勉強中の「はてなブログ」。

 

ブログのタイトルは「誰でもわかる先天性心疾患」

 

 

 

ニュアンスは、元記事を読んでもらうとして、自分なりのメモを書いてみます。

昨日の続きです。

 

DDDではAV delayを決めることができるので、A kickを活かす事ができる。(VVIではできない。)

 「A kickを活かす」→A kickは心機能の25%程度を担う

<ちょっと難しいとの前置きで補足>

「最適なAV delay(=至適AV delay)は人によって違う」 

1)大体150msくらいが普通で、短いと100ms、長いと200ms以上

2)心エコーなどを使用しておおよそ決める事ができる。(石川法やRitterの方法などを使用)

  カテーテル検査でAV delayを少しずつ変えてみてデータを取る方法もある。

3)心機能がよいい人はある程度ピンポイントで決めると新機能改善もあり。

 (心機能がよい人は最適な数値に幅があるので、多少変わっても大丈夫)

 心機能がかなり悪い人だとAV delayを短くした方が心機能は良くなったりする。

 →120msとか100msとか試してみる

 

DDDの動き方について

<参考>AAIの場合 動き方二種類

AP(エーペース)→脈が出なくて心房をペーシングする動き

AS(エーセンス)→自分の脈を感知してペーシングしない動き

<参考>VVIの場合 動き方二種類

VP(ブイペース)→心室をペーシングする動き

VS(ブイセンス)→自分の脈を感知して心室のペーシングをしない動き

 

DDDの場合にはこの2つの動きの組み合わせなので、動き方としては4種類。

・AS-VS:心房も心室も自分の脈が出て、心房も心室もペーシングしない。

・AP-VS:心房は脈が出ないのでペーシングし、心室は脈がでるのでペーシングしない。

・AS-VP:心房は自分の脈が出てペーシングせず、心室は出ないのでペーシングする。

・AP-VP:心房も心室も自分の脈がでないため、心房も心室もペーシングする。

 

AS-VS

1)全部自己の脈が出ているので、PMが入っていないのと同じ。

2)PMの電池も消費しないし、心臓は生理的に最も近い動き→心機能がおそらく最も良い組み合わせ

①心房は自己の洞結節で動くので適切な心拍数

心室には刺激伝導系を通して電気が伝わるため、心室はnarrow QRS波

③自己の房室結節も正常に働いており房室ブロックがないため、

  心房が収縮してから適切な間をおいてからA kickを最大限に活かすタイミングで心室が収縮。

  →A kickも活かすことができ、かつnarrow QRSの良い心室の収縮→心機能の点からベストな動き。

  注)ペースメーカーを使っている人で100%、AS-VSになる人はいない。

 

AP-VS

1)心房はペーシングし、心室は自分の脈が出ている状態

2)心房は洞結節がお休みしていて脈が出ないので、ペースメーカーがペーシング。

 →洞不全症候群の状態なので、作動の仕方としてはAAIと同じ状態

①ペーシングした電気刺激は房室結節を通り、刺激伝導系を伝って心室に伝導

心室はペーシングされた心房に同調して収縮

③房室結節、刺激伝導系を伝って心室が動くので、心室の収縮としては良い収縮。

 心房の収縮から適切なタイミングで刺激伝導系を伝って心室の脈がでる

 →A kickを活かすことができ、心室の収縮はnarrow QRSの良い収縮→心機能としてはとてもいい状態。

 

続いてAS-VPとAP-VPについて話ます。この2つの作動の仕方はどちらも心室の方がペースメーカーでペーシングをする作動の仕方となります。なのでwide QRS波となり、心室の収縮能としては一段落ちる設定になります。ただし、DDDではAV delayを設定できますので、A kickを活かすようなタイミングで心室を収縮させることが可能になります。ここがVVIとDDDとの大きな違いになります。

 

 

AS-VP

1)心房は自分の脈で、心室はペーシングで動かす。

2)VVIと違ってDDDではAV delayで心室をペーシングするタイミングを設定する事ができる。

 →心室の収縮はペーシングをするためwide QRSになるので、ちょっと収縮能は落ちる

   心室はwide QRSだけれども、AV delayをいい感じに設定することによってA kickを活かす事ができる。

(例)DDD80-150の設定で、AV delay120msに設定

  心拍数90で洞結節が脈を打ち心房が動くとすると

  →AV delay120ms(0.12秒の事)に設定しているので、心房の脈を感知した

   0.12秒後(120ms)心室をペーシング

   →心房の脈の120ms後に心室はペーシングにより収縮。

 

AP-VP

1)心房も心室もペーシング。

2)DDDではAV delayが設定できるので、心房をペーシングしたタイミングから

 AV delayの分だけズラして心室をペーシングしてあげることが可能。

心室の収縮はwide QRSになり少し落ちるが、AV delayをいい具合に設定することによりA kickを活かして

  心室を収縮させてあげられる→VVIより心機能は良く保つことが可能。

(例)DDD 80-150に設定。AV delayは150に設定。

   心房はHR 80でペーシング

  →AV delayを150msに設定していますので、心房をペーシングした

   150ms後(0.15秒後)に心室をペーシング

    A kickを生かした心室の収縮が可能

    wide QRS ではあるが、A kickを活かせている分、良い心機能を確保可能。

 

ペースメーカー手帳の中の記載様式によるようですが、この

・AS-VS:AP-VS:AS-VP:AP-VPの数値はフォローの時に、この区分で詳細に

記載されている人も多いようです。ただ、私の場合には、例えば前回の記録は、

 AP 63%  VP 6%

のみ、今度、この分類ごとの数値聞いてみようかと思います。(多分、表示はされているのだと思うので)