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「カズーーー!!!」
俺は人混みの中、改札に向かって歩いていた。
まーくんとは相変わらず連絡が取れなくて……
と、言うか、滝沢くんに電話したあとにスマホの電池が切れるとか……ホントついてない……
今の俺たちにはひとりずつマネージャーがついてるわけでもないので地方に行くのもひとり。
要するに連絡手段がなくてどうなったかまったくわからない。
滝沢くんのことだからちゃんと言ったとおりにまーくんのところに行ってくれたと思うんだけど……
まーくん、無事でいて……
そう思いながらいつもなら面倒くさそうにタラタラと歩いている俺だけど、今日ばかりははやる気持と歩幅が比例して歩く速度が速くなってる。
そんな時、駅に俺の名前を呼ぶ声が響いた。
ゆっくり顔をあげると……改札口の向こうにすっごい笑顔で、両手をブンブンとふってるまーくんが立ってた。
「あれ……?まー、くん……?」
歩いてた足をさらに速め、自分では自己最速なんじゃないかと言う速さでまーくんの元に走っていった。
「はぁ……はぁ……まーくん……無事、だったの?」
「うん……それより、カズ……オレ、カズがそんなに一生懸命走ってるの初めて見たよ……
走れるんじゃん、カズ……」
「かっ、からかわないでよ!
俺だってやるときゃやるんだよ!!」
まだ少し息が上がってる両膝を支えて、息も切らしながら言った。
「くふふ、そうだね……
カズ、おかえり。
それと……ありがと……」
「え……?」
「危ないところに滝沢くん来てくれてね?
カズが言ってくれたんでしょ?
自分も単独の仕事で忙しいのにあちこち電話かけまくって……ホントにゴメンね」
あ、もう……
滝沢くんてば……
「あのヒト……まーくんには俺が言ったって黙っとけって言ったのに……もう……」
「そうそう、滝沢くん、先輩をアゴで使うなって言ってたよ。
そんな事するの二宮くらいだって」
そう言ってコロコロ笑うまーくんがすごく嬉しそうで、楽しそうで……
こんな笑顔のまーくんがまた見られるとか……
「良かった……まーくんが無事で。
そんなに楽しそうに笑ってくれて。
俺も珍しくがんばった甲斐があったってもんだね」
「カズ……ありがと。
これから……ご飯一緒に行かない?」
「え?翔くんとこ帰らなくていいの?」
「今日はねー、潤とリーダーが行ってくれてる。
たまには俺たちにも翔くんの世話させろ!って怒られちゃってさぁ……」
……ホントかよ……
ホントはまーくんが潤たちに頼み込んだんじゃないの?
でも……嬉しい……
それじゃ今晩はまーくんひとりじめさせてもらおうかな。
「ったく、しょうがないなぁ!
じゃあ今日はまーくんに付き合ってあげますか!」
「な、なんだよー。
そんな言い方しなくったって……
もっと素直に喜べよー!かわいくないんだからぁ!」
プリプリ怒りながら俺の顔を大きい手でベロンとなでてくるまーくんが愛おしい。
俺の一番の親友……。
俺の……一生一緒にいる親友……。
「あ!もちろんまーくんのおごりだよね?
何食べよっかなぁ?」
「あ!ちょっと待って!?
給料日前だからあんまり高いのはやめてね?」
ふふっ、アセってるアセってる。
「そうだなー?じゃあジョジョ園の焼肉なんてどぉ?」
「えっ……?もう!カズ!オレにケンカ売ってるでしょ!?
あんなとこ、給料入っても行けないよ!!」
「ふふっ、そーだね。
じゃあ駅前のラーメン屋行こっ」
「……ラーメンでいいの?
がんばったら……もう少し……」
ムリしちゃって。
その気持ちだけで充分嬉しいんだってば。
「んー?金額じゃないでしょ?
俺、ラーメン食べたいもん。
それに、まーくんと一緒に食べたらなんだっておいしいし!」
「カズ……
じゃあ、ラーメン行こっか?
あ!チャーシュー増量くらいならいいよ?」
「マジで!?ぃやった!
最近肉食ってなかったんだよなぁ……」
「チャーハンもつけちゃう?」
「じゃあギョーザもつけちゃう?」
「くふふっ、豪華だねぇ。
急にお腹減ってきたよ?早く行こっ、カズッ!」
まーくんがそう言うと俺の手を繋いで歩き出した。
「まーくん?」
「いいでしょ?
久しぶりだねぇ、カズと手ぇ繋いで歩くの。
ジュニア以来かなぁ?
カズの手、相変わらずクリームパンみたいでやわらかぁい」
「クッ、クリームパンだけ余計だよ!
……もう!」
怒りながらも頬が緩みっぱなしになるのが止められなくて……
多分俺、今、最強にニタニタしてて気持ち悪いと思う……。
つづく……
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ここでも結局にのあいはこんなん(笑)