不安的中(1) | ダーリンはマザコン

不安的中(1)

宮本さんと別れて私は家に着き、身の周りの片付け等を済ませてからブログの更新をしました。 別れ話の記事を上げ、宮本さんと会ってきた記事を上げ、気が付くとソファーで眠っていました。


私が目を覚ましたのは17時。


携帯の着信音が鳴り止まず、それで目を覚ましたのです。 携帯のディスプレイに出ているのは宏樹の名前。 1時間くらいしか寝ていたなったので無視しようと思いましたが、あまりにしつこいので仕方が無く電話に出ました。






「ヒロ君が熱出して寝込んだのよ。」






いきなりママの声。

いきなり責め口調です。






「今朝はどこに行ってたの?

 何度掛けても出なかったでしょ? 無視してたの?」



「家の方に掛けたんですか?」



「当たり前でしょ。

 携帯に掛けても、電波が入らない場所に・・・ってなってたんだから。

 あんな時間にどこ行ってたの?」



「会社の人と、近所のファミレスで朝食を摂ってました。」



「相手は女性なの?」



「いえ、男性ですが。」



「ヒロ君が苦しんでる時に、他の男と逢引してたの!?

 本ッ当に・・・ はァ~・・・。」



「職場の友達ですよ?

 私は浮気なんかしていません。

 それに、もう・・・宏樹君とは別れるつもりです。」



「馬鹿な事を言ってんじゃないよ!?

 アンタ、自分の勝手な都合で婚約破棄するつもり!?」



「お母さんも前々から言ってたじゃないですか。

 宏樹君と別れて欲しいって。」



「ちゃんとヒロ君と話し合ったの?

 アンタが勝手に決めただけなんでしょ?」



「昨晩ちゃんと話し合いました。

 その話し合いの結果、

 宏樹君も “別れた方がいい” と言ったんです。」



「嘘を言うんじゃないよ?

 ヒロ君はそんな事は一言も言ってません。

 アンタが私を嫌いだから別れたいって言ったんでしょ?」



「その場にいない人が、なぜ言ってないと言い切れるんですか?

 当事者がそう聞いたと言ってるんです。

 それに、嫌いだなんて一言も言ってませんよ。

 私はそちらの家に合わないから無理だ、と言ったんです。

 このままでは私も精神的に持たないんです。」



「ヒロ君が可哀想だと思わないの・・・?

 そんな鬼みたいな事がよく言えるわね・・・。

 熱を出して寝込んでると言うのに・・・。」



「宏樹君には、私よりお似合いな女性がいるそうですよ?

 お母さんもお会いになったそうじゃないですか。

 浅井さんという女性と。」



「浅井さん・・・? あぁ、あの子・・・。

 でも、あの子はウマズメなのよ?」



「ウマズメって・・・不妊症って事ですか?」



「子宮を手術して入院したのよ。 だからお断りしたの。」



「それは仕方が無いと思いますが、

 私は、一度でも他の女性に気の移った人とは結婚しません。

 私の両親だって許さないと思います。」



「じゃあ、私が今から美砂ちゃんのご両親にお話しするワ。

 ご両親の連絡先を教えてちょうだい。」



「止めてください!!

 私はもう、宏樹君とは別れたいんです!

 両親の事も巻き込みたくないんです!」



「何それ!!!」



「お願いですから、もう私に関わらないでください・・・。

 私はもう、宏樹君の事を、以前のように愛せません。

 浮気された心の傷は、いつまでも消えないんです・・・。」



「ヒロ君だけが悪いみたいに言うけど・・・

 アンタだって十分、節操の無い事をしてるじゃない!!

 夜明け前に男と会ってた? これは浮気じゃないの?」



「違います!! ただの友達です!!」



「じゃあその人と何をしてたの?

 ヒロ君のいない時を見計らって会ってたんでしょ?

 あんな時間に会う理由があるんですか??」



「正直に言います。

 私は彼に、これまで何度となく相談をしていました。

 お母さんとの不仲や、宏樹君との問題を。

 なので、別れ話で宏樹君の浮気を知った時、

 パニックになって、彼に相談したんです。」



「普通、そんな非常識な時間に男女が会ったりしないわよ?

 よっぽど親密な仲でない限り、そんな時間に会わない・・・。」



「非常識な時間だったのは百も承知です。

 それでも、私の異変を察して話を聞きに来てくれたんです。

 でも、これは友達としてです。

 お母さんの想像するような関係ではありません。」



「・・・もう言い訳はいいワ。

 この事はお父さんと話しますから。

 場合によっては美砂ちゃんのご両親にも報告しますから。」



「それは本当にやめてください!!

 私と宏樹君の問題であって、両親にはまったく関係・・・」





ママは私の発言中に電話を切りました。

私は腸の煮えくり返るような怒りで、眠気はすっかり覚めました。