月曜日から金曜日まで
決まった時間に自宅を出て
自転車で職場へ向かう

自宅はなだらかな坂の下にあるため
自転車は漕ぎ始めから
いきなりの立ち漕ぎ

細い路地を抜け
小学校の裏道に入る
プール脇の塀にさしかかった所で
道は右に折れる

毎日この曲がり角で
私の仕事スイッチが入る

頭の中でガチャンと音がして
スイッチオン!
自転車のペダルを踏む足にも
力が入る
家のことは一旦忘れて
背筋を伸ばして仕事モードに入る

今日もがんばるかっ!

仕事だもの
楽しいばかりのはずはない
それでも
仕事には行かなくちゃいけない
その義務のような行為を
いかに楽しみながら
自分のものにしてしまうかが
毎日の課題

仕事を与えてもらえること
必要とされることの意味を
ひしひしと感じ
感謝しなければと言い聞かせる

一日の勤務を終え
すっかり暗くなった道を
自宅へと急ぐ
スイッチオンの地点よりやや手間で
スイッチは切れる
と同時に頭の中で
夕飯の支度の段取りを始めている

このスイッチがなかなか上手く
オフにならない日がたまにある
自分の仕事に納得できなかった日
そんな日は
仕事を引きずりながら
わずか5~6分で自宅に着いてしまう

どよんと疲れた自分を
笑顔にしてくれるのは
門扉の音に窓から顏をにょきっと
覗かせるこむぎのキラキラした瞳
この瞳が私の疲れを
重いコートを脱ぎ捨てるように
すとんと払い落としてくれる

こむぎの柔らかい毛並みに触れれば
スイッチは完璧にオフ

さあ、ご飯作ろ!