私自身の高校卒業式も
3月1日だった
当日の朝は雪が降り積もっていた
前日が第一志望の大学の発表日で
翌日3月1日の朝刊に
合格者の名前が掲載された
今思えば
個人情報なんてあったもんじゃない
でもそんなのんびりした時代だった
遠方の大学だったので
発表は見に行かなかった
合格書類は翌日来ることになっていたが
3月1日の卒業式に
高校の先生に報告したいという思いもあった
まだ足跡のついてない
真っ白フワフワの雪を踏みしめながら
西日本新聞の販売店に向かう
まだあたりは真っ暗
販売店で朝刊を買い
雪の歩道で新聞を広げた
小さく小さく載っていた自分の名前
腰が抜けそうになった
早く母に知らせなければ!
コンビニも携帯もない時代
もう何十年も前のこと
雪道に足をとられながらも
走るように自宅に戻り
玄関の引き戸を開けたとたん
母の心配顔が飛び込んだ
「あった」
そう言って母にしがみついた
それまでの一週間
私の自己中な態度から
母とケンカになり
ずっと口をきいていなかった
だからその一言とともに涙が溢れた
ゴメンねの気持ちと一緒になった
「それかねえ。えかったねえ。えかったねえ。」
そう母は私の背中をさすってくれた
3月1日には思い出す
高校の体育館へ向かう
渡り廊下から見た雪景色と母の顔