仁徳天皇と言う人は大変な恐妻家だったらしい。
というよりも、皇后がまたきつ~い、やきもちやきだったと言うのが現実のようである。
どんな用事であっても、女官たちがあまり近づいたりすると手足をバタバタふみならして怒り狂うほどのヒステリーだったと言われている。
それ故かどうか、吉備の国(きびのくに:古代日本の地方国家で現在の岡山県全域と広島県東部 と香川県島嶼部および兵庫県西部)から黒日売(くろひめ)という女性を迎え入れ、公認の二号さんにした訳だが、こんな奥さんがいてはおちおち安心して愛して、愛されていられる訳がない。
ヒステリー皇后のやきもちにすっかり恐れをなして黒日売は郷里へ帰ると言い出した。
天皇は宮殿に昇って黒日売の船を見送りながら悲しみの歌を詠んだという。
ところが、これを聞いた皇后は、ただちに人を使わして、黒日売を船からおろし、陸路を歩いて帰らせたと言う。
相当なものである。
しかし、やさしい黒姫売を忘れる訳がない。
「淡路島を見に行く」
との名目でまず島を渡り、その島伝いにこっそりと吉備の国に向かった。
黒日売はたいそう喜んで愛する天皇を迎え、その国の景色の良い小高い山に案内した。
そして、食事時になると彼女は食事の用意にかかり、汁の実に使う青葉を摘み始めた。
天皇は葉を摘む黒日売の側に歩み寄って、歌った。
山がたに
まける青葉も
吉備ひとと
共につめば
楽しくもあるか
天皇と黒日売は葉っぱ汁を楽しんだのである。
その頃と言うのは紀元三二五年の頃の事である。
つづく
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仁徳天皇・・ウィキより
