5月9日。晴れ。

転職を考えている。数日前から求人広告を見てはあーでもないこーでもないと悩んでいる。四十になっても未だに何をしたいのかわからない。よしみは、好きにすれば、と言ってくれているが、当の本人は重たくなってしまった腰をぐずぐずと引きずったまま途方に暮れている。高校生のときに実家が破産した。それもあって散々だった青春時代のせいなのか、貧乏が死ぬほど嫌だ。でもかと言って、がむしゃらになってお金持ちになってやろうとも思わない。自分の煮え切らなさにほとほと疲れ果てている。成功よりも安定が欲しかった。でもいま安定した生活は手に入れた。ならもう満足なはずだ。それなのにまだ何かが満たされないでいる。