このままもっと vol.26 | sakurabaでいっぱい 〜SA妄想小説〜

sakurabaでいっぱい 〜SA妄想小説〜

赤さんと緑くんによるソフトな萌キュンイチャコラですが、激しめなものも書いておりますので未成年の方、男性の方はご遠慮下さい。

コメントは基本的に未承認にしております。




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。。。。。

A-side





オレはいつも通りの帰り道をのんびりと歩いていた。





ふー、今日も疲れたなー。

今日はカズは接待だって言ってたから晩御飯はオレひとりか。

じゃあ冷蔵庫に入ってる残り物でテキトーに済ませるかな。


そんなことを考えながら家路についていた。






翔さんと駅で出会った日から、カズはいつもなにか言いたげにオレを見ていて……


オレはいつもその話題から逃げていた。



今日は、カズには申し訳ないけど、そんなことを考えずにのんびりできそう。



冷蔵庫の中、何が入ってたかなー。



そんなことをボーッと歩いていると、人が目の前に歩いてきたのに全然気づかなくてそのままぶつかってしまった。



「うわ、っ……」

「きゃっ……!」


相手がけっこうな勢いでぶつかってきたから、反動で倒れ込んだみたいで足首を抑えてる。



「あ、ごめんなさい!大丈夫ですか?」


オレは慌てて駆け寄る。


「いえ、急いでて前見てなかったの私ですから……」


そう言いながら相手が顔を上げたとたん息が止まるかと思った。





翔さんの……恋人、だよね?


しばらくオレはその人の顔を見つめていたからか、


「あの……私の顔、なにか付いてますか?」


と、不思議な顔をされてしまった。



「あ、イヤ……ごめ、違います!
あ、すみません、立てますか?」


オレは手を貸してゆっくりと立たせようとしてあげる。



「すぐそこにベンチがあるからとりあえず……」


目の前の公園を入ってすぐの所にベンチが見えたのでそこまで体を支えて誘導する。



「すみません、お手数かけてしまいまして……」

「いえ、オレも悪いし……」



でも、よりによってなんでこの人なの?



「…ちょっと、ハンカチ濡らしてきますね」


その人をベンチに座らせると、オレは急いでハンカチを濡らしてきて彼女に渡した。



「はい、その傷口、血が出てるから……」

彼女は足首を痛めただけじゃなく、膝からも少し血を流していた。


「あ、ごめんなさい……」


少し痛そうにしながらもハンカチをあてて血を拭っている。



しばらくそうしているとある程度は血が止まったみたいでホッと息をついた。



「あんまりたいしたことがなくて良かったですね。
ホントにすみませんでした」

「いえっ、私が慌てててぶつかったんだから!」

「でも、オレもボーッと歩いてたし……」

「私がもう少し落ち着いて歩いてたら……」

「オレがちゃんと前向いて歩いてたら……」


何回か、そんなやり取りをして、どちらからともなく笑いだしてしまった。



「お互い様、ですかね……」

「そうですね……」

「でもそれじゃ帰れないでしょ?タクシーかなんか……」

「あ、大丈夫です。すぐ近くに知り合いがいるはずだから連絡して迎えに来てもらいます」


ちょっと失礼しますと言って、彼女がスマホを出してどこかへ連絡を取っている。



まさか……翔さんじゃない、よね?



電話に聞き耳を立てるわけにもいかないので少し離れていたせいか会話はほとんど聞こえてこなかった。



「すぐ、迎えに来てくれるそうです」

「あ、そう、ですか……じゃあ、オレ……」


ケガをした彼女をひとりで置いておくのは心苦しかったけど、もし迎えに来るのが翔さんだったら……。


そう思って立ち去ろうとしたけど、止められてしまった。



「待ってください。
車で来てくれると思うので、ぜひ乗って行ってください。おうちまで送りますので」

「イヤ、でも……そんなの、申し訳ないし……」

「ううん、私も悪かったんですからせめてこれくらいは……」

「でも……」

「遠慮しないでください。
私の気が済みませんからぜひ乗って行ってくださいね」


彼女が有無を言わさないような雰囲気でそう言ってくるのでそれ以上拒めなかった。



でも……マズイ。

なんとかして会わないようにしなきゃ。




「オレ、やっぱり……」


彼女にそう言いかけたとたん、背中にドンッと衝撃を受けた。


「……っ!?」



気づくと、それは背中から抱きしめられていた衝撃で……




「……捕まえた……」




懐かしい香りと共に、低い声が耳元で囁かれた。







つづく……





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兄妹揃ってぶつかってんじゃないよ!と思った?(笑)