。。。。。
「……雨降ってるねー」
「……雨降ってますねー」
「……雨やまないかなー?」
「……雨やみませんかねー?」
かなりの量の雨が降る空を、ベランダの窓の前に並んで座りこんで見上げてる雅紀とニノ。
今日は久々にふたりの所属する草野球チームが野球の試合をする予定だったらしい。
俺も時間があるから一緒に行って写真でも撮ってやろうかとレンズを磨いてたんだけど…
今日は……見ての通りの大雨で試合は残念ながら中止になったんだけど、諦めきれないふたりが恨めしそうに雨が降りしきる空を眺めている。
「野球…したかったなー」
「…したかったですねー」
「…もういい加減諦めろよ、ふたりとも」
「他人事みたいに言わないでよ!しょーちゃん!」
「イヤ、そういうわけじゃないけど…
でもこの大雨じゃムリだろ…
て言うかもう中止決定なんだろ?
諦めて着替えたら?
つーか雅紀はせめてヘルメットは脱げ!」
俺はそう言いながらカメラを片付け始めた。
「まだ!まだやむかもしんないじゃん!!
よし!ニノ!雨乞いならぬ晴れ乞いするよ!」
そう言って窓に向かって両手をかざし始める雅紀。
「………え?
イヤ、そこまでは…て言うかそれで晴れるとか…ないでしょ」
ニノもそこまでは付き合いきれない様子で雅紀を苦笑いして見ている。
「そんな事ない!!
祈れば晴れるはず!!」
「イヤ…それ祈ってるって言うより…呪ってるって感じだけど…」
「まぁいいじゃん、ニノ。
雅紀の気の済むようにやらせてあげよ?」
ニノは窓の前から立ち上がって俺の座るダイニングテーブルの対面にすわり直しながら
「寛大だねぇ。さすがダンナサマ」
「まぁ雅紀のこんな行動なんて日常茶飯事だからな。
カワイイじゃん。一生懸命で」
そう言って頬を緩ませながら雅紀を見ると一生懸命空に手をかざして呪って…イヤ、祈ってる。
「雨よ〜やめ〜。
雨よ〜やめ〜」
「…アレ、いつまでするんですかね?」
「もしかしたら本気でやむまでやってるかもな」
「ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜……」
しばらく雅紀の祈ってる姿を横目で見ながらニノと、俺のカメラをはさんで色々とカメラの話しや仕事の話しをしていると雅紀が急に叫んだ。
「しょーちゃん!!ニノ!!
雨がやんだよ!!」
「えっ………マジで…?」
驚きながらも俺とニノで窓の外の空を見上げた。
「ウソ……ホントにやんでる……
さすがミラクルボーイ……」
ニノが言葉に詰まってる。
「スゲー…しかも…晴れてきてる…」
俺は雲の切れ間から太陽が見えてくるのを信じられない気持ちで見ていた。
「やったね!!晴れた晴れた!!
野球できるよー!」
そう言ってピョンピョン跳ねながらはしゃぐ雅紀。
俺は急いでカメラを構えて、顔を出し始めた太陽よりも輝く雅紀を撮り始めた。
天気をも味方につけてしまうキミ。
ファインダー越しのキミはとても輝いてて…
改めてとても愛おしく感じた。
そのあと、俺はグラウンドでコイヌのように泥だらけになりながらキャッチボールやノックを楽しむふたりをずっと撮り続けてた。
*・゜゚・*:.。..。.:*・''・*:.。. .。.:*・゜゚・*
おはようございます(*^^*)
今朝はイチャではなかったですけど日常のひとコマって感じで(#^.^#)
今朝から目覚ましを「trouble maker」に変えたら朝から飛び起きてしまった…orz