経皮毒について。 | パコの手作り石けんのあれこれの雑記

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え~と、石けんを作っているにあたって、あれこれとやっている訳なんです(^^;)
そんなことを綴っております。

え~。お付き合いさせて頂いているブロガーさんの記事に触発されて、こんな記事をあげようと思いついてしまいましたが・・・・。
以前ミクシィのコミュで私が調べたことを抜粋、引用いたします。

長いです。めっちゃ長いです。先に謝っておきます。
ごめんなさい!!
以下引用・抜粋
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これから書くことはかなりの爆弾発言も含まれます。
いろいろご意見もおありかと思いますが、私見を述べさせて頂きます。
ご意見、反論などございましたら遠慮なく書きこんで下さい。
答えられる限りお答えしたいと思っております。

まず「経皮毒」という言葉です。ウィキペディアから一部抜粋、引用します。

「経皮毒とは、主に健康法に関する著作に多く見られる造語であり、学術的には用いられない。」
要するに医学的に用いられる用語ではない、ということです。

「化学物質の有毒性は、障害を受ける臓器、メカニズム、エンドポイントなどによって急性毒性、皮膚腐食性/刺激性、眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性、呼吸器感作性、皮膚感作性、光毒性、変異原性、発ガン性、生殖毒性などのそれぞれの観点から検証されるものであり、薬学的に投与(吸収)経路によって毒物区分することはない。」 (要するにどういう経路をたどって吸収されたか、ということでは区分されないのですね。)
有毒性については、かなり細かく、またいろんな観点で検証されますが、経皮毒、という言葉はありません。

そして「最も近い学術用語は経皮毒性、皮膚に適用した試験、という意味で用いられる。」
ということです。経皮毒性と経皮毒は混同しやすい言葉ですが、全く違う、ということです。

経皮毒、という言葉はそれこそあちこちで目にします。やたらに不安を煽る記述も目にします。
この経皮毒という言葉、「皮膚から吸収される有毒な物質が体に蓄積して、悪影響を与えるよ。」というような意味で使われているようですが、そもそもの言葉自体から医学的な根拠の無い言葉だ、ということを知っておいて下さい。
さて、あるサイトでびっくりな記述を目にしました。
ラウリル硫酸ナトリウムについて、です。
「皮膚には分子量3000以下のものが入りこみ、800以下で細胞に、100以下で血管に入りこむ」、というようなことでした。
ラウリル硫酸ナトリウムは分子量289ですから、問題なく細胞間に入りこみ、そして蓄積され、悪さをする、発ガン性もある、その他もろもろ・・・とにかく危険であるのだ!!という記述でした。

この中で私が個人的に信じられるのはラウリル硫酸ナトリウムの分子量が289である、ということだけです。

分子量3000以下って・・・・どれだけのものが入りこむことになるのか?
これではヒトの皮膚はザル状態ではないか?と思うのですね。
そんなに簡単に入りこむことが出来るのなら、ラウリル硫酸ナトリウムだけに限らず、いろんなものが皮膚にくっついた時に入りこめることになります。( コーヒーの粉とか、ホウレンソウの汁とか、溶けたバターとか、石けん作りに使用する油もろもろとか・・・。よ~するに分子量3000以下のものなら何でも入り込めるって~ことになります。)
それはいくら何でも・・・と思うのですね。

そもそも皮膚というのは外界から余分なものが入りこまないようなバリアの機能を果たしています。
通常は何らかの物質が容易に入りこめるとは考えられていません。
(ただし、場合によっては皮膚から吸収されることもあります。金属アレルギーなど。ただ、この金属は分子量としては相当小さいです。)

また、ヒトは何らかの有害物質を吸収した時、肝臓や腎臓などで体外にそれを排出する機能も持っています。
(これも一部重金属などで蓄積されるものもありますが。←ウィキペディアより。)
この辺りを全く無視して経皮毒、という言葉で不安を煽るのは良くないなあ・・・という思いです。
さて、話題になっていたラウリル硫酸ナトリウムについて、です。

国際化学物質安全カード、というものがあります。これは国立医薬品食品安全衛生所、という所が出しているものです。
この国際化学物質安全カードでラウリル硫酸ナトリウムについて検索しました。

ラウリル硫酸ナトリウム 分子量289
皮膚:発赤、痛み    処置 皮膚を洗い流す
暴露の経路:エアロゾル(気体に混じった状態)の吸入、経皮、経口摂取
短期暴露:眼、皮膚、気道を刺激
長期または反復暴露:皮膚炎を引き起こすことがある
(暴露とはその薬品にさらされる、という意味です。単回暴露とは一回の暴露、反復暴露とは複数回の暴露、長期暴露とは長期にわたって暴露する、ということです。)

ただし、ここでは量が書いてありません。どのくらいの量で毒性を示すのか?がわかりません。これを読んで一概に「これは危険だ!」とは言い切れない訳です。
(暴露の経路について経皮、とありますが、これは「浸透」するのではなく、表面においての暴露の意味です。)

MSDS(安全データシート)を調べてみますともう少し詳しく書いてあります。
ナカライテスク(株)が発行しているMSDSを抜粋します。

危険性:通常の状態では危険性はない
有毒性:低濃度では刺激性は少ないが、界面活性剤の一種で、脱脂作用により皮膚あれを引き起こす
皮膚腐食性:データなし
皮膚刺激性(皮膚・眼):ヒト 25mg/24H MLD(皮膚)
ガン原生:データなし
変界原生(微生物・染色体異常):認められず
環境:生分解性 95%以上

ここで皮膚刺激性の量がわかりました。一日25mgの暴露のようです。MLDという記号については調べましたが、恐らく毒性を示す最小値のことであろうかと理解しましたが、これははっきりとはわかりませんでした。

そして、実はエタノール(エチルアルコール)のMSDSにも同じような皮膚荒れの記述が載っております。
皮膚刺激性としてはエタノールとラウリル硫酸ナトリウムはたいして変わらない、と理解しております。(皮膚荒れを起こす、という意味で。)
確かに皮膚に対してある程度の有毒性(炎症を起こす)を持っており、それに弱い人もいらっしゃると思います。
しかし、一方で全く平気でラウリル硫酸ナトリウムの入った洗浄剤で体を洗っている人もいることを忘れてはいけないと思うのです。

こういった物質に弱く、肌が荒れてしまうから手作り石鹸の世界に入った方は多いと思います。
ただ、あまりにも過剰な毒性を持ちだし、不必要に不安を煽るような記述には注意が必要だと思う次第です。

さて。経皮吸収される薬物は確かにあります。そして皮膚にはバリア機能が備わっている、ということも確かです。
これから調べたことをまとめてみますね。(まとめなので、情報が前後混在します。先に出典を書いておきます。)

「エーザイ(株)HP、九州大学大学院工学研究化学工学部門研究クループ論文(2006.2月発表)メルクマニュアル医学百科HP、産業医学総合研究所HP、論文「薬物の経皮吸収と口腔粘膜吸収の基礎研究」岡山大学薬学部木村教授著、日本製薬工業協会HP 」 より引用・抜粋

まず皮膚の構造です。表皮、真皮、毛嚢・皮脂腺及び汗腺などの付属機関を収集する皮下組織、で構成され、更に表皮は角質層と表皮細胞の層とに分けられます。
皮膚のバリア機能とは、この中の角質層に由来しており、経皮吸収されるためにはこの角質層の透過性を促進せねばなりません。

薬剤の経皮吸収経路には3つのルートがあり、
1.毛嚢、皮脂腺、汗腺などの付属器官から
2.角質層の細胞間脂質から
3.角質層の角質細胞間の実質を通る
となります。
この時、皮膚は自ら積極的に薬剤を吸収するのではなく、吸収されるのは製剤の粘着面と皮膚面の濃度差によって皮膚に沁み込まれる受動的拡散によるもの、とされています。
また、その浸透力は薬剤の含有濃度や貼付面積、貼付時間によって決まります。

一般に皮膚疾患などに使われる湿布薬などは有効成分の放出を調整することにより長時間の貼付が可能となっています。(要は少しずつ放出される訳です。)
また、狭心症治療薬などの全身性の貼付剤は角質層を通り、皮下組織の毛細血管に移行し、全身に分布されますが、そのため、有効成分は分子量が小さく、脂溶性の高いものに限られます。

2006年2月に発表された九州大学大学院工学研究化学工学部門研究グループの研究では、DNAを界面活性剤分子の集合体である逆ミセル内に包みこんだDNA界面活性剤複合体の”ナノベクシル(分子集合体)”の作製法の開発にメドがついた、としており、さらに医療現場への実用化へ向けて開発途中である、としています。
このナノベクシルは直径50nm以下の非常に微小な球体であり、角質層の隙間を通って吸収される、とうことです。

皮膚は元々薬剤などを通しにくい構造を持っており、例え有効成分の入ったものを貼付したとしても少しずつしかしみ込みません。
それを利用して、少量の投薬を長時間必要とする治療に使われています。例えば狭心症の治療薬では、舌下投与(舌の裏に含ませて浸透させる)では吸収が早過ぎ、副作用の問題が起こりましたが、これを皮膚に貼付することによって吸収速度が落ち、副作用の問題も少なくなった、とされています。

経皮吸収を目的とした医薬品でさえ、これほどしみ込みにくい構造を皮膚はもっております。
更に、細胞間を通り、血中へしみ込み全身へ回る、となると先に書いたように非常に限られた物質となります。
更に更に、先に書いたように「貼付」(←薬剤を貼り付けっぱなしにする)、ことで初めて吸収され、そして「時間」「量」によって浸透は決定的に縛られます。

ここから私見となります。
洗浄剤を肌や頭皮に乗せっぱなしにするでしょうか?それらの洗浄剤は、浸透を目的とし、促進するための工夫がなされているでしょうか?
洗浄剤はあくまで「洗浄」を目的として作られており、「浸透」を目的とはしておりません。

また、肌の角質層を通り、更に奥へ浸透するためにはまだ物質は限られているのです。
九州大学大学院工学研究化学工学部門研究グループの方々が未だ開発中である角質層を通り抜ける物質、逆ミセルに包みこんだ50nm以下の物質、というようなものを化粧品会社は既に開発しているでしょうか?
界面活性剤、という言葉でどきっとされた方はおられるでしょうが、ただの界面活性剤では皮膚から体内へ入りこむことは出来ません。

以上を考えると、肌を通って体内に吸収されるためには相当の条件が必要となります。
ヒトの体の構造、そして皮膚の構造をもう少し信頼しても良いように思います。
滅多なことでは異物が皮膚を通して入り込むことはありません。
よく化粧品で見かける言葉、「お肌へ浸透」と言っても角質層に達するまでの表皮細胞の部分であるのではないか?と思うのですね。
「肌浸透」と「肌から浸透」では大きく意味が違いますし。
いたずらに経皮毒という言葉でもって、消費者の不安を煽るような行為は良くないな、と思っております。
あまり根拠の無い言葉のように思われますので・・・。

皮膚は一枚ではなく、何層にも分かれてそれぞれの役目を持って総称「皮膚」と呼ばれております。
この機能はなかなか素晴らしいものだと思うのですが・・・。
結論として、私は「経皮毒」という言葉を信じてはおりませんです。

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