どうもぱちんこ特許チャンネルです。

 

 

Twitterで告知した通り、当記事は検索ワード「パチンコ 企画書」で見事検索結果のトップページに表示されるかを確認するための記事です。

 

とりあえず「タイトル」および「ハッシュタグ」にはそのワードを入れないことにしておきます。

※結局タイトルにもハッシュタグにもワードを入れないと無理でした💦

 

それで検索結果にどのように反映されるのかを確認し、それでもトップページに表示されるようなら・・・企業案件を受け入れる準備を始めます(笑)

※諦めました笑い泣き

 

 

さて、それでは「パチンコの企画書」について、『2つのテーマ』を軸に書いてみます。

 

 

①誰向けの企画書か(目的)

②誰目線の企画書か(プロダクトアウトとマーケットイン)

 

 

企画書なんて(と言ったら怒られますが)形が決まっているわけでもなければ、正解が1つしかないわけでもありません。

 

何が良いとか悪いとかではなく、これまで見た企画書についてどのような違いがあったかを淡々と書いていこうと思います。

 

 

 

 

 

①誰向けの企画書か

 

 

ケース1.学生の場合

 

以前、パチンコ業界を目指している学生さんの企画書を見せてもらったことがあります。

 

彼・彼女たちの目的は「企画書を通じて自分を売り込むこと」ですよね?

 

したがって、企画書は【メーカーの人間(人事や開発責任者)向け】に作成されており、

その構成は、

 

・版権説明

・その版権を採用した理由(選球眼アピール)

・目玉となる演出(演出アイデアアピール)

・特徴的なスペック(スペックアイデアアピール)

・その他セールスポイント(その他アイデアアピール)

 

大体このような構成になっていました。(すみません、今はもっと変わっているのかもしれません)

 

 

企画書作成時のルールとして禁止されていたのかもしれませんが、

 

・他機種との比較

・リリース時期(盆前とか年末とか)

・スペック展開予定

・販売予定台数

 

など、「実際に販売する場合に考えるべきこと」は書かれていなかったように思います。(しつこいですが、今は違うかもしれません)

 

 

「学生がそこまで考える必要があるのか」と聞かれると正直よくわかりませんが、少なくとも自分が採用担当なら差別化要因が少ないと判断が難しいため、自分を売り込むなら持っている知識すべてを出し尽くした方がいいのに、とは思います。

 

フォームは予め用意されたものを使っていたと思うので、「企画書」としては完成していましたが、結局「ドラゴンボールを使ったらどんなパチンコになるか」「HUNTER×HUNTERならどうか」くらいの違いしかなく、「ちょっと勿体ないなあ」と感じた記憶があります。

 

 

 

 

 

ケース2.版権取得者(≒企画者)の場合

 

そう頻繁にあるわけではないですが、大型版権などは企画コンペが開催されることもあります。

 

これは他社と競合する(いずれかに決まる)場合もあれば、自社と版元とで1対1の勝負する(実施許諾してくれるか否かが決まる)場合もあります。

 

この場合、版権取得者の目的は「企画書を通じて自分たちが開発・販売することにより版元が得られるメリットを理解してもらう(その結果、版権を取得する)こと」です。

 

したがって、企画書は【版元向け】に作成されており、

その構成は、固定的ではありません。

 

 

金額を重視されているのなら、

・1台あたり○○円(最低保障:○○台)

で、他社より多い金額を書けば終わりです。

 

販売台数を重視されているのなら、

・販売台数が○○台見込める理由・取り組み

で、過去の実績や予定している宣伝方法などを書きます。

 

その他にも、

 

ビジュアルを重視されているのなら・・・

パチンコとしての完成度を重視されているのなら・・・

継続的な使用(シリーズ化)を重視されているのなら・・・

 

といったように、相手が気にしている部分をある程度リサーチしてそれに合わせた企画書を作成します。

 

まあビジネスなので最低ラインの金額の提示は必要ですが、版元心理としては、同じ金額であればやはり自社が保有するコンテンツを最大限活かしてくれるところがいい、と思うのではないでしょうか。

 

 

実際に版権取得用の企画書を見ると、

 

・コンセプト

・ファン層について

・遊技機のユーザー層とファン層のリンクについて

・ファンの要望を満たすことができる理由

・遊技機ならではの要素

・広告宣伝活動(予定)

 

などが記載されていました。(あくまでも一例です)

 

 

「ドラゴンボール作らせて下さい!」

 

 

 

ケース3.協力会社の場合

 

メーカーと言っても、すべて自社で開発しているわけではありません。

 

映像製作、役物設計、ソフト設計などを協力会社にお願いすることも多いです。(というかほとんど外注の場合も)

 

ソフト設計は安心と信頼の過去実績で決めてもいいですが、映像製作(演出アイデア込み)や役物設計(役物アイデア込み)の場合は企画コンペにより決まることもあります。

 

この場合、協力会社の目的は「企画書を通じて自分たちが開発を担当することによりメーカーが得られるメリットを理解してもらう(その結果、開発依頼を受注する)こと」です。

 

したがって、企画書は【メーカーの人間(開発責任者、開発担当者)向け】に作成されており、

その構成は、これまた様々です。

 

ただ、この場合も先ほどの版権取得時と同様に、相手方(この場合はメーカー)が最も重視する事項(価格面、演出面、納期、クオリティ、その他)を満たさないと「論外」という結論になってしまいます。

 

 

 

 

 

ケース4.開発者の場合

 

開発者が企画書を書くのは開発承認を得るとき、つまり企画立ち上げ時ですね。(もちろん開発承認を得た後に詳細企画書も作成しますが、一旦それは置いておきます)

 

誰に向けたものかというと、(途中に何段階かステップがあるかもしれませんが)最終的には開発承認の決定権をもつ役員の方々です。

 

この場合、開発者の目的は「企画書を通じてこれに基づいて開発を進めることにより会社に利益をもたらすことを理解してもらう(その結果、開発を承認してもらう)こと」です。

 

したがって、企画書は【役員の方々向け】に作成されており、

その構成は、

 

・販売戦略(シリーズ化、別スペック販売、PとS同時販売など)

・販売年度(規則改正による大量撤去時期等の外部要因を考慮)

・版権説明

・ジャンル説明

・版権およびジャンルの選択理由

・メインターゲット層

・演出案(版権のキャラや世界観などで使えそうな演出)

・ギミック案

・デザイン案

・デバイス案

・スペック案

・広告宣伝活動案

・開発費用(概算)

・各部品原価

・販売予定台数

・営業利益(見込み)

・想定稼働週数

 

まだまだ書き忘れているものもあるかもしれませんが、ザックリ言うと大体このようなことが書いてあるかと思います。

 

…ケース1と明らかに項目の数が違いますよね。

それは目的が違うからです。

 

開発者は「自分を売り込む」ために企画書を書いているのではありません。(会社に利益をもたらした結果、自分の評価が上がるのが真っ当な流れ)

 

逆に、自信満々で企画書を出したのに役員・上司・承認者に承認されなかった場合、「あいつら何にもわかってねー」とか思っていませんか?

 

誰向けで何のための企画書かをはき違えて「自分を売り込む企画書」になっていたり、「会社に利益をもたらす」ことが伝え切れていない(そもそも考慮されていない)企画書になっていたりするなら、それは当然の結果であると言えます。

 

 

 

②誰目線の企画書か

 

【プロダクトアウト】

作りたいもの・作れるものを基準として製品開発を行う概念。

自社の持っている技術力や方針をもとに製品開発を行うといった考え方。

 

【マーケットイン】

顧客のニーズにフォーカスしてビジネスを展開する概念。

買い手が必要としているものを把握し、その結果をもとに製品開発を行うといった考え方。

 

 

どこかのサイトにも書いてありましたが、

私は別にこの両者が対極に位置するとは思っていません。

 

 

作りたいもの・作れるものを基準として製品開発を行ったとしても、そこには必ずユーザーのニーズ(その時の流行など)が多少なりとも考慮されるでしょうし、

 

買い手が必要としているものを把握した結果をもとに製品開発を行ったとしても、開発者の好みは少なからず反映されてくると思うからです。

 

ただし、状況によっては「作りたいものより求められるもの」を企画することが必要な場面もあるとは思っています。

 

 

上記ケース1~4をいずれかに振り分けるならば、

 

ケース1→プロダクトアウト寄り

ケース2→マーケットイン寄り

ケース3→マーケットイン寄り

ケース4→メーカー次第!(最近はマーケットイン寄りが多い)

 

こうなります。

 

 

 

特に近年の開発者は「自分が作りたいもの」と「買い手のニーズ」との板挟み状態で悩みは尽きないでしょう。

 

買い手のニーズを全面的に受け入れた企画案の方が大ハズレは少ない(ハズレがないとは言ってない)ですが、そっちばかり気にするようになると「あー自分が作りたかったものってなんだろう…」となってしまうので。

 

 

でも、「企画者は自分が作りたいものを作ってこそ企画者だ!」なんて真正面から言える人は少ないように思います。

 

このご時世に「天下一閃」みたいな役物パチンコの企画書なんてなかなか出しにくいじゃないですか。(今はある程度受け皿が出来ましたが、当時はなかった)

 

 

完全にプロダクトアウトな企画書を作って出した開発者と、それを承認した承認者はすごいなと思います。

 

ただ、それでも「作りたいもの」を作らせてもらうにあたって、開発費、販売予定台数、営業利益、残部材発生時の予備策などは検討の上、しっかり説明していたと思いますよ。

 

 

「仏壇枠が作りたい」なら作ればいいし、「仏壇枠に買い手のニーズがある」と思うなら作ればいいです。(嫌味でもなんでもなく、プロダクトアウトもしくはマーケットインとはそういうもの)

 

でも、それによって生じるコスト・得られる効果を整理して、少なくとも役員の方々に聞かれたときに「会社の利益になる理由」を説明できるようにしておきましょう。

 

プロダクトアウトはあくまでも会社の方針(普通は「利益を出す」こと)に沿って、かつ、作れる範囲において作りたいものを作るという概念であって、会社の利益に反してでも作りたいものを作る、という概念ではないので。

 

 

 

 

 

・・・うーん、話が固いな。

 

もっと気楽に読める「雑談エンターテインメント読み物」を目指してるんですがあせる

 

 

次回は企画書を作り(ざっくりと絵と文字を貼り付けるだけ)、ビジュアル的な違いが一目でわかるようにしますので、今回はまあ「ハードカバー読み物」になってしまっていても大目に見て下さい。

 

 

 

今日はここまで。

 

 

 

それではまた。

 

 

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