【支援】被災地から離れた場所にいる私たちは何ができるのか。津総局の記者が、三重大学の川口淳准教授(45)=地域防災学=に聞きました。 http://ow.ly/4hI3A #jishin
2011/03/19 12:35
朝日新聞名古屋編集局 より転載


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東日本大震災 できることは
2011年03月19日


三重大(地域防災学)川口淳准教授



 東日本大震災の被災地に三重からどんな支援ができるのか。起こりうるとされる東南海地震への防災対策はどうすべきか。2003年、三重大学に現在の「自然災害対策室」を立ち上げ、04年の中越地震やスマトラ沖地震などの現場を歩いた川口淳准教授(45)=地域防災学=に聞いた。(高浜行人)

 ――1995年の阪神大震災で現地調査されました。今回の震災をどう見ますか。

 発生の翌日から神戸市で倒壊状況を調査しました。木造の建物が軒並みつぶれ、死者6434人、被害総額6兆~10兆と言われる大災害でしたが、今回の震災はそれをはるかにしのぐ、日本全体の危機です。三重でも、自分の生活基盤を脅かす事態と認識したうえで、個々人が生活レベルを落としてでも支援する覚悟が必要です。

 ――どのような支援をすればいいでしょうか。

 現時点ではお金です。まだ被害の全容が分からないし、ニーズもまとまっていない。何にでも代えられるものを送るしかない。経済力を蓄え、持続的に義援金を送れるようにすることも重要です。阪神大震災では不要なケースが多かった物資支援も重要になる可能性があり、その準備も有効でしょう。

 その次はやはりマンパワー。ボランティアの市民だけでなく、医師や看護師、介護福祉士、メンタルケアの専門家や保育士といった専門技能が提供できる人材を送ることです。その際、場所をよく考えて組織し、順番に送ることが重要になります。

 また、物資の買い占めをしないようお願いしたい。物がなくなることが不安なのは分かりますが、価格が高騰し、被災地に物が出回らなくなることにつながります。

 ――行政に求められることは何でしょうか。

 まずは被災地のニーズをまとめてほしい。県単位でできることとして、例えば、県や市町が被災した自治体とのつながりを生かし、独自に現地に行って何が必要か調査する。それをまとめて市民やNPO、学者に伝える、などが効率的です。

 また、長期的に持続して人を送るためには、給与の保障など担保が必要です。国にはその仕組みを考えてほしい。

 ――三重でも大きな津波被害が予想される東南海地震などへの対応が急務です。

 東南海地震やその後の津波をシミュレーションすると、鳥羽、南伊勢、紀北や尾鷲など県南部で、今回の岩手、宮城両県と同じような被害が予想されます。リアス式海岸であることや、地震の性質や規模が似ているからです。

 ――三重の防災の課題は何でしょうか。

 津波警報への避難率の低さです。震災が発生した11日、大紀町や紀北町の知人に電話すると「地域のほとんどが逃げていない」と言いました。避難指示や勧告を受けた地域の住民で逃げた人は1割程度にとどまるでしょう。

 今後、建造物対策や緊急時の地域の助け合いの強化、津波への意識変革が必要です。スーパー堤防などハード面の対策を無力化する津波の怖さはよく分かったはずで、その意識を次世代を巻き込んで共有することが必要です。

~~~~~以上