このままもっと vol.34 | sakurabaでいっぱい 〜SA妄想小説〜

sakurabaでいっぱい 〜SA妄想小説〜

赤さんと緑くんによるソフトな萌キュンイチャコラですが、激しめなものも書いておりますので未成年の方、男性の方はご遠慮下さい。

コメントは基本的に未承認にしております。




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。。。。。

A-side




翔ちゃんの妹さんに空いてる部屋に連れられてくると、有無を言わさない迫力でなんだか着せ替え人形のように着替えさせられてしまった。



「コレは……?」


聞かなくてもわかるんだけど……。




真っ白なタキシード。


でも、なんでコレを、オレが?



「さすがにウェディングドレスはねぇって事で。
お兄ちゃんはドレス着せたかったみたいだけど」

「……は?ウェディングドレス?
え?どーいうこと?なにすんの?」

「ふふ、ごめんなさいね。
お兄ちゃんのワガママに付き合ってあげて?」


妹さんはオレの問いには答えずに、オレの背後に回ると頭に何かを付け始めた。


「なにぃ……?」

「私が作ったものだからキレイにできてるか不安だけど……」


これは……


「ベール……?」


コレって、新婦さんが結婚式の時に頭に付けるモノだよねぇ?


なんでオレが……



「ウェディングドレスは諦めたけど、コレは外せないって、お兄ちゃんが」

「翔ちゃんが……?」

「さ!行きましょ。みんなが待ってるわ」


妹さんに急かされて、心が追いつかないまままた初めの部屋に戻される。


ドアの前ではカズが立って待っていた。


カズもいつの間にかキレイなスーツに着替えてる。



「カズ!」

「まーくん、キレイだね」

「イヤ、そうじゃなくて……」

「ほら、まーくん。俺の腕に手を添えて」


パルプンテ状態のまま、カズの腕を取ってドアの前に立たされる。




もしかして、

もしかしなくても、


コレって…………



なんだか急にドキドキしてきた。





「それでは!新婦入場でーす!」


妹さんがそう言うとどこからか音楽が流れてきた。



ドアが開くと部屋の中の状態に、またア然とする。



「まーくん、行くよ」


カズに囁かれて、並んで歩いていく。





「まさきにぃに、キレー!」

「カズもかっけーぞー!」



オレたちが歩いている両側にイスが並べられていて、園の子供たちが次々に声をかけてくれる。



そして、正面には、優しげに微笑んで立っている園長先生と……



「翔ちゃん……」


園長先生の傍らにこっちを向きながら翔ちゃんが立ってる。


翔ちゃんはグレーのタキシードを着ている。



「ほら、まーくん。俺はここまで」


翔ちゃんの前まで歩いていくと、カズがそう言ってオレの腕を外して翔ちゃんの隣に立つように促してくる。



「翔ちゃん……これって……」

「俺たちの、結婚式だよ?雅紀……」

「え……?」



けっ、こん、しき……?


オレたち、の……?




「黙っててゴメンな?
サプライズしたくて。みんなに協力してもらってたんだよ?」

「………………」


なにも言葉が出なかった。


出るのは涙ばっかりで……



「雅紀……泣くのはまだ早いよ」


翔ちゃんが優しくそう言って流れる涙を拭ってくれる。


「そんなこと、言ったって……」


「俺たちは、正式には籍は入れられないけど、カタチだけでも式を上げたくて。ごめんな?雅紀」

「なんで、あやまんの……?」

「ん、雅紀に内緒で進めてたし、もし雅紀がイヤだったら……」

「イヤ、な、わけないじゃん……」

「雅紀……」

「翔ちゃん……ありがとう……」


オレは涙をボロボロ流しながら翔ちゃんに抱きついた。

そんなオレを優しく抱きとめてくれる。


「ほら!まだ始まってもないのにそんなに泣かないの!早く始めよーよ!」


カズがそう言って、ほかの人たちが動き出す。


翔ちゃんは顔を上げたオレの頭をポンポンとなでると、オレの腕を自分の腕に組ませて一緒に園長先生の前に立った。



つづく……



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『wedding ring』と言い、『disco star』と言い…結婚式ネタはもうお腹いっぱい……?