怒涛のような忙しさの一月半が過ぎた。

引っ越し、ウィルダネスWAFAのファーストエードの講習と続き、その合間に泰地の発表会、赤井川の家の引き払い手続き等があった。

家の中も一気に整理しつつ、今は上川で働き始めている。

引っ越しした翌日から2週間ほど、札幌の実家で過ごした。

ただ、慌ただしい日々を過ごし、今月の始めにようやく上川での生活が始まった。

始まると同時に仕事も始めたので、体が更にボロボロとなる。


いやいや、引っ越ししてすぐに働くのは当たり前である。


転勤族ならごく当たり前のことだが、私のようなタイプの人間からすると、当たり前ではない。


転勤族ならば、引っ越しは業者に頼み会社が引っ越し費用を出してくれるので、引っ越しに体力を使うことはない。


むかし、むかし、サラリーマンだった頃に転勤をしたが体は楽だった。


ほぼなにもしなくて良かったのだ。


全て自分自身でやると、ボロボロの体が更にボロボロになった。


それで、少しでも空いた時間があると横になりたいが、我が家の3歳の泰地が寝かしてはくれない。

泰地と遊んでいると、14才のダルメシアンのうたが「私もかまって!」とやってくる。


「これはもうどうしたら良いのだ❗️」と思うが、多分モテモテなのはいまのうちだけだろうな。


「幸せなことなのだ!」と自分自身に言い聞かせている。


老犬のうたもあとどれくらい生きるかわからない。


そう思うと少し悲しくなる。


     引っ越しした家は民間の一軒家である。


築40年はゆうにたつと思う。


 しかし、私やヒチャにとっては、上川の家は新築にちかいのだ。


以前すんでいた方が70万ほどかけて自分でリフォームしている。


そして、カビと湿気だらけで、腐った床を2度も私自身でリフォームした赤井川落合の公営と比べると、生活しやすく綺麗で環境も良い。


    いかんせん、新幹線工事で騒音と無機質な環境変化に私は耐えられなくなっていた。


公共事業で迷惑を被りたくはない。


我慢もしたくはない。


環境が無機質になるのは、耐えられなかった。


兎に角、静かなところで生活をしたいと思っている私にとっては最悪な場所となった。



       新たな家は本当に静かである。


周囲に家もなく、家の前の道路も時折車が走るくらいだ。


家の横にはエゾリス、エゾユキウサギ、エゾシカが顔を出し、家の横の木にはアカゲラ、シマエナガが当たり前にやってくる。


松のてっぺんにカラスがとまったいるのかな?と思うと、クマゲラだったりと嬉しくなることばかりである。


    家の広いベッドで3人と一匹が川の字で寝ている。


目覚めると泰地君の顔がある。


マジマジと眺めていると、泰地が目を覚ました。


「まーるい顔の泰地くん」と歌うように話すと、笑顔で「ながーい顔のトーチャン❗️」と歌うように返してきた。


親バカだが、ナカナカ利発な子だな、と関心する。


うたも赤井川に居るときよりも歩くようになった。


赤井川よりも遥かに寒いのに元気になったような気がする。


ただ、後ろ足(股関節)を痛めているのがきがかりだ。