Bitter sweet vol.11 | sakurabaでいっぱい 〜SA妄想小説〜

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赤さんと緑くんによるソフトな萌キュンイチャコラですが、激しめなものも書いておりますので未成年の方、男性の方はご遠慮下さい。

コメントは基本的に未承認にしております。




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。。。。。




えっと……これも、一種の『修羅場』ってヤツ……なのかな?





「……おじゃまします……」


仕事帰りなんだろうか、櫻井さんはいつものスーツ姿で、いつも持ってるカバンを手におずおずと入ってきた。



「こんな時間におじゃましてしまいまして申し訳ないです」

「いや……お疲れ様、です……」

「いらっしゃーい、櫻井さーん!」


ふたりして恐縮しあいながら挨拶をする間をまーが能天気に櫻井さんを出迎える。



イヤ、オマエんちじゃねーだろ!



「ま、そのまま立ってるのもなんですから、どうぞ」


俺はそう言って櫻井さんにソファをすすめて冷蔵庫から出したビールを差し出す。



「あ、いえ、そんなつもりじゃ……」

慌ててそう言う櫻井さんに、なおもビールの缶を突きつける。



「そんな事言わないで。飲めるんでしょ?
それに、シラフじゃ話しにくいんじゃない?」


俺の意図がわかったのか、表情をピクッとさせると素直にビールを受け取った。



「オレも飲もーっと!」

「イヤ、オマエは酔うとややこしくなるからやめとけよ!」

「ヤダもーん」


俺の言うことなんて霞も聞きゃあしないで、軽くスキップしながらビールを取りに行くまー。


そのまま櫻井さんの隣に座って呑気に「カンパーイ♡」とかやってる。



しょうがねぇなぁ。。



観念して、俺も自分の分のビールを持ってくるとふたりとはテーブル越しに対面に座った。




しばらくはまーの相変わらず呑気に「おいしーねー」って言ってんのと、それに答える櫻井さんをボーッと眺めていた。




「イヤっ、俺!ビール飲みに来たわけじゃないんです!」


いきなり櫻井さんが大きな声を出したから俺もまーもビックリして固まってしまった。



まぁ、俺はわかってたけど……


まーはマジで何しに来たのかわかんなかったから心底ビックリしてる。




「……じゃ、何しに来たの?櫻井さん」


ビール片手に櫻井さんの顔を覗き込みながらそう言うまーの顔をチラッと見てから、そのまま俺に視線を向ける櫻井さん。





「えっ、と……松本さんは……相葉さんの、なんなんでしょう?」

「……へ?」

「ふたりは……恋人同士、なんでしょうか?」


そう言ってジトーッと俺の顔を見てくる。




「えっ、イヤっ、違うし!
俺とまーは単なる元同級生!幼なじみ!」

「……それだけ、ですか?」

「そーだよ!それ以上でも以下でもねーよ!」

「じゃあ、なんでこんな時間なのに、相葉さんが松本さんのお宅にいるんですか?
見たところ、お風呂も済ませて部屋着ですっかりリラックスモードですが……」

「あ、いや、それは……」

「実はおふたりは一緒に住んでるんですか?」

「……えっ?イヤっ!住んでねーし!」

「じゃあなんで……」




櫻井さんのその疑問はごもっともだ。


でも、俺とまーはマジで幼なじみってだけで。



単なる、男友達が、男友達の家に泊まってるだけで。


世間一般にはなにもおかしなことじゃねーだろ。



そりゃ、ひとつのベッドで一緒に寝たり、


寝る時に腕枕をして抱きしめながら寝たり、


ギュッと体を抱いて寝たり、



男友達同士ではおよそしないことをしてるのは……否めないが。



でも、俺がまーに対する感情はあくまでも友情だし。



別にそこに特別な感情があるわけじゃない。



あ、でも……



まーを大切にしてやりたい、とか。



まーを甘やかしてやりたい、とか。



そう言うのは、特別な感情、なのか?



イヤ、でも別にコイツとエッチしたいわけじゃないしなー。




んー……




「あ!家族愛!?」




いきなりそんなことを言う俺に、今度は櫻井さんがビックリしてる。



「あ、ごめんなさい……」


とりあえず謝って、一呼吸置いてからゆっくりとしゃべりだす。



「俺と、まーは、家族みたいなもんなんです」

「え……?家族?」

「はい。学生の頃から知ってるし、こんなふわふわしたヤツだからナゼかずっと俺が色々面倒見てて……
でも、それ以上の感情はないですよ」

「ほん、とに?」

「はい。そこんとこは信じてくださいとしか言えないけど」

「そう、ですか……」


俺の言葉に少しホッとした様子の櫻井さん。



「でも、櫻井さん」

「……はい?」

「逆にアナタに聞きますけど……まーのこと、どう思ってんです?」

「……え?」

「アナタこそ、まーに気持ちを伝えることなくホテルに連れ込んで体の関係を持ちましたよね?」

「……あ…………」

「それについては?まーとは遊びのつもりで……?」

「ちっ、違う!!」


俺の言葉に被せるように櫻井さんが叫んだ。



「相葉さんとは断じて遊びなんかじゃない!」

「櫻井さん……」

「じゃあ、なんで……?」

「確かに……付き合って、とは……言ってなかったけど……誘いに付いてきてくれて……ああいう関係にまでなったから、わかってくれてると、思い込んでました……」



まぁ、フツーのカップルならそのやり方でも成立するだろうけど……


相手がまーだからなぁ……




「そうですよね。大人なら……あんまり言葉で伝えなくても気持ちと行動だけで伝わるかもしれませんが……まーには全然伝わってませんよ」

「……えっ……ええっ!?」


櫻井さんが今度はまーをガバッと振り返る。




「相葉さん……俺たち……付き合って、ないの?」

「……え?だって……付き合ってって言われてないし」


恐る恐る問いかけた櫻井さんに平然とそう言ってのけるまーにガクーッと項垂れる櫻井さん。


で、次の瞬間ガバッと顔を上げてまーに体ごと向き合った。


「じゃあ、っ!改めて……
あの、相葉さん…俺と、付き合ってください……」

「はい……」


顔を半ば伏せながらたどたどしく告白をする櫻井さんに、まーはホントに嬉しそうに返事をする。




……って、中学生かよ!!




告白して、返事して、お互い見つめあって赤くなってるふたりを見てでっかいため息が出る。




「ちょっと疲れたし、こんな時間だからシャワー浴びてくるわ。その間、色々話ししといたら?」


そう言ってバスルームに歩いていく。




ソファではまだふたりが初々しく見つめあってるけど。




気にしないでそのままシャワーを浴びに行った。





つづく……