今日は『櫻葉キスの日』ですね。
視点は翔さん。
。。。。。
「しょーちゃん、おはよぉ」
目が覚めたとたん、隣で寝ていた雅紀がそう言いながらキスをしてきた。
「んっ……」
…なんだ?
朝から珍しく雅紀からのお誘いか?
昨夜も散々鳴かせてやったってのにまだ足んねーってか?
もう、しょうがねぇなぁ。
俺はニヤニヤしながら雅紀を引き寄せようと手を伸ばすが。
「さっ、起きよ!今日もお仕事がんばろうねぇ~」
俺の考えとは違い、雅紀は俺にキスするだけすると、さっさとベッドから抜け出て寝室を出ていった。
え?
アレ?
お誘いのキスじゃなかったの?
俺はボーゼンとして、手は雅紀に伸ばしていたまま空(くう)を掴んでいる。
……なんだ?
俺が戸惑いながらも寝室を出ていくと、朝ごはんの準備をするためか、エプロンを付けながら俺の元へとかけてきた。
「しょーぉちゃんっ」
ん?と思ってるとまた俺に近づいてきてチュッとキスをしてきた。
え?なんだ?
…あー、今朝はキッチンでエプロンプレイですか?
なんだよ、もー、それならそうと言えよー!
朝からエプロンプレイとかエロすぎんじゃねーのかぁ?
しょーちゃん気合い入っちゃうぞー!
「雅紀ぃ!」
俺は目の前の雅紀に飛びかかろうとした。
「さーて、朝ごはん朝ごはん!」
でも俺の腕に捕まることなく、雅紀はくるっと向きを変えるとサッサとキッチンに歩いていった。
「……あれぇ?」
なんだよ…エプロンプレイじゃねーのかよ……
俺はモヤモヤしたまま、それでも雅紀が作ってくれた朝ごはんを食べる。
「今日もおいしいよ、雅紀。
いつもありがとうな?」
「いぃえー、こうやってしょーちゃんがおいしそうに食べてくれるからね?
オレも作りがいがあるんだよ?」
雅紀が嬉しそうにそう言う。
……別にフツーだよなぁ?
怒ってるわけでもないし。
つーか怒ってたらキスなんかしてこねーか……。
俺はモヤモヤプラス頭にハテナマークを浮かべながらも朝ごはんを完食した。
今日は朝からメンバーでの撮影の日だったから家を出るのも一緒だ。
それぞれ準備をして家を出る。
「しょーちゃんっ」
靴を履いて体を起こした俺に、また雅紀がキスをしてきた。
「ん…っ」
……え?
あ……
ここが本番だったのか!
もう!もったいぶらすんじゃねーよ!
あ、でもさっきまではガツガツ行ってたのがいけなかったのかな?
だから雅紀もやる気が失せてしまったのかな?
やっぱりオトナの男としてここは落ち着いた態度でいかないとな。
「雅紀……」
俺は低い声で雅紀の名前を呼ぶと、静かに雅紀の腰を引き寄せた。
「……しょーちゃん、なにしてんの?
支えてもらわなくてもクツ履けたよ?
さっ、行こ行こ!」
そう言って何事もなかったかのように雅紀が玄関を開けて外に出る。
えええええー!
なんだよ!なんだよ!
なんか今日の雅紀おかしいし!
そうは言ってもさすがに入り時間がギリギリだから俺も雅紀に続いて家をあとにする。
スタジオまでの車中でも運転するマネージャーの隙をついてか、雅紀はさりげなくキスをしてくる。
その度に俺はそれ以上できないモヤモヤが増幅されていった。
なんだよ。
もしかして俺をからかって遊んでんのか?
この前エイプリルフールで俺を担いだだけじゃ足んなかったのか?
そんなことを悶々と考えていると、スタジオに着いた頃には俺はもうグッタリとしていた。
「おはよー!」
そんな俺の気持ちをつゆとも知らず、雅紀は元気に楽屋に入っていく。
楽屋にはもう他のみんなが来ていて口々に挨拶を交わす。
「…はぁー……」
俺はいつもの場所に腰掛けるとそのまま机に突っ伏した。
「…どしたの?朝から疲れてんね?翔さん」
目線だけチラッと上げると、ニノがゲーム片手に俺を見てニヤニヤしてる。
「相葉さんがグッタリしてんならわかるんだけど、なんで翔さんがそんななの?」
「なんで、って……」
朝から何度も何度も肩透かしを食らってたんだ……
そりゃ疲れもするよ……
「なんっか、変なんだよなー……」
「変?なにが?」
「イヤ、雅紀がさ……」
俺はテーブルの向こう側で松潤や智くんと楽しそうに話してる雅紀を横目で見ながらニノに今朝起きてからの雅紀の行動を話した。
「……ふーん。相葉さんにしては珍しいことするね。いつもがっついてるヘンタイエロキャスターの翔さんじゃあるまいし」
「一言多いんだよ、オマエはよ」
「まぁ、でも……」
「ん?」
「いつも突拍子なことする相葉さんだけど…意外にちゃんと物事考えてるからね。
相葉さんにとってはなにか意味があるんだろうね」
ニノにそう言われて雅紀を見た。
雅紀は相変わらず楽しそうに、一見なにも考えてないように見えたけど……。
アレが雅紀なりのメッセージなんだとしたら……
でも……なんか、あったっけ?
いくらなんでも最近の若者みたいに『付き合った〇ヶ月記念』とかそこまでしねーだろうし……。
つーか今までそんなことやったことねーし。
それじゃ…なんだろ。
色々と頭を巡らせながらテーブルに置いてた今日の進行表を手に取る。
表紙には今日の撮影が載る雑誌の名前などが書いてて……
ふと、日付に目をやる。
4月4日……
ん?なんかあったよな?
あんぱんの日?
どら焼きの日?
ヨーヨーの日?
……オカマの日?
……違うな。
えーと……
あ……
「あああああー!!」
俺が大声を出していきなり立ち上がったから、隣に座っていたニノはもちろん、雅紀たちもビックリして目を丸くしてこっちを見てる。
「しょーちゃん?どーしたの?」
「あ、わっ、悪りぃ……」
そう言ってまたストンと座る。
「……気づいたみたいだね、なんだったのか」
ニノが優しい顔でそう言ってくれる。
「ああ、サンキュな、ニノ」
「ワタシはなんにも言ってませんけど?」
俺はニノとふたりで笑いあってるのを不思議そうに見ている雅紀のそばまで歩いていった。
そしておもむろに雅紀の両頬を包むとキスをした。
「んっ……」
しばらく唇を重ね合わせてゆっくりと離すと雅紀は真っ赤な顔をして俺を見ていた。
「しょ、ちゃ……?」
「ごめんな?雅紀……
今日は俺たちの『キスの日』なんだよな?」
「あ……思い出してくれたの?しょーちゃん……」
「ちょっと時間かかっちまったけどな?
ごめんな?遅くなって……」
両頬を包み込んだままそう言うと、雅紀の目が潤み始めた。
「うっ、ううん……オレも、ちゃんと言わなくて、ゴメンね?」
「気づかなかった俺が悪りぃんだよ」
「でも、でも…思い出してくれて、嬉しい……」
雅紀の目から涙が一筋こぼれたのを、指ですくってやる。
「雅紀、愛してるよ……」
「うん、うん……オレも、愛してる……」
お互いに愛の再確認をして、また顔が近づく。
「ストーーーーーップッ!!」
もうすぐで唇が重なり合うってとこでまさかの声がかかる。
「……え?」
見ると、ストップをかけたニノはもちろん、俺たちのすぐそばにいる松潤と智くんも真っ赤な顔をして俺たちを見ていた。
「……あ…………」
そういや、ここ、楽屋だった……。
「あのねぇ、仲がいいのはけっこうなんですけど、さすがに目の前で何回もそんなの見せられたらたまんないんですけど」
まだ顔を少し赤らめながらもニノがクールに言い放つ。
「あ、ああ…悪りぃ……」
「ごっ、ごめんなさい……」
俺たちが少し体を離す。
「まぁ、それが翔くんと相葉ちゃんだもんな。
いつも通りでいいじゃねーか」
智くんが楽しそうにそう言ってくれる。
「でもこんな至近距離でラブシーン見せられてもなぁ。いくらメンバーでもゴメンだぜ」
松潤はそんな辛口に言いながらも顔は笑ってる。
「みんな、ごめん……でも、ありがとう」
「ゴメンね?みんなぁ……」
雅紀が俺の腕からスルッと抜けると、すぐそばにいた智くんの頬にチュッとキスをした。
「……へっ?ま、雅紀……?」
俺が驚きで固まっていると、次は松潤の頬にキスをした。
「……おぉい!」
雅紀は俺の静止も聞かずに今度はテーブルの向こうに回ってニノの頬にキスをした。
3人ともボーゼンとキスをされた頬を押さえながらもどこか嬉しそうだ。
「雅紀!なにやってんだ!」
「今日はキスの日だからね?
みんなにも日頃の感謝を~なんつって!」
そう言って楽しそうに笑う雅紀。
「嵐は5人で嵐だもんねー!」
はしゃぎながらそう言われると何も言えない。
覚えてろよ……
家に帰ったらキスだけじゃ済まねーからな。
「しょーちゃん、オレたちは、家に帰ってから、ゆーっくりと、ね?」
俺の思惑が通じたのかなんなのか、雅紀はそう言ってまた違う表情を見せる。
「あ、ああ……はい……そうですね……」
俺……家に帰るまで持つかな……。
すでに悶々としてきて、これからの撮影なんてすっ飛ばして早く家に帰りたい衝動に駆られる俺だった……。
おしまい
♡o。+..:*♡o。+..:*♡o。+..:*♡o。+..:*♡o。+..:*
長い割によくわかんない出来に……
急いで書いたから許して(ㅅ´ ˘ `)
櫻葉キスの日、バンザイ!!
\(*´ ꒳ `*)/ ←ごまかす(笑)