《櫻葉短編》その日じゃなくても…… | sakurabaでいっぱい 〜SA妄想小説〜

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赤さんと緑くんによるソフトな萌キュンイチャコラですが、激しめなものも書いておりますので未成年の方、男性の方はご遠慮下さい。

コメントは基本的に未承認にしております。



相葉ースデー記念

コンサートが終わったころ……


。。。。。




「相葉くん、お誕生日おめでとう!!」


その場にいる人たちが叫ぶその言葉とともに幾つものクラッカーの音が鳴り響く。




「ありがとう!ありがとう!」



雅紀は口々におめでとうと言ってくれるみんなに泣きそうになりながらもひとりひとりに丁寧にお礼を言って回ってる。




今日はクリスマスイブ。

そう。ご存知の通り、雅紀の誕生日だ。



今日はライブもあったから、コンサート中もファンの子たちに祝ってもらってもうそこでも涙でグチャグチャになってて。


もうけっこうイイ歳なのに相変わらず泣き虫なところもかわいいなってステージ上で密かに惚れ直してたわけだけど。



そのせいか、今日のライブ中の雅紀はいつも以上にキラッキラで。


すっごい楽しそうだった。



ま、いつも通り、テンションが上がりすぎて少しとちったところもないとは言えないけど。



まぁ、ドーム内のファンの子たちにはバレてないみたいだからよしとしよう。


そんな雅紀もますますかわいく思えるし。



コンサートが終わった今、今度はスタッフも交えていつもの打ち上げが始まったんだけど。


ここでもやっぱりクリスマスよりは雅紀の誕生日を祝うのが目的で。



まさかこんなとこでも祝ってもらえると思ってなかった雅紀だったが、会場に入ってくるやいなや無数のクラッカーが彼を襲った。




そして、みんなの「相葉くん、誕生日おめでとう!」が飛び交う不協和音。



クラッカーのテープを頭に被りながらポカンと口を開けてる雅紀は、本人には言えないけどかなりマヌケな顔してて。



雅紀の後ろからついて行った俺やメンバーはそれを見て少し苦笑いをしていた。



もちろん、状況を理解した雅紀はみんなに極上のスマイルでお礼を返し、少し歩く度に声をかけられたり、プレゼントをもらったり、忙しそうだ。



あっという間にどこかの輪の中に囲まれて行ってしまったので、俺たちは少し淋しいながらも空いてる席に腰を落ち着かせた。



「相葉さん、向こう行っちゃったから淋しいんじゃない?翔さん」


俺のグラスにビールをつぎながらニノがそんなことを言う。



ニヤニヤしてるニノをチラッと睨む。



「それはそうだけど……しょうがねーじゃん。
今日はアイツの誕生日だし?
こうやってみんなに祝ってもらえるなんてありがたいことだよな」

「ふーん。そんなもんかねぇ」



そりゃ、独占欲の塊の俺ですから?

いつもいつでも雅紀をそばに置いておきたい衝動には駆られますよ?


でも、俺もいい加減いい大人ですし?



こんなことで目くじら立ててもしょうがないわけですよ。



それに……いつも通り、打ち上げが終わってから俺の部屋に来るはずだから。



ふたりで部屋に戻ったら……もう誰にもジャマされることなくふたりでイチャイチャイチャイチャ……



あー、また明日もコンサートなのにムリさせちゃうんだろうなぁ。

ダメだなぁ。



「ちっともダメって顔してませんけど!」

「……へ?」


顔を上げると白い目をこちらに向けてるニノと目が合う。



「明日もコンサートあるんだからね!
相葉さんに無理させないでよ?」

「え……?もしかして、口に出してた?」

「ええ、ブツブツとね。
内容はよくはわからなかったけどそのデレデレ顔見たら翔さんの考えてることくらい容易にわかるし!」

「あ、す、すいません……」


「まぁ、でも、相葉ちゃんの誕生日だしなぁ~」

「智くん……」

「クリスマスってのもあるし、そりゃ燃え上がっちゃうよなぁ。しょーがねーよなー、翔くん」

「そうなんだよ!雅紀が魅力的すぎてそんなのガマンできねーんだよ!」


思わず味方してくれる智くんに救いを求めるように同意した。



「何言ってんだ。そんなことしていつもまーの腰を使い物にならなくしてんの翔さんだろ。
マジで明日もコンサートあるんだからカンベンしてよ」


松潤から容赦ない言葉が飛んでくる。



「そう、ですね……すみません……」


俺は濃い顔で睨んでくる松潤に素直に謝るしかできない。



「ま、今日は早く部屋に戻ってまーとふたりで誕生日祝って来てあげなよ。
で!少しでも早く寝て明日に備える!わかった?」

「はぁーい!」


俺は念押ししながらも俺たちのことを考えてくれてる松潤に心の中で感謝した。



俺たちは相変わらずみんなの輪の中で楽しそうに、嬉しそうに笑ってる雅紀を遠目で眺めていた。




。。。。。



空のグラスをテーブルに置きながらチラッとある場所に目をやる。



雅紀がまだスタッフと楽しそうにしゃべってる。



もう打ち上げが始まってからけっこうな時間が経ってるけど……まだ部屋に戻るどころか、こっちにも一切来ない。


いくらこのあとずっと一緒だと言ってもさすがに淋しい。


しかももうすぐ日が変わってしまう。


コンサートのステージ上ではファンと一緒におめでとうとは言ってたけど。


やっぱりふたりっきりで言ってやりたい。



でも、スタッフたちと楽しそうにしゃべってる雅紀のジャマもしたくはない。




「まー、スタッフに引っ張りだこで俺たちのテーブルに来ないね……」


ニノはゲームをするから、と。

智くんは眠たくなったから、と早々に各自の部屋に引っ込んだ。



俺と松潤はずっとコンサートの反省点や明日以降の段取りなど話しながら雅紀を待っていた。



「ああ……まぁ、こんな日だし…しょうがねぇだろ……」

「うん、そうだけど……
あ……」


松潤が腕時計を見て声を上げる。



翔さん……あと5分で日が変わっちゃうよ……」

「そっか……」


俺はため息をひとつついた。



「俺、先に部屋戻るかな……」


松潤とふたりでけっこう飲んでたから少しふらついてるし。



「まー、置いていくの?」

「ん……一緒に連れて帰りたいけど、あれだけ楽しそうにしてたら……ジャマするのもなぁ?」


と言って、雅紀の方を振り向いたとたん視界が遮られて、背中にドスッと重みを感じた。



「ぐえっ……な、に?」


なにかを確認したくても何も見えない。


「しょーちゃん……」


背中に覆い被さるなにかがボソッとつぶやいた。



「雅紀……?オマエ、スタッフと飲んでたんじゃないのか?」

「うん……でも、まだ、しょーちゃんに、祝ってもらって、ないから……」

「え……?イヤ、でも……」


俺がそう言ったとたん、今度は背後から回されてた腕を首元で締め上げられて悲鳴が上がる。



「いだだだだ……っ!くっ、苦し……」

「しょーちゃんはオレがいなくても淋しくないのぉ、っ!」

「イヤイヤ、淋しいから!わかったから離せ!」


雅紀のヤツ、相当酔ってんのか?

これ以上の言動次第では周りに俺たちの関係がバレかねない。


早々に部屋に引き上げようともがいてると松潤が助け舟を出してくれた。



「ほーら、まー。飲みすぎだよ。もう部屋に戻ろう?な?」


子供をあやすように優しく声をかけて、俺からゆっくりと引き剥がしてくれる。



「ほら、まー。こっちおいで」

「んー。じゅんくぅん……」


今度は松潤にしなだれかかってそのまま抱きつく。


おいおい!

なにを俺以外のオトコに抱きついてんだよ!


まぁ、松潤はカムフラージュでわざと雅紀にそんなタイド取ってんだろうけど……雅紀はマジだろ。


部屋帰ったら覚えてろよ……。



「それじゃ、今日もお疲れ様でした!
お先に失礼します!」


俺たち3人はスタッフたちにお礼を言って部屋をあとにした。



「ほらよ、翔さん、まー返すよ」


そう言って松潤にもたれかかってる雅紀をポイッと投げてくる。



「うおっ……、松潤ありがとな。助かった」

「いいってことよ。でもマジで明日のコンサートに響くようなマネはすんなよ」

「……はぁーい」


松潤と別れて、雅紀を連れたまま自分の部屋に帰る。


さっきから俺に体を預けたままなにもしゃべらないけど、寝ちまったのかな?



「おい、雅紀。部屋着いたぞ」


ゆっくりとベッドに寝かせる。



少々淋しいけど、寝てしまったのならしょうがない。



明日もまたコンサートはあるし。



もう今夜雅紀をかわいがるのは諦めて、軽く着替えをしようとした時、雅紀の声がした。



「しょ、ちゃ……」

「……ん?雅紀?起きてんの?」

「起きてるよ……」


俺はもう一度雅紀の元へ歩いていって様子を伺う。



「でも、もうそのまま寝るだろ?
シャワーは明日の朝浴びたらいいから」


そう言って髪を軽くすいてやる。



「んむー……まだしょーちゃんに祝ってもらってないし……」

「あ、うん……ゴメン、もう日が変わったちゃったな……」

「日にちなんて関係ないの。
しょーちゃんがいてくれたら、それで、いいの……」


雅紀がそう言って俺に向かって手を伸ばす。



「しょー、ちゃ……」

「雅紀。おめでとう。今年も俺のそばにいてくれて、ありがとう……」


優しく触れるだけのキスを落とす。



「んっ……。オレ、こそ……ありがとう……
また、一ヶ月だけ、同い年だね……」

「ふふ、そうだな……」


雅紀の嬉しそうにはにかむ顔中にキスをする。



「くふっ……くすぐったい……っ」

「バースデーケーキよりあまーい雅紀を今から食べんの。それの味見だよ?」

「くふふ。味見、おいしかった?」

「うん。今日の雅紀もサイコーにうまい」

「じゃあ……お早めに、どーぞ……」


雅紀の両腕が俺の首に回って、強く引き寄せられると……



俺たちはシーツの波にもまれながら、朝までひとつに混じりあった。




おしまい



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雅紀くん、HAPPY BIRTHDAY!!!

夜まで待てない!!

私は今頃モノレール!!(笑)