ハリウッドのS F映画で、多次元宇宙(マルチバース)を背景にして物語を面白くしているものが、色々あります。この多次元宇宙というものを科学者が語るようになったのは、“微調整された宇宙“論に対抗するためだったようです。ビッグバンから宇宙が始まったというは、創造主を否定する人には都合が悪い発見だったのですが、“微調整された宇宙”論は、さらに都合が悪いものです。
“微調整された宇宙”論は、微調整した創造主の存在を暗示しています。つまり、地球の環境や生命が存在できるように、ビッグバンの時も含めて創造主が微調整してデザインしたという可能性です。微調整とは、例えて言えば、20か30くらいのダイアルが付いた機械があって、そのダイアルのどれもが完璧に微調整されないと機械が正しく動かないようなものです。
創造主を否定したい時に用いられるのが、「偶然」です。10の硬貨を投げて全てが表になる確率はとても低いですが、不可能とは言えません。つまり、沢山のチャンスがあれば、その中の一つが今の宇宙や地球になる可能性が出てきます。多次元宇宙です。つまり、沢山の宇宙がある中で、その一つが私たちが住んでいる宇宙だという考えです。でも、それはかなり苦しい説明です。
宇宙のダイアルに相当するのが、物理定数や宇宙の初期条件です。重力、電磁気力、ダーク・エネルギーなどが、物理定数の例ですが、それぞれの定数が気の遠くなるような精度で微調整されて、それぞれの定数の組み合わせで宇宙と地球が成り立っている、となると、偶然だと考えるのは苦しくなります。正直、偶然だと言うのは、冗談に思えてきます。
しかし、物理学は意味に関して論じる学問ではありません。意味に関して論じる学問は、哲学です。“微調整された宇宙”の意味について考えて、無神論から有神論に転換した人に、アンソニー・フルー(Anthony Flew)という哲学者がいます。微調整された宇宙やD N A研究の発展の意味を考える中で、知的なデザイナーとしての神様の存在を信じるようになり、世界の人を驚かせました。
私は四柱推命や易の意味について考えると先日書きましたが、四柱推命や易は世界にある、陰陽五行に基づいた一種のメカニズムを語るものです。しかし、心と人格を持つ、人格神としての神様を証かすわけではありません。似ているのですが、アンソニー・フルーも、微調整された宇宙やD N Aなどのメカニズムの意味を考える事を通じて、知的なデザイナーとしての神様の存在を信じたのですが、人格神としての神様を証かしたのではありませんでした。
人格神を探そうとする人たちは、霊的修練の道を行きました。しかし、神様がなぜ創造したのかという、創造目的を語る人は少ないです。でも、創造目的は一番根本的なものです。なぜなら、創造者が存在し、目的があるのなら、その創造者の目的が、人間それぞれが生きる目的と意味を左右するようになると考えられるからです。