このままもっと《番外編》おつかれさまです vol.1 | sakurabaでいっぱい 〜SA妄想小説〜

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赤さんと緑くんによるソフトな萌キュンイチャコラですが、激しめなものも書いておりますので未成年の方、男性の方はご遠慮下さい。

コメントは基本的に未承認にしております。



↓このお話しの初めは…

。。。。。

A-side



「ねぇ、翔ちゃん、大丈夫……?」

「ん……大丈夫だよ、心配すんなって」


少し疲れ気味な表情で翔ちゃんがそう言いながらオレの頭を撫でる。


朝、翔ちゃんが会社に行くのにいつも通り玄関まで見送りに来てるんだけど……。


最近、翔ちゃんがリーダーをやってるプロジェクトがすんごく忙しくなってるみたいで毎日のように帰りが遅い。


日付が変わってから帰ってくるのなんてしょっちゅうでそれも当然疲れきった顔をして帰ってくる。


オレには、構わないから先に寝とけって言うんだけど……毎日遅くまでがんばってくれてる翔ちゃんを置いて先に寝るなんてできないし、それに心配だし。

なにより……翔ちゃんの顔が見たいし。


だから、翔ちゃんが帰ってくるまで起きてるオレも寝不足だけど、翔ちゃんよりはずっとマシだもんね。

おおちゃんもそれがわかってるから最近は少し早く帰そうとしてくれてるからありがたい。


「翔ちゃん、ホントにムリ、しないでね?」

そう言って翔ちゃんにカバンを渡す。


「雅紀はホントに心配性だなぁ。
俺は体だけは頑丈にできてるから大丈夫だって」

「ん……それでも連日遅くまでずっと仕事してたら心配だよ……」

「だぁいじょうぶだって!
ほら、いってきますのチューは?」

元気そうに笑いながら口をタコみたいにして近づいてくる翔ちゃんに「いってらっしゃい」と言いながら触れ合うだけのキスをした。


「よし!これで今日もがんばれる!
行ってくるよ!」


ホントにさっきより声に張りが出てきたみたいでちょっと笑っちゃったけど……

でも、現実的にこんなキスひとつくらいで体の疲労がなくなるわけじゃないし……


オレが心配しすぎて倒れそうなくらい、翔ちゃんのことが気がかりだ。



。。。。。


「んなもん簡単じゃねーのか?」

「……えっ?そうなの?」


今日もおおちゃんのパン屋さんの日。

午前中、客が引いて店内が静かになった頃、おおちゃんに翔ちゃんのことを話してた。



「翔くん、毎日くたびれて帰ってくんだろ?」

「うん……毎朝早いし、夜は遅いし……ずっと会社に缶詰で仕事してるんだよね……。
それにプロジェクトリーダーだから責任感のプレッシャーもすごいだろうし……」


このところ、おおちゃんのパン屋さんにくるたびにおんなじはなししてるような気がする。


そのたびにおおちゃんは親身になって聞いてくれてるんだけど。


「いくら元気が出るご飯を作ってもそれだけで疲れが取れるわけじゃないし……それになにより寝不足だし、」

「ん?……と、言うことは……」

おおちゃんがなにか気づいたような声を出す。


「ん?なに?おおちゃん」

「寝不足、なんだよな?翔くん」

「うん、帰ってきてお風呂入って夕食食べたらベッドに行ってバタンキュー、だよ?」

「……ふーん、やっぱり……」

「なにがやっぱりなの?」

「最近、夜、ゴブサタだろ?」

ニヤッと笑いながらいきなりそんなはなしをされてアセるオレ。


「なっ、ななっ、何言ってんの!おおちゃん!」

「翔くんの元気の源なんてまーくんしかいねーんだから、まーくんが夜のお相手やってやればすーぐ翔くん元気になるのに」

「イヤッ、そんなこと……」


おおちゃんの言う通り、翔ちゃんが遅くに帰ってくるようになって、その……いわゆる、夜の方は……ホントゴブサタって感じで……


イヤッ!オレは別にそんなつもりはないんだよ!


疲れて帰ってくる翔ちゃんを少しでも早く寝かせてあげたいし!


でも……オレもぶっちゃけオトコだから……必然的に溜まるもんは溜まるわけで……

三日と間を開けなかった行為だったのに、こう日が開くと……

それでも翔ちゃんがいるのに自分で、なんて勇気も出なくて……


それに、少しでも翔ちゃんには睡眠を多く取って欲しいし……。




「……なんか頭ん中で色々ごっちゃごっちゃ考えてるみたいだけど……」

おおちゃんに言われてハッと我に返る。


「イッ、イヤッ!別になんにも……、」

「まーくんはすぐに顔に出んだからウソつかなくていいし」

「あ、そ、そぉ?」

恥ずかしさのあまり、顔が真っ赤になるのが自分でもわかった。



「そっか……よし、わかった」

「……え?なにが?」


ひとりごとをつぶやいて、勝手に納得してるおおちゃんに聞き返すもそれにはスルーされた。


「まーくん!ちょっとひとりで留守番できっか?」

「あ、う、うん……もう昼まではまだそんなにお客さん来ないだろうし、パンもいっぱいあるし……」

「ちょっとおいら出かけてくるから留守番頼むな!」

「えっ?おおちゃん……ちょ、」


そう言っておおちゃんは、オレが戸惑ってる間にいそいそと店を出ていってしまった。


残されたオレはわけもわからないままひとりで留守番することになってしまった……。


つづく……