こんにちはパクロス編集長の平野です。


はとバスが、
なぜ「はと」なのか。
寡聞にして存じません。
上野公園の鳩とかが由来だったりするのかしらん。
もしこれが猛禽類なら、
フクロウ、タカ、ワシその他です。
乗客をがしっと掴んで離さないというわけ。
「ふくろうバス」。
「たかバス」。
「わしバス」。
「わしズム」って何でしたっけ…。


フクロウ、タカ、ワシその他が猛禽類ですが、
これは何と言いますか、
たいへん主観的な命名ですね。
こう、
足の爪がガキッとしてる感じで、
ウサギとかを喰っちまう、
猛烈な禽(とり)だという命名でしょうけれど。
それは、
ライオンやトラを「猛獣類」と括ってしまうのと一緒、
ってことになりますね。
要するに、
人間から見て、
手に負えそうかどうかという話。
手に負えなければ猛烈です。
結局、
身体がでっかいか小さいかってことだろう。


ウサギなんぞ喰いよるとは…
鳥のくせして猛烈なヤツめ、
という先入観が、
そこには潜んでいるようです。
もし、
ライオンくらいの大きさのコーギーがいたら、
そいつは明らかに、
猛烈な獣、猛獣ですね。
そんな巨体でハッハッハッとなめ回されてはたまらん。
猛犬注意です。
同様に、
フクロウ級の大きさのセキセイインコがいたら、
やっぱり猛禽類でしょう。
手乗りインコでさえ結構痛いですし、あの爪。
猛烈ってことなら、
生ゴミ回収日のカラスも猛禽類ですな。


しかし、
何と言っても主観的な命名は、
霊長類。
これでしょうか。
我らこそは、
生きとし生ける者どもの長であるぞと言っている。
そう思うのは誠にもっともですし信条は自由ですが、
ちょっと待て、
そりゃ少し調子に乗りすぎではないか、
という感じがしないでもありません。
元々は食虫類ですもの我ら霊長類。


ではパリンドロームです。


雑誌編集長の業界ウラ話オモテ話Ⅱ


「なら、環境保護?」「いかにも。主に介護法、預金からな」


【 ならかんきようほごいかにもおもにかいごほうよきんからな 】


我ら霊長類の前には、
問題が山積みです。
もうこれどうすりゃいいのか、
何から手を着けるべきか。
核か。
飢餓か。
温暖化か。
経済格差か。
少子高齢化か。


世界スケールの問題が解決しにくいのは、
それが、
個人として「実感」できる問題じゃないからだ、
と思われます。
「実感」すれば、
人は動きます。
「実感」するまでは、
人は動きません。
それを言っちゃァお終いョな言い方をするなら、
よく言われる種類のことですが、
ソマリアの子供が飢えで倒れるそのとき、
日本では売れ残った幕の内弁当が捨てられている、
ということです。
日本人にとって、
ソマリアは、
「実感」するには遠すぎる。
ではそのゆえに、
日本人の飽食っぷりは非難に値するか?


非難しても良いですが、
問題は、
非難したところで何の意味も無い、
ということではないかと思われます。
貧しい国の現実を「実感」して、
献身的に活動する人々は確かにいらっしゃる。
見よ、その人々を。
それを知っているのなら、
あなたもそうすべきだ。しなさい。しろよ。
と非難されれば畏れ入るしかありません。
がしかし、
その非難すること自体には意味が無い。
ほとんど感情の衝突だけで終わりです。


生物として、
わざわざ自分の生存価を下げるような行動を、
つまり損になる行動を、
選択しないだろう普通はさ。
そこだけはガチで認めるしか無かろう。
その普通に逆らって不自然な行動をすることを、
倫理と呼びます。
豊かな日本を去ってソマリアで奮闘する人は、
とても倫理的なわけですね。
敬意を捧げるに値します。
しかし、
敬意を捧げること自体もまた、
ハッキリ言って無意味な気がします。
どれくらい無意味か。
幕の内弁当を捨てる人を非難するのと同じくらいには無意味だろう。
やっぱり「実感」が無い限り、
どうしようもありません。


そこで環境問題ですが、
これぞ、
実感しにくい問題のエースみたいなやつ。
政治問題化するなら、
「地球環境を守ります」という選挙演説と、
「税金のムダを無くします」という選挙演説と、
どちらが人心を掴むか、
という話です。
勝敗は明らかだ。
介護問題だって、
環境問題に比べたらよっぽど切実に思えるのでした。
ここに「実感」の難しさがありますね。
例えば、
エコバッグを生産することで、
大局的に見て、
環境負荷が増大しちまった可能性があります。
しかしその環境負荷は、
「実感」できない。
むしろ全く逆のことを感じるのが普通じゃなかろか。
大局的に見ることと、
「実感」することとは、
まるで正反対みたいなものですし。


介護だ預金だという目の前の身近な話から始めて、
それがいつの間にか、
どうにかこうにかして上手いこと、
環境破壊を止めようって話と結び付いたとき。
本当に実効ある環境対策が始まるでしょう。
それは分かりきっています。
でも、
それを待ってたらもう遅すぎるんじゃない?
というのが、
環境問題の要点らしいのです。


雑誌編集長の業界ウラ話オモテ話Ⅱ