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M-side
「わー、おいしそー!!」
テーブルに所狭しと並べられた料理を前にまーが目をキラッキラさせてる。
「じゃ、カンパイしよっか」
「うんっ!!」
3人でワイングラスをカチンと合わせる。
「わー、このワインおいしー」
「ほんと、うめーな、これ。
おいらオサレなワインなんて初めてだわ」
「そりゃ良かった。魚もうまいよ」
「松潤が来てくれたおかげでこんなに豪華になったわ」
「オレもー!ひとりで晩ご飯食べないとって思ってたから嬉しー!」
早くもまーがワイングラスを空ける勢いでグイグイと飲んでいる。
「まー、初めからそんな勢いで飲んでたらすぐ酔っ払っちまうぞ?」
「くふふ、でもおいしいんだもん!
楽しーしぃ」
もう何回目の「楽しい」だろう。
くふくふと上機嫌に笑うまーを見てるとホントにこっちまで楽しくなってくる。
「なに?翔さんとふたりの時より楽しいって?」
からかうようにそんな事を言ってやるとまーがとたんにアセり出した。
「そっ、そんなことないもん!
翔ちゃんとだってそりゃ楽しいもんっ!」
「ふはは、でも翔くんとだったらまーくんも食べられちゃうもんなぁ」
「おっ、おおちゃん!!
もー、そんなことばっかり言わないで!」
からかう大野さんにまーはまたポカスカ叩いてる。
「でもね、翔ちゃんとはぶっちゃけ一緒にお料理なんて作ったことないから、それはすごい楽しかったし、嬉しかった」
「あー……」
確かに翔さんは料理が苦手だ。
イヤ、料理だけじゃなくて家事全般が壊滅的にできない。
仕事はあんなにバリバリとこなすのになぁ。
「でもまー、バレンタインに翔さんにチョコケーキ作ってもらったじゃん。アレはおいしかった?」
「あ、うん!すっごいおいしかったよ?
アレって潤さんが教えてくれたんだよね?ありがとうね?」
「それくらいお安い御用だよ。
でもアレは俺は横から指示してただけだからな?翔さんが全部自分で作ったんだよ?」
「ふーん。そーなんだ」
「だからな?翔さんもやればできんだよ。
しかも愛してるまーのためなら」
「ヤッ、ヤダ……愛してるなんて……」
俯いて照れたように顔を赤くさせるまー。
「だから今度一緒に料理してみたら?
俺たち以上に楽しいかもしれないよ?」
「うん……そうだね!
オレ、翔ちゃんにお願いしてみる!」
「んで、そのあとまーくんも料理されちゃうんだろ?」
「だっ、だから!おおちゃんてばもう酔ってんの?」
真っ赤になるまーにわははは!と笑う大野さん。
大野さんも上機嫌に酔ってきてるみたいだ。
そう言う俺もけっこう調子に乗ってワインを煽ってるから酔ってきてんのかな?
「ふはー、食った食った」
大野さんが腹をさすりながらふーと息を吐いてる。
「いっぱいあったのにみんなほとんど食べちゃったねー。おいしかったぁ~」
「そりゃよかった」
「おおちゃんも、潤さんもありがとうね?
オレ、すっごい嬉しかった」
心から楽しそうにくふくふ笑うまー。
「酒はまだ残ってるから、まだまだ終わんねぇぞー」
冗談交じりにそう言って、まーのグラスにワインをついでいく。
「わぁー。潤さんどんだけ入れてんのぉ?
でも楽しー!」
まーがまたぐいっとグラスを煽る。
これがあとになって失敗だったと気づくのにはまだ少し時間がかかるのだった……。
つづく……