1944年7月25日に藤永田造船所で完成した桑は、大戦の趨勢に合わせた設計の松型駆逐艦五番艦です。
敵潜掃討部隊に編入された後、捷一号作戦が発令されると小沢提督率いる日本海軍最後の機動部隊の一員として参戦、無傷で内地に帰還しました。
その後、レイテ島オルモック湾への第7次輸送(第3梯団)時に米大型駆逐艦3隻及び魚雷艇の集中攻撃を一身に受け、艦橋左に被弾後、二番主砲あたりにも直撃を受けて火災が発生、火は後ろから前へ燃え広がり左舷へ大きく傾斜した後、僅か9分で撃沈されました。
今回はその最期をジオラマ化したものです。






電飾もやりました。
炎がゆらめきます。


細部をご覧下さい。

沈没前には左舷に30°傾斜し艦尾から沈んだそうなので、作品では25°傾けてあります。このため喫水線下をスクラッチしました。


一番主砲は早くに沈黙したそうなので、周囲に少数の薬莢と倒れた乗組員を配置。沈没前は艦橋前の一番機銃のみが発砲していたそうなので、銃撃している様子を再現しました。
この他、艦上各所に乗組員を配置し、倒れた人の周囲にはマニキュアで血を表現しました。

乗組員は若干のオーバースケールですが、正確性より存在感を重視しました。

キットはヤマシタホビーの「竹」です。最新キットゆえ、若干の追加工作で松型の勇姿を再現できます。ディテールアップにあたっては、桑は写真がほとんど残っておらず図面もないため同型艦を参考にしました。
主な工作は以下の通りです。
艦橋内部及び防空指揮所の再現、前後マストの作り直し、短艇・ダビットの精密化、ナノドレッド機銃への換装、爆雷装備のエッチング化及びスクラッチ、舷窓開口箇所の修正、空中線の展張、甲板上の箱やリール等の追加、手すりの自作 など
考証の過程で前マストのヤードが3脚の後ろ2本に取り付けられていることが新たに分かりました。

ジオラマは透明プラ板の枠内に石粉粘土を詰め、その上にメディウムを3度塗り重ねました。
海の色はロイヤルブルーの上からクリアグリーンを重ねてあります。
また目立ちませんが左舷舷側から油漏れを起こしている表現もしてあります。

黒炎は盛り上げたメディウムをクリアオレンジなどで塗り、内部にLED7個とランダム点滅用回路2個を仕込んであり、炎のゆらめきを表現しました。
なお炎上箇所は当時の乗組員の証言を参考にしています。


ネームプレートはDAISOアルミ板に透明シールを貼って作りました。
金属の質感がいい感じです♪

【製作後の感想】
自己満足度かなり高めです(´ω`)
ポイントはやはり揺らめく炎と濛々と上がる黒煙、そして乗組員の血です。いずれも初の試みでしたが、予想以上の出来になりました。
光をゆらめかせる回路の効果は高く、メディウムで作った炎との相性は抜群です。
黒煙は少し濃すぎると言われそうですが、多少オーバーな方が断末魔的な表情になるのではとも思います。
血はグロテスクな表現ですが、あえてそこに踏み込むことで戦争の悲惨さが少しでも伝わればという意図です。

考証面については、竹製作時に松型は研究し尽くしたと思っていましたが、舷外板の溶接痕の違いや13号電探取付位置など、新たな知見も得られました。今回は図面や写真に加えて乗組員の証言も参考にしましたが、やはりその方がよりリアルに作れる気がします。

毎度のことですが、スーパーモデラーさん達の作品に比べれば多くの点でまだまだ稚拙です。特に水柱は私の力でリアルに作ることは不可能と感じました(二度と作らないと思います)。
しかし軍用艦船は単に「かっこいい」「勇ましい」だけではありません。
人殺しの道具です。
「戦争の悲惨さ」というテーマはしばらく前に作った空母天城や戦艦榛名でも同様に取り扱って一定の結果を出したと思っており、今回は更に1歩前に進めたかなと思っています。
これは今後の艦船製作でも一貫していきたいと思っています。
少し重いテーマの作品ですが、この想いが少しでも皆様方に伝われば嬉しいですね。

桑製作もいよいよ大詰めです。

前回作成した短艇を艦に設置しました。
旧海軍艦船の場合、艇はグライプバンドでダビットなどに固定されます。松型駆逐艦の場合はカッター・小発とも甲板上の艇台に置かれるので、バンドは甲板に繋ぎます。
その具体的な様子が分かる写真はこちら↓

軽巡川内の11m内火艇。
森恒英氏著「日本の巡洋艦」の図では、バンドと甲板の間はターンバックルで繋いであります。
これまで私が作ったプラペーパー製グライプバンド(軽巡龍田改二参照)は狙った位置で接着するのが大変だったので、今回はDAISOの白いマスキングテープを使います。
ターンバックルを1/700で正確に形状を再現するのは困難なので、伸ばしランナーで我慢。
施工状態はこんな感じです。

テープの粘着力で位置決めがしやすいし、質感も悪くない気がしました。今後の定番工作方法になりそうです♪

次に取り掛かったのは火災による炎。リアルな炎はどのように表現すべきかが課題です。
最初に考えたのはタミヤの透明ソフトプラ棒に色を塗る方法。先端を少し鋭角に削れば多少は炎っぽく見えるかなと。しかしやってみるとイマイチ。
次に考えたのは着色した綿。しかし実際の炎は綿状には見えません。試すまでもなく却下。
そこで思い付いたのはメディウムを盛り上げる方法。芯にソフトプラ棒を入れて嵩をかせぎ、その上からメディウムを塗布します。

乾燥すると透明になるので、これを数回繰り返せばそれなりの大きさの炎が出来るという寸法。途中でLED点灯テストしたところ、なかなかいい感じ♪
出来上がりが楽しみになりました。
メディウムが透明化したら、塗装します。炎の色を参考にしたのは、先日行ったキャンプでの焚き火w
メインはオレンジですが、根元付近は赤、炎の一部はスモークがよさそうだと感じたので、そのように塗装してみました。

炎が上がれば煙も出ます。
実は今まで黒煙を作ったことがないザク違。とりあえずググって黒煙の形状をチェック!


昨年の模型展示会で知り合ったチュンチュン丸さんに作り方を教えてもらいました。
DAISOで買ってきた綿を薄く引き伸ばしてダンボールに留め、ニュートラルグレーをプシュー!

たなびく煙の形状固定のため、芯に0.18mmワイヤーを使い、その周りに着色した綿を巻き付けてワイヤーを隠し、その上から小さく丸めた綿を重ねて形状を整えます。

試作1号はこちら↓

芯は0.18mmだと綿の重量に耐えきれないと分かったので、0.55mmを使うことにしました。

お次はフィギュア。
これまでの私の艦船作品では水兵は登場しませんでしたが、人の姿が見えないのに大砲や機銃が撃たれていることに違和感を持っていました。
今回使うのは「海魂」社のエッチングパーツ。でもあまりにペラペラです。さすがに実感を損なうのでささやかな抵抗として両面にサフを7~8回くらい吹いて厚みを作りました。
塗装は後頭部頭髪と靴を黒、肌が見える部分はフラットフレッシュ、フラットアース、デザートイエローの3色を使い分けることで、日焼け具合の個体差を作りましたw


ジオラマベースにはネームプレートも設置します。
今まではプラバンなどにコピー用紙に印刷したタイトルを貼り付けるだけの簡単工作でしたが、今回は金属的な雰囲気を出すため、これらを使います。

透明ラベルシールにジオラマタイトルを印刷し、アルミ板に貼り付けます。
アルミ板はヘアラインが入っているとよりカッコいいのですが、100均クオリテイではこれが限界w
それでも今までより大幅に質感がアップしたと思います。

最後の仕上げは展張線。
メタルリギング0.1号(0.06mm)を瞬間接着剤で張り回します。
これが終われば漸くの完成!
次回はその全貌をアップする予定。
期待せずにお待ちくださいm(_ _)m

ジオラマベースの海面も概成したので、再び桑の製作に戻ります。
まずはスパンウォーターの設置。
それらしく切り出したプラペーパーを図面に示された位置へ正確に設置します。



次にボート類。
松型駆逐艦には6mカッターと9m運貨船(小発)が2隻ずつ搭載されていました。キットにはそのパーツが入っており、いずれも大変精緻なモールドです。
ただプラの性質上、エッジが若干ダルい印象があることと多少厚みがありすぎるのが難点と言えば難点です。カッターは船体の縁を薄く削り、船内の腰掛けなどを一旦削り落としてからプラペーパーで作り直します。


運貨船はあまり問題がないように感じられたので、舳先にあるシールド状のものを薄く削り込んだのみです。

主砲もキットのものは大変素晴らしいモールドで、1番主砲である12.7cm単装高角砲は松型にしか装備されなかったものですが、実物の特徴を大変良く捉えています。
竹の時のようにスクラッチすれば砲側照準所盾のシャッターを開いた状態にすることも出来ますが、今回はメーカーに敬意を表してキットパーツの防盾を薄く削って使うこととしました。
2番主砲の12.7cm連装高角砲は砲側照準所盾の高さも低めにされていますし、その前端下部には電動機室もモールドされており、全体のモールドも良好です。
ただ今回は以前に作ったスクラッチ失敗作を使います。というのも桑は2番主砲あたりに敵弾を食らったらしいので、ジオラマでは破壊された2番主砲を再現したいと考え、スクラッチ版を破壊することにしようと思ったからです。
ちなみにキットパーツとスクラッチ版の比較はこちら↓


戦闘中の臨場感を出すため、2基の主砲周辺には使用済み薬莢をバラ撒こうと考えました。
12.7cmの1/700は約0.18mm。長さは↓の画像から1/700で約1.1mmなので、概ねそのくらいのサイズの伸ばしランナーを金色に塗って作りました。




次に後部マストの製作です。
こちらも前マスト同様四角柱で作られていたので、0.3mm角棒で三脚を立て、13号電探、速力信号灯、方向信号灯、避雷針などを設置します。

マスト後部に付く速力信号灯は一般的にはマスト柱から少し離れた位置に取り付けられますが、松型及び橘型については工事簡易化のためかマストに直付けされています。
ここで悩んだのは13号電探の設置位置です。
桑と同じ藤永田造船所で建造された楢は次のような位置に設置されていました。

他艦も分かる範囲で調べると、次のような状況でした。

悩ましいのは、設置位置の違いが造船所によるものでもなく、建造年次によるものでもないと思われることです。ただ、萩のような取り付け方は少数派のようです。
よって今回は楢と同様の設置方法にすることとしました。

前マストにも逆探と避雷針を付け、艦橋天蓋前端に90式無線機アンテナを立てました。


オルモック輸送時の桑の爆雷兵装は、新造時のY砲2基に加えK砲4基が設置されていました。その装備位置は福井静夫氏がまとめた「各艦機銃、電探、哨信儀等現状調査表」に示されています。

またネットをググりまくったところ、エンガノ岬沖海戦時の桑とされるこんな写真が見つかりました。


そしてまたここで悩みが発生。
K砲に爆雷を装填するためにはその隣に装填台が必要となります。しかし特に左舷側は魚雷運搬軌条が走っているので、装填台とK砲をどのように設置するのかという疑問です。
これについてどれだけググっても答えらしいものは見当たりませんでした。
先程の桑の写真ではK砲らしきものが2基確認できますが、装填台らしきものは確認できません。松型にどれだけの予備浮力があったのか分かりませんが、少なくとも何かを増備する時にはその重量に相当する何かを陸揚げするのが常だったようです。しかし桑はマリアナ沖海戦後の機銃等増備の際、例えば魚雷発射管を撤去したとか主砲を1基減らしたなどは行っていません。できるとすれば予備魚雷を搭載しないとか机椅子の類を減らすなどくらい。つまり大幅な重量軽減はやっていないことになります。
その状況では爆雷投射機が増えたからと言って爆雷搭載数を大きく増やすことは難しかったと思いますし、装填台の設置が困難だった可能性もあります。
あくまでも素人の推論ですが、桑のK砲は出港時に装填した1発のみで、次発装填は想定していなかったのではないか。また予備魚雷を搭載しないため戦闘中は魚雷運搬軌条を運用しない想定とされたのではないか。入港時には2番主砲左後ろにある魚雷積み込みダビットから魚雷を甲板に上げ発射管まで運搬する必要があるため、コロ付の架台に載せられた軌条上のK砲は軌条外に移動させたのではないか。
などと妄想した結果、このような表現としました。


この他、艦尾に旗竿を立て、その中ほどに艦尾灯を設置したり、中央機銃台に8cm双眼望遠鏡を立てたり、主砲と魚雷発射管の先端部を白く塗るなどしました。

桑本体の工作は、残すところあと僅か。
その後は今回はじめての試みとなる1/700フィギュアの配置を行う予定です。

前回は、いったん作ったジオラマベースが気に入らず、表面をすべて引き剥がして石粉粘土を塗り直したところまででした。

作り直しを決定した理由は、航走波が大きすぎるという点に加え、船体から油漏れを起こしている状況を再現したかったこともあります。
その油漏れの表現を実験します。
まず試したのは黒色レジン。
DAISOで小さなボトルを買ってきてテスト用海面に塗布し、紫外線照明を当てます。
当てます。
当てます…。

と、どれだけやっても固化しません。

ザク違「何故だ!?」
シャア「坊やだからさ」

いえ、そういうことではありませんw
調べてみると、黒レジンは表面でほぼすべての光を吸収してしまうので内部まで光が通らず、結果、かなり薄く塗布しないと固化しないようなのです。
こりゃダメだ。
油の表現としては若干のカタマリ感=ちょっと膨れたように見える表現を目指しているので、レジンでは難しいと思われます。
よって黒のアクリル絵の具と透明ジェルメディウムを混ぜて塗布してみました。
こちらは順調に固化してくれて、カタマリ感も若干ですが感じられたので、この方法に決定。

塗り直した石粉粘土も固化したので、その全面にロイヤルブルーを筆で二度塗り重ね、クリアを吹いた後、クリアグリーンをところどころに吹き、さらにクリアを吹き重ねます。
その上から航走波部分にスカイブルーを塗り、その上からクリアグリーンを重ねます。
白く波立つ部分にはスカイグレイを塗った上からツヤありホワイトを塗ります。

↑の右側は白い部分との境目をドライブラシでぼかした状態。
まずまずかな。
この時点では航走波内の細かい波は入れません。

その後、ジェルメディウムを二度重ね塗りします。この段階では波立たせた表現は行わず均一に塗ることで、作業効率をあげます。

特に寒い時期はメディウムが透明化するのに時間がかかるので、前回製作記から時間が経ってしまったという事情があります。

二度目に塗ったメディウムがほぼ透明化した段階でいよいよ船体を据え付けます。このとき粘土で作ったベースと船体の間に隙間ができるので、そこへ細く切ったティッシュを詰め、水溶き木工ボンドを針の先に伝わせて流し込み、ホワイトで塗ります。

この方法は龍田改二の際に試行して割とよかったので、今後の定番工作になりそうです。

この状態まで来たら油漏れの表現を行います。

桑は2番主砲付近に直撃弾を受けたようなので、その衝撃により左舷側から油漏れを起こしたということにします。なお、こうした事実があったかどうかは不明であり、また重油タンクの位置が分かる図面などの資料もないので、あくまでもジオラマとしての表現です。

その後メディウムの仕上げ塗りを行い、透明に固化したら船体に余分に張り付いたメディウムを慎重に剥がします


こうして海面の工作は終了したので、ジオラマベース裏面から電飾ユニットを装着します。


点灯テストも成功。
完成時の燃え(萌え?)具合が楽しみになってきました♪
フネの工作ですか?
こちらも牛歩で進んでいるので、また後日報告します。今しばらくお時間をくださいませm(_ _)m

前回はジオラマベースに色を塗った途中段階まででしたが、その後さらに船体両側に発生する航跡波と、弾着による波紋をホワイトで塗りました。


そこへ更に細かい白波を面相筆で描き込みます。


これで色付けはいったん終了し、この上にジェルメディウムを塗ります。


ジェルメディウムは前回のテスト通り、3回塗り重ねました。
実はこのあと、石粉粘土で作った海水部分の両端が上に向かって反り出しました。
底に敷いたスチレンボードに両面テープで圧着してみましたが、それでも翌日には剥がれてくるというのが数回繰り返されたので、やむなくエポキシ接着剤で枠ごと固定することとし、ようやく安定。
この工程だけで約1週間かかってしまいましたorz
こうして出来たのがこの状態。



桑は接着せず仮置きした状態です。



うーむ、納得いかん。
今回の場面は桑が被弾して船体が傾斜した時の様子を再現します。
つまり損傷により速力は落ちているはず。
にもかかわらず航跡波が派手に起きているのはおかしいですよね。
そんなの最初に考えろよ!と怒られそうですね、はいそのとおりですorz
どうしようか悩んでいる最中に一つ思い付きました。
そうだ、被弾によって舷側から油が漏れ出ている様子を再現するのも面白いかも!
ということで作り直し決定!
まずは失敗したものを全て引き剥がします。


そして再度石粉粘土の塗り直し。
今回は反り上がり防止のため、スチレンボード上にエポキシ接着剤を塗り、その上に粘土を載せていきました。
また前回粘土を塗った時は表面に細かい凹凸を付けましたが、その上から塗るジェルメディウムで凹凸が付けられるので、粘土はフラットでも問題ありません。
よって今回は両舷の航跡波の端部を少し盛り上げたのと、艦尾付近を少し山を作った程度に抑えてみました。


これで1週間程度様子を見て反りが出ないか確認しようと思います。

この作業の間を利用して電飾関係のハンダ付けを行いました。

点灯テストもクリアしたので、あとはジオラマベースが完成したら艦を据え付け、電飾ユニットを装着するという流れとなります。

前々回のジオラマベース製作その1では、台座に枠を立てるあたりまででした。
その後、その上に石粉粘土を塗って波の形などを整えました。

粘土部分にロイヤルブルーを筆で3度塗り重ね、その上からクリアグリーンをまだらになるように吹き付けました。

艦によって波だった部分は未塗装になっていますが、ロイヤルブルーの二度塗りの上からクリアグリーンを濃い目に塗りました。波頭などは面相筆を使ってホワイトで描き込みました。

今までならこの上から水溶き木工ボンドを塗ってベースの完成となるところですが、今回は新しいマテリアルを導入しようと思います。
それがこちら↓

ホルベイン社のジェルメディウム(水性アクリル絵具)です。300mlも入って約1,000円と格安!ボンビーモデラーの味方です(笑)
※情報提供していただいたみん友・痛風とうつさん、この場を借りてお礼申し上げます。
初めて使う前にはまず実験。
刺し身パックのフタに石粉粘土を塗って、その上からメディウムを塗りつけます。

厚塗りをすると表面だけが乾燥して白い部分が残ってしまうので1~2mm程度までで抑えるようにし、12時間程度経過するときれいな透明になります。
一度塗っただけだとあまり厚みがでないので、これを三回繰り返しました。

画像では分かりませんが、実物だと若干の厚みが出て「水」感が出た気がします。
そしていよいよ本番。
現在、メディウムの塗り重ね中です。

同時並行で電飾の準備も進めます。
ジオラマでは桑が被弾して火災を起こしている場面を再現するので、炎がゆらいでいる様をLEDで表現したいと考えました。
ゆらぐ光を作るに当たり、当初はダイソーのミニキャンドルを買ってきましたが、LEDの直径が5mmと大きいことに加え、光量が足らないと感じられたため却下。
みん友・die・mrさんに相談したところ、「秋月電子さんから出てるよ♪」と紹介を受けました。
早速購入。
早速はんだ付け。

チップ(?)は三本足で、どうつなぐかが分からず、回路図をググって探すのに苦労しましたが、やり方さえ分かれば難しいことではありません。
せっかくなので以前に作ったキャンプジオラマに仕込んでみました。

この仕込み前は極小麦球が点灯するだけでしたが、やはりゆらいだ光になると雰囲気出ますね~。
これも実験することができたので、実行に移します。
手元にあるLEDは白色のものなので、赤で塗って炎らしくします。

そしてこれからはんだ付け。
まだまだ完成への道のりは遠いです…。

前回は手すりの支柱を立てるところまででしたが、その後、手すりのチェーンを設置しました。チェーンはメタルリギング0.1号を使っています。

「手すりなんてエッチングを使えば楽して綺麗にできるじゃんw」との声が聞こえてきそうですが、個人的には支柱とチェーンの太さが同じというのがどうにも馴染めません。
自作の場合、支柱をきれいに整列させるのが非常に困難ですし、さらに2段のチェーンをきれいに張り回すのも相当根気が要ります。結果、クオリティはエッチングに比べて落ちると分かっていますが、先に述べた理由に加え「自分で作れるものは出来るだけ自分で作りたい」という考えなので、あえてこのように作っています。
同じ考えのもと、滑り止め甲板や12.7cm連装高角砲なども自作しますが、少なくとも高角砲は現時点で存在するあらゆるパーツよりも高いディテール表現で作れるのではないかと自惚れています(笑)ただしものすごく手間はかかりますが。

次に艦尾の爆雷兵装を作ります。
手元あったのはファインモールドの駆逐艦用アクセサリーセットで、これは竹製作時にも使いましたが、若干大きめな印象がありました。

かと言ってこのサイズのものをエッチングパーツ以上のディテールで自作する技術はありません。
悩んだ挙げ句、先人に意見を伺ったところ、海魂のエッチングなら適切なサイズではないかとの知見をいただきました。
早速購入。
早速組み立て。

奥の左がキットのパーツ、真ん中が海魂、右がファインモールドの爆雷装填台、手前左がキット、右が海魂のY砲です。
装填台については海魂に決定。しかしY砲はキットだと太すぎますし、海魂はペラペラで実感を損ないます。よってやむを得ず自作。

おおっ、かなりいい感じ♪
ちなみに爆雷投下軌条とその覆いは竹図面から拾った数値(軌条の幅など)と合致していたのでファインモールドを使いました。しかしこれまた微妙に大きいような…

ボートダビットはキットのパーツを使います。
松型のダビットは↓のように断面はいずれもH型をしています。

しかしパーツは断面が円形になっているので、デザインナイフで削りました。さすがにH型にはできませんが…。

次にメインマストの製作です。
キットのマストは若干太めな印象なので、プラ棒に置き換えます。
それにあたって実艦写真で太さなどを検証。

三本足のうち前1本の太さは艦橋窓枠の高さ(竹図面では0.84mm)の半分程度のようなので、0.4mmと推定しました。後ろ2本はそれより少し細いので0.3mmとします。
松型のマストはそれまでの艦で使われていた円柱ではなく角柱なので、角プラ棒を使って工作しますが、問題は0.4mm角棒が存在しないこと。手元にあるのは0.55mmと0.3mmです。結局、0.55mmを削って0.4mmにすることにしました。こうして所定の長さと太さにしたプラ棒3本の足をクラフトボンドで仮固定し、3本の接合点のみ流し込み接着剤で接着して三脚の形を整えます。

接着できたらそれを一旦取り外し、ヤードやステーなどを取り付け、再び艦へ設置します。さらに逆探や見張り台、梯子などを取り付けます。

2kw信号灯については、竹図面では三脚接合部すぐ下の段に表記があり、多くの実艦写真でもそれが確認できるので、今回の製作でもそこに設置しました。
しかし見張り台へつながる梯子は、図面だと旗甲板から信号灯までが三脚前面に、信号灯から見張り台までが三脚左舷側についていますが、楢の写真だと梯子がもう一段下で切り替わっています。
これは信号灯の位置が下げられていた可能性があります。桑についての資料がないため判然としませんが、楢が桑と同じ藤永田造船所で建造されたことから、梯子は楢と同様に設置し、信号灯は他艦と同様の位置としました。
この後、避雷針なども設置する予定ですが、それはまた後日。

艦橋右舷側には洋上給油などを行うための給油蛇管格納スペースが設けられています。ここで気になったのは蛇管の色。楢の写真を見る限り、探照灯管制器にかけられたキャンバスよりも白いような気がします。この写真から推定できる蛇管の太さは1/700で0.25mm程度と思われます。
また樫の写真からは蛇管格納のための棚が作られていたことが確認できます。


さらに次の写真からは蛇管の色が淡いグレーなのではないかと考えました。

近年の艦船の蛇管は黒ですが、旧海軍はどうだったのかご存じの方がいらしたら、ご教示いただければと思います。
なお桑の製作では、艦橋左舷側に被弾した表現を行うため、格納スペースの再現は見送ることにしました。今後、松型or橘型駆逐艦を作る際に検討したいと思います。

本体の工作がだいぶ形になってきたので、ジオラマベースを作ります。 ダイソーの300円ケースに1.7mm透明プラ板で枠を付けます。
枠の内側からクリアグリーンをランダムに吹き付け、その上からロイヤルブルーを塗り重ねます。こうすることで、外から見ると透明板の奥が海になっているように見えるという寸法。最近多用している手法です。

なお、4枚板のうち奥の1枚はセリアの1mmプラバンを使ってみました。
カッターを入れた時は刃先が入っていかない=硬い印象がありましたが、その後パキッと折る瞬間には若干粘りのようなものを感じました。
タミヤ製品とは若干異なるようですが工作に支障が出るような印象はなく、安価に入手できることもあって今後多用できる可能性を感じました。

枠内の嵩上げ用として、枠に合わせてダイソースチレンボードを4枚貼り重ねます。
今回は電飾も行うので、配線などを通す穴をベースとスチレンボードに開口します。


これらを組み合わせると、基本的な構造が出来上がります。

この後は石粉粘土を表面に盛り付けて海面を作りますが、それはまた後日。

前回のブログで艦橋に設置した双眼望遠鏡がオーバースケールと記したところ、とある偉大な先輩モデラーさんから「少し値は張るがベテランモデルのものを使うと良い」とのご指導をいただきました。
早速購入。

ワンセットで約3500円(送料込)で高いですが、たくさん入っているのでナノドレッドと比べると割安感はあります。
肝心のクオリティはご推薦モノだけあって折り紙付き。素晴らしいです。
そして桑へ設置。

左が交換前、右が交換後です。かなり印象が変わりました(^^)

そしてウェザリング。
全体にスミ入れ用ブラックを塗ります。これまではブラックを塗ってからエナメル溶剤を含ませた筆で拭き取るという順序でしたが、今回は先にエナメル溶剤を塗布し、その上にブラックをちょんと落とす方法を試しました。するとブラックが溶剤の上で滲むような表現となります。さらにハルレッドで赤サビも表現しました。


次は手すりの設置です。
前回までに支柱設置用の穴は開けたので、今回は支柱を設置します。
支柱の高さは約1.4mmなので、その高さの治具をプラ板で作り、それに合わせて0.19mmΦのステンレスワイヤーを切断するという作業を延々と繰り返しました。

甲板上の細かいモールドに高さがある関係でなかなか支柱の高さが一定になりませんが、雰囲気くらいは出せるのではないかと思います(汗)

今回の報告はここまでですが、今までのように資料ベースの考察などがないので全く薄っぺらい内容になってしまいました。
さすがに寂しいので、ここで余談を少々。

先日発売された艦船模型スペシャルを購入しました。テーマは塗装。私の弱点のひとつです。

斜め読みしたところ木甲板の色について論じる記事があり、実際の艦で使われていた木材の写真があったり、実艦と同じ木を風化させて色の変化を見るというものがあり、写真もその色を正確に印刷しているだろうと感じられました。最近の模型雑誌の記事は実艦の写真を挿入するなど、考証面にも力を入れている印象があります。

昨年からの艦船モデル復帰後、考証が楽しいと感じていますが、それが高じて例えばネット上の製作記事や雑誌の記事に「この部分はこうなっていた」と書いてあっても、写真や図面でそれを確認しないと納得がいかないのです。先程の記事の作りなら信用する気になる、みたいな…。もうほとんどビョーキですね(苦笑)

しかし特に旧海軍艦船となると実物が存在するのは三笠と氷川丸くらい。それとてかなり大きく改変されています。
更には経年劣化、当時の製品のバラつき、現地改修など様々な要素もあります。
つまり工作にせよ塗装にせよ正解が分かりません。
だからと言って「何でもあり」でテキトーに作る塗るというのも違う気がします。
だんだん支離滅裂になってきましたが、結論は「作っている本人が楽しければそれが一番!」ということではないかと。
徹底的に調べ上げて何年も掛けてひとつの作品を仕上げるもよし、短期間で素組みをいくつもこなすもよし、モデラーの数だけ楽しみ方があるのだと思います。
その上でお互いの工程や作品を肯定し合い高め合っていければ、模型趣味もさらに盛り上がるのではないでしょうか。

ビバ・模型工作!

前回までに艦橋が概成したので、今回は後部甲板室を作ります。
基本構造は壁面2パーツの貼り合わせに天井部を載せる形で、細かいモールドが精緻にされており、形状・サイズとも大きな問題は見当たりません。
と思ったのですが、よくよくチェックしてみると、いくつか課題が発見されました。
まずは探照灯台の高さ。

竹の場合、甲板室天井面から少し上がった高さに探照灯台が設置されていますが、後期に建造された楢は竹より低い位置に設置されています。
また機銃台についても竹は天井面より少し上がった位置ですが、楢は天井に直接設置されています。
桑は比較的初期に建造されたので、探照灯台、機銃台とも竹と同様の設置だったのではないでしょうか。
キットパーツは、機銃台は竹の状態を再現していますが、探照灯台は機銃台より少し低くなっているので、プラ材で高さを調整し同レベルにしました。

また竹の探照灯台の下には僅かな凸があるように見えます。これは探照灯台を後部マストから少しでも遠ざけることにより照射範囲を少しでも拡大するため、甲板室前面の壁上に探照灯の中心軸が来たことにより、半円型の支柱が必要になったものと思われます。ヤマシタホビー・タミヤともこの半円は再現していませんが、実はフジミの旧キットは再現しています。

これらの考証に加え、竹図面を基に必要な工作を行いました。


次は中央部機銃台です。
以前の記事にも記載しましたが機銃台支柱断面は円柱ではなく、右舷は十字形で左舷は前半が半円・後半が十字形となっているので、そのように作り変えました。
同時にブルワークも薄く削り込みました。


次は魚雷発射管です。
キットパーツは松型の発射管の形状は極めて正確に再現しており、修正点が見当たりません。
魚雷は装填状態をきちんと再現していることに加え、シールドの右舷側前方下部に発射管回転用ギアボックスが再現されたのは驚きです。
ただ今回は第7次オルモック輸送時を再現するので、魚雷は4本とも発射済みの状態とします。よって、せっかくモールドされている魚雷のみを削り取りました。


次に船体各部のディテールアップを行います。
まずは甲板全周に手すりを設置するため、支柱を配置するための穴を開けます。
3mm間隔で印をつけたマスキングテープを舷側に貼り付け、その位置にまち針で下穴を開けてから0.2mmピンバイスで開口します。


極めて狭い場所へ正確に穴をあける必要があるので、ヘッドルーペがないと不可能な作業でした。

この後、図面などを基にして甲板上に各種装備品を設置しました。


揚貨機はヤマシタホビーから出ているアフターパーツから持ってきましたが、図面にも明記されている装備なので、なぜキットに入っていないのか不明です。
また野菜庫の位置や形状は図面ベースですが、どんな色だったか不明です。艦内でなく陽の当たる甲板上にあるということは冷蔵・冷凍機能はないでしょうから、ジャガイモや玉ねぎなどを保管していたのではないかと思います。仮にそうだった場合、風通しはよくする必要があるので、壁面にはスリットがあったはずですし、材質も金属だと熱くなるので木製だったと推測します。
だとしたら甲板色で塗ったほうがよかったのかな…。

艦尾付近の考証の中で、樫の写真を分析したところ、リールや通風筒の位置や形状が図面ともキットとも異なると分かりました。

これを作品に反映させるか悩みましたが、前向きの通風筒は不自然であり解体前に臨時設置された可能性があることや、桑がどのような状態だったか明確な資料がないことから、とりあえずインストの指示を尊重することにしました。

また一番主砲前の波除けの形状はキットパーツはこのようになっています↓

しかし写真及び図面では若干異なる形状となっていることが分かります。

これは他の同型艦でも同様の形状であることが確認できます。
よってプラバンを使って修正するとともに、その両側に低い波除けも設置し、操作フラット両端の折り畳み部を薄く削りました。


(高い方の波除けは厚みがあり過ぎると感じたので、このあと薄く削って設置し直しました。)

さてここまで作業が進むとフネとしての形がだいぶ見えてきました。

船体の基本的な改修作業が終わったので、LEDを仕込む場所に穴を開けます。
「秋月型駆逐艦~〈付/夕雲型・島風・丁型〉」(光人社NF文庫)によれば、第7次オルモック輸送時の桑は艦橋左舷側に被弾した後、二番砲で火災を発生し、その火は後ろから前へと広がっていったとのことです。
よってLEDもそのあたりを意識しながら場所を設定します。


LEDは最も小さいもので直径3mm ですが、削って一回り小さくしたものを仕込む予定です。

煙突前後にある給気筒を設置します。キットには2本の煙突の前後に計4つセットされており、側面形状も正確です。タミヤの松型は第2煙突前部(中央機銃台下)のものが省略されていましたが、ヤマシタホビーさんはきちんと再現しています。
ただ実物は背面のエッジが丸くなっている(竹制作時に検証済み)ので、ヤスリで削りました。


缶室吸気筒は各煙突前に2本ずつありますが、キットパーツではその頭部が四角くなっています。これも竹制作時に検証しましたが、頭部形状は角型と丸型の2種あります。
改めて実艦写真を確認したところ、どうやら舞鶴は丸形で、藤永田も丸型に見えます。


よって桑も丸型と推定し、0.5mm丸棒でそれらしい形を作りました。


そして船体を塗装。最初に艦底色を塗り、マスキングした後にリノリウムを吹き、その上にマスキングを貼ってから最後に軍艦色を吹きます。

軍艦色は、先に作った竹と同じ佐世保カラーにしました。
軽快感を出すために舞鶴カラーにすることも考えましたが、ジオラマの場面が夜であることも考慮して最も暗い色を選択しました。

次に艦橋。
前回は壁面の薄々攻撃を仕掛けたところまででした。今回は舷灯の取付けです。松型各艦の写真をよく見ると取付位置が微妙に異なります。
どうやら藤永田で作られた艦は羅針艦橋壁面の中ほどのようです。

よって桑も同様だったと推定し、取り付けました。
舷灯のみ別パーツにしてあり、しかも紛失を想定して2セット入れてあるのは嬉しい限りです。

続いて羅針艦橋内部を作ります。参考にしたのはこちら↓


双眼望遠鏡はフジミのアフターバーツの頭部のみ使用しましたが、明らかにオーバースケールですね。自作したものの方が大きさ的には正しい気がします。
さらに羅針艦橋窓枠を立てます。
伸ばしランナーを短く切って、ヘッドルーペに助けられながら慎重に1本1本配置していきます。そして…

疲れましたorz
艦橋内がめちゃくちゃ狭いw

さらに防空指揮所を作り込み、艦橋本体へ被せると艦橋ユニットが概成します。

1.5m測距儀とその前の機銃射撃指揮装置はキットパーツで、いずれも超精密なモールドで素晴らしい出来です。

屋根がついてしまうとせっかく作った羅針艦橋はほぼ見えません。限界まで近付いてフラッシュまで炊いてもこの有様↓

あくまでも自己満足です!
変態モデラー的にはこれでいいんです!
と自分を慰める…。