9月の週末だった。


石室常連客のTDさんがやって来た。

いつものごとく、着くなり笑顔でビールをプシューっとやる。

テントを張るよりも先にデカイザックをドンと置いて飲みはじめるのだ。

間違いなく旨いだろう。

    確か、その日の夕方だったと思う。


TDさんが再びなのか、ずっと飲み続けているのか、もうわからなくなっている。


兎に角、飲んでいたときだった。


「俺車を買いかえたんだよね。」と私が話すと、「えーっ、何にしたの?」と食いついてきた。


「ジムニーが19万キロ走ったら、エンジンが壊れてね。載せかえに45万だかかかると言われたんだ。」


「それで、買え変えたんだ。」とTDさんが飲みながら話す。


「毛無峠を登っているときに急にスピードがおちてね。


エンジンが調子悪いから、ディーラーに見てもらったばかりなんだよね。」と愚痴るように私が話続けた。


「で、車は何にしたの?」


「まあ、2シーターなんだ。ワイドキャリースペースがあってさ。」と私が答えると、


「うっ?2シータ?ワイドキャリースペース?それって軽トラの事?」と笑いながら聞いてくる。


「そう、当たり。ホンダの中古の軽トラ。」


アハハとTDさんは、笑いながら「2シータ、ワイドキャリースペースなんて言ったら、凄いかっこ良いね。


軽トラ良いでしょ。えすきもーさんにピッタリというか、えすきもーさんの仕事にはあってるよ。」


「まあ、そうなんだけどね。」と、ちょっと気恥ずかしい感じで私が答える。


「それでいくらだったの?」


「80万。12000キロしか走ってなくてね、冬タイヤ付き、ホイールもアルミにしてくれてさ、荷台も足回りも綺麗に塗装して新たに車検とおしてくれた。」


「じゃあ、安いじゃない!今、軽トラ値段落ちないからさ。」


まあ、そうなのだ。


でも、ジムニーから軽トラにしたら、何となく格下げ的な感じがするのだ。


それでも、割りと新しい車は気持ちが良い。


今まで、エブリイ、ジムニーと乗ってきたが、ターボエンジンだった。


ホンダのアクティーの軽トラはターボがない。


それで、加速も悪いだろうな。坂道も遅いだろうな。と思っていた。


しかし、である。


車体が軽いのもあるかもしれないが、ススギの軽のターボ車よりも加速するし、坂も登る。


更に燃費も良い。


流石ホンダだな!と感心してしまった。



    とりあえず、今は満足している。


そんなことを、また仕事中に思い出してしまった。