石室に入ってから、あまりに暇である。


とにかく、登山者が来ない。


今週に入り、3日間暴風雨でリフト、ロープウェイが運休していたので仕方がないが、強風のなかを旭岳ロープウェイに下りたMmさんからラインが入った。


「旭岳裾合い大盛況!」


何とも羨ましい限りである。


もともと、登山者は旭岳の方が遥かに多い。


観光客も圧倒的に多い。


なんせ、旭岳は北海道最高峰である。


そして、姿見の池があり、そこからの旭岳が一番綺麗とされている。


であるから、黒岳が旭岳に勝てるはずはない。


しかしである。


石室があるのは今や黒岳だけであり、旭岳の避難小屋は基本遭難者でなければ使えないと言う、大変不思議な無人避難小屋である。


そのね、石室やポン黒からの大雪の広がりは、姿見の池からの旭岳に負けないものがあると思うのは私だけなのかな?


 Hsが交代で下山して、トイレ掃除、売店の掃除を終えてコーヒーを飲んでいても登山者は一人も来ない。


朝食前に散歩したが、今年の花は空前絶後に早い。


キンバイ、イワウメ、クロマメ、ミネズオウ、イワヒゲ、ウラジオナナカマド、ワタスゲ、ミヤマハタザオ、コメバツガザクラも咲いている。


雲の平のキバナシャクナゲは、もう終盤を迎えている。


今年も花は咲き乱れているが、やはり去年のほうが良いと思う。


そう思って、スマホで写真を見るとやはり去年のほうが一面咲き乱れている。


日付を見ると7月の20日前後、今年は7月の3日。


キンバイもドンドン咲いてきた。


今週末から来週の頭が見頃に思う。


その後はもう花のない緑一色の山となりそうだ。


 それにしても、笹の威力は凄まじい。


1900メートルあたりても年々広がり、チングルマの花畑を笹一面に変えそうな勢いである。


大雪山特有の苔の大地が、枯れ始めて下界のような植物で覆われ始めている。


極北や高山の植生は、オブラートで包まれているように脆く儚い。


それを理解している人があまりに少ないのが寂しい。


最近考えているのは、そういう植生の変化をカメラで収めて伝えるほうが大切なように思えてきた。


カメラの役割とは本来そういうことなのかもしれないと思った。


 あまりに暇で、やる事といえば掃除、読書。


3日連続の石室ブログ。


きっと、花の季節が終わって花を求める登山者が押し寄せるのだろうな。


私がブログで書いても、殆ど影響がないからね。


 それにしても、動物もいない。


石室には尾の短いシマリス君。


ナキウサギは、全く気配すらない。


暑いからね。


ヒグマは登ってきたようだが、昨年秋とこの春に下界で十数頭駆除されている。


大雪の山に来るヒグマも減るだろう。