんし、こうした薬は飲み続けないと効果が出ません。輸送ルートの確保や薬の納品が難しいという問題もあるので、薬の供給不足がこのまま続くのであれば、重症な方は一時的に避難していただく必要があると思います。
―現地で活動する上で、何か問題はありますか。
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阪神淡路大震災ではボランティアやNPOが活躍しましたが、まだNPOへの信頼感というか、「NPOと一緒に支援しよう」という体制が日本では整っていないように感じます。今回は幸い、医師会の先生やほかの方々のサポートで、すぐに動くことができましたが、それができなくて困っているNPOもあるでしょう。NPOと連携することで、もっと早く物流も改善されるのに、非常に残念です。NPOやNGOはさまざまなネットワークを持っているので、最初の段階で県庁の中にそのための窓口を作っていただければ、それをもっと生かせたでしょう。これから声を大にして訴えなければならないと思っています。
―今後、どのような活動を行う予定でしょうか。
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まだスムーズとは言えませんが、物流が少しずつ改善されているので、水や食料、毛布といった支援物資を今後も積極的に送るつもりです。病気の悪化の予防にもつながるので、現在、そのための準備を進めています。
―医療者の方にメッセージをお願いします。
津波の場合、外科的な治療が必要な被災者は非常に少なく、既に亡くなっているか、あるいは行方不明になっている方と、それほど重症ではない方に分かれます。高齢者の多い地区で起こった今回の震災は、過去の地震とはまったく違います。被災地には慢性疾患を持つ高齢者が多いので、そういった方々を受け入れる施設があれば、たくさん受け入れてほしい。とにかく早く、バスを出してでも引き取りに行っていただきたい。
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5人でも10人でも構いませんので、施設の空きスペースに順番に入れていただく。重症の方は必ずアセスメントして、例えば85歳以上の方を優先するといったやり方がよいのではないでしょうか。
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