石室の営業が始まると、ジェラと小屋番に入ることが多くなった。


ここ黒岳石室の山小屋の管理人は、基本二人で24時間体制である。


山小屋には風呂もなく、管理人も食材は各自が背負って上がってくる。



   ある日、ジェラの食事を作る様子をマジマジと眺めていた。


まずは、手鍋にインスタントラーメンを入れる。


次に煮干しをゴッソリと入れる。


そこに水を入れて、火を着ける。


「おっと、水からインスタントラーメンの麺を入れる?デロデロのふにゃふにゃになるのではないか?」と思うが黙って見ている。


彼の好みかもしれない。


更に野菜やら豆を入れる。


ココナッツオイルを入れ、目の前にあった漬物を手にすると、「このスープ欲しい❗️」と言う。


「漬物の汁ね。良いけど。」と答えると、汁を入れる。


更にピーナッツバターをスプーン2杯くらい入れて、スプーンを舐める。


ニヤッとして「美味しい」の一言。


グツグツ煮たってから、キョロキョロして何かを探しているようだ。


その辺にある調味料を入れる。


「スープは?」と聞くと、「昨日ご飯に使った。」と言う。


そして、食べる。


「ジェラ、上手いか?」と聞くと「はい❗️凄い❗️」と言う。


「ジェラ、SNSで今日のジェラ飯ってやらないか?


山小屋でジェラの料理を作っているところを撮るの。どお?人気出るよ。」と食べているジェラに提案した。


「それやったら、有名になる?」


「多分ね、人に話したり、文章にするよりも映像の方が良いね。


言葉に出来ない雰囲気や独特のニュアンスが伝わるからね。」


「雰囲気っ?なに?それ?」


「ジェラのパーソナリティーかな?」


「なんとなくわかった。有名になるなら良いね。」


     このブログを書いていて、もっと楽しいことがあったけど思い出せない。


思い出したら、また書こうか。