これは予期せぬ傑作だ。
重力を操り空中浮遊する少年という設定はあまりにも荒唐無稽だが
そのSF仕立てと、ヨーロッパの緊迫した政治情勢と
純粋な映画的興奮を一つにすることに成功している。
ハリウッド流の何でもCGで合成する作り方とは
一線を画す映画の興奮にみちている。
舞台はシリアからの難民でごった返すハンガリー。
難民キャンプで医師シュテルンが、国境警備隊に銃撃された
難民の少年を診ようとしたとき、少年は「何かが変だ」
といいながら空中浮遊を始め、どこかへ消えてしまう・・・・・
日本経済新聞(NIKKEI STYLE) 映画コラム
「シネマ万華鏡」 2018.1.19.夕刊より
( 映画評論家 中条 省平 )
