9月26日。晴れ。

昼ごはんを食べているあいだ、銀平は床に寝っ転がってずっとこちらを見上げていた。僕がおかわりするのに立ち上がると、銀平は毛が逆立つのと同時にボクサーのジャブをかわすような動きで僕と間合いをとる。

空にはうろこ雲があった。あれほど勢いのあった緑色の茂みはどこかくたびれていて、古い写真みたいな色彩で統一されたその光景は哀愁を纏わせながら風に揺られていた。元気ハツラツな入道雲とはしばらくのあいだお別れだ。