《櫻葉短編》若気の至り | sakurabaでいっぱい 〜SA妄想小説〜

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赤さんと緑くんによるソフトな萌キュンイチャコラですが、激しめなものも書いておりますので未成年の方、男性の方はご遠慮下さい。

コメントは基本的に未承認にしております。



嵐結成後、しばらくしてから……

翔さん視点です。。

。。。。。




俺は、相葉雅紀と言うオトコがよくわからない。



イヤ、わからなかった…と言うのが正しいのかな?




嵐結成当時はほとんど初対面も同然で。


話したこともなかったからどういう人間なのかもよく知らなくて。



いつもニノの後ろに隠れていた印象しかなかった。



それでもメンバーとして接していく内に少しずつわかってくる相葉雅紀の人間性。




アタマはあんまりよろしくないところ。


ふわふわしているところ。


でも意外と芯はしっかりしていて、けっこう頑固なところ。



すごく人見知りなところ。



でも、慣れるとものすごく人懐こくなるところ。



気を許した相手には極上のスマイルを向けるところ。





そして……ナゼかそんな相葉くんが最近気になってしょうがない。







「えー?また別れたのぉ?」

「ん……」


メンバー全員集合してる楽屋。

週に一度の収録。


そんな中、相葉くんとニノが隣同士で座っている。

ニノがゲームをしながら相葉くんの相手をしていると言ういつもの光景。

珍しくニノが大きな声を出している。



「向こうからすげーアタックされて付き合ったんじゃないの?なんでフラれんのよ!」

「しらねーし……」

「……まぁ、わかるけどね、俺は」

ニノがゲーム機から目を離して相葉くんをチラッと見る。


「なに?なにをわかってんだよ」

「まーくんはホントは誰を見てるか、誰を想ってんのかわかったんじゃない?隣にいて」

「なっ、なに?それ、どーゆーこと?
バカなこと言ってんじゃねーよ!」

「なに急に焦ってんの?落ち着きなよ」

「うっ、うるせーよ!もういいよ!」


そう言い捨てて相葉くんが楽屋から出ていった。



それを黙って見送りながら小さなため息をついているニノ。

心なしかなんだか嬉しそうに見えるのは気のせいか。




「…なんで?」

「……ん?」



思わずつぶやいた俺の問いに顔を上げたニノと目が合う。


「なんで……そんな嬉しそうなんだ?」

「え?なにが?」

「だって、相葉くん、カノジョにフラれたんだろ?
それを、なんでそんな、嬉しそうに……」

「え?あー……別に嬉しいって言うか……安心、したのかな?」

「安心?」

「そ。まーくんがまたウソをつき続けなくて済んだな、と思って」

「ウソ?」



そういや、さっきも変なこと言ってたな。




「ホントは…誰を見てるか、とか?」

「ふふ、翔くんよく聞いてんね」

「あ、悪りぃ、聞くつもりはなかったんだけど……」

「別に。気にしてないよ。聞かれたくない話しならこんなとこでしないし」


「そ、っか……」


「俺はね、早くまーくんに素直になってほしいわけなんですよ」


急にニノが語りだした。



「まーくんのシンメの俺としてはですね、自分にウソばっかついてないで素直になって、早く幸せになってほしいんですよ!」




相葉くんがどんなウソをついてるのかは俺には全然わかんねーんだけど。



でもまぁ、自分にウソつくってのはしんどいもんだ。



素直になるのもいいことだ。



幸せになるのも…メンバーとしては嬉しいことだ。




「そういうことなら俺も賛成だな」

「そぉ?じゃあ、翔くんも早いとこ自分の気持ちに気づいてあげて」

「は?自分の気持ち?って、俺ぇ?」

「そー!そうすっと、まーくんももうちょっと自分に自信がついてくんだろうけどねぇ」


ニノがやれやれと言った感じで肩をすくめる。



「???」



意味わかんねー。


今、相葉くんの話ししてたんだろ?


なんで、いきなり俺の話しになってんだ?


俺まで自分の気持ちに気づけとか……



どういう事?



俺の、自分の気持ち……?



俺がそれに気づけば相葉くんが自信がつく?



もー、全っ然わかんねー!




そりゃ、最近の相葉くんは俺にも人懐っこく寄ってきてくれるし、結成当時のよそよそしさもなくなった。



「櫻井くん」から「翔くん」に変わって、今は「翔ちゃん」って呼んでくれてる。

  
初めはくすぐったかったけどアイツの呼ぶ「翔ちゃん」ての、すげー心地いいんだ。


アイツに名前を呼ばれるの、すげー好き。


ヒマワリみたいな笑顔も好きだ。


クシャッとした、心から楽しそうな顔を見てるとこっちまで自然に笑顔になってくる。


あの笑顔をいつまでも見ていたい、って……


アイツのそばでいつまでも見ていたいって……そう思う。




…………ん?

いつまでも?


そばで?



………………ん?



イヤ、単にメンバーとして、だよな?




別にほかに意味はねーだろ?




確かに……相葉くんと目が合ったり、笑いかけられたりするとドキッとする。



「翔ちゃん」って呼ばれると、すげー嬉しいし、いつの間にかアイツのこと、考えてたりする。



でも、それもこれも別に変な意味はないだろ?



ただのメンバーだって!



……って、俺、誰に言い訳してんだ?




なんだか考えれば考えるほどアセってくる自分がいる。




「翔くん、百面相してる」


「……っ!」



ふと声がして、バッと顔を上げるとニヤニヤしてるニノと目が合った。




「な、なんだよ……!」

「ふふふ、いやぁ、別にぃ~」

「なんだよ、っ!ハッキリ言えや……!」


俺がカチンと来てニノに大きな声を上げた時、楽屋のドアが開いた。




「……え?翔ちゃん?……なに?どうしたの?」


ドアノブを掴んだまま目を丸くして俺を見つめる相葉くん。




「あ、イヤ……っ」

「……ニノと、ケンカしてんの?」

「あ、あの……」


少し不安そうな相葉くんの顔が見れない。



「ちょっと遊んでただけだよ、まーくん」

「……え?」

ニノの声に思わずそっちを向く。


「あ、そーなの?」


相葉くんのホッとした顔。



「まーくんてば心配性だなぁ。
仲良し嵐が本気でケンカなんかするわけないじゃん」


ニノが飄々と言ってのけるのを聞いて相葉くんにも笑みが戻る。




「そっ、か……そうだよね!」

「そっ、そーだよ!何いってんの、相葉くん……」


平静を装いながらもニノの言葉に乗っかってそんなことを言う俺を意味ありげに見つめるニノ。




いや、だから……違うって!

俺は、相葉くんなんて別に……


イヤ、でも……



「翔ちゃん?どーしたの?」


コテンと首をかしげながらそんなことを聞いてくる相葉くんに思わず口元が緩むんだけど。



でもっ!でもっ!


俺は……別に……!



「翔ちゃん?」



別に……

なんとも……思って、ない……はず……





そう思いながらもしばらくは相葉くんのことをずっと意識して、収録もぎこちなくなってしまった。






おしまい