これらの
古代から伝えられる
醸造法は
やがて、
原料を
石臼(いしうす)でつき、
水に浸して
醗酵(はっこう)させる
という法に変化してゆく。
原料も
米、
麦、
きび、
やまいも、
うめ、
やまもも、
みかん、
ぶどう、
など種々の酒を
作るように
工夫されていく。
酒の種類も多くなった。
正倉院文書や
*廷喜式(えんぎしき)、によると
「清酒」
「濁酒」
「糟酒(ソウシュ、カスザケ)」
「粉酒」
が記されている。
糟酒というのは、
酒かすに湯をそそいだもので、
粉酒は甘酒のことをいったらしい。
これに類したものに、
天皇即位時の*大嘗祭(だいじょうさい)、
あるいは、現在の
伊勢神宮に伝えられるものとして、
「白酒(しろき)」
「黒酒(くろき)」
「醴酒(れいしゅ、ひとよ)」
「清酒」
の四種がある。
米一石のうち、二斗八升六合を
もやしにし、残りを飯にする。
これに水五升を混ぜて、
二つのかめに分けて
発酵させると、
酒1斗七升八合五勺(ごしゃく)
を得る。
この場合、久佐木(くさき)と
いう木の灰を入れると
黒酒(黒貴)になり、
入れないものを白酒(白貴)
と呼んだ。
黒酒は酸味の強い
ドブロクの一種であり、
今日なお、伊勢神宮では
製造法は極秘の一つと言われている。
古代に発見されて以来、
酒神が、現代になお
累々と続き愛されていることは、
正に
「奇し」
な
存在であると言えよう。
完
------------------------------------------
*延喜式(えんぎしき)
平安時代中期に編纂された格式(律令の施行細則)
*大嘗祭(だいじょうさい)
天皇が即位の礼の後、初めて行う新嘗祭(にいなめさい:収穫祭)