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自宅は築50年越えの空き家をフルリノベーション

インテリアと家づくりが学べる、一級建築士のブログ

 

 

SNSでたまに見かけるこのような意見。

 

「海外風の家はダサい」

 

例えば西海岸風、北欧風、韓国風、ホテルライク風・・・などたくさんありますが、どうやら「日本人なのに海外に憧れている感じがダサい」「流行りに乗ってる感じがダサい」とのことです。

 

昔から一定数このような意見を持っている人はいるのですが、好みは人それぞれなのでそう思うこと自体は自由です。

 
 
ではそのような人たちはどういった家を好むかというと和風やシンプルなスタイルを好む傾向があるのですが、実は本質をあまり理解していない人が多いのもまた事実。
 
 
以前、以下のリノベ写真をSNSにアップしたところ,
 
before
 
after
 
「ビフォーの方がいい!せっかくの木目天井を塗り潰すなんてもったいない!」といったようなコメントを貰ったのですが、
 
 
いやいや、この天井はラミ天ですから…。
 
 
ラミ天というのはラミネート天井材の略で、木目調の柄がプリントがされた天井仕上げ材のことを指します。
 
80年代から流行り始めたので、それ以降の和室にはけっこう使われています。
 
住宅を量産化するために生まれたいわゆる「新建材」の代表的な存在でもありますね。
 
言い方は悪いですがそのような偽物の素材が使われていても、実は多くの人がそれに気付いていなかったりするのです。
 
 
本物の素材や銘木を使い、技術力の高い大工によって作られた和室は素晴らしいです。

 

ですがそのような和室は新建材が流行り出した80年代以降減り続け、今では中古住宅を含めてもあまり見かけなくなりました。

 

 

 

 

話を戻しましょう。

 

海外風の家はダサいと言ってる彼らが好きな和風住宅も、実はビニールクロスや木目調柄の素材で作られたなんちゃって和室なんです。

 

 

家のカッコイイ、ダサいって洋風か和風かなどといったスタイルで決まるのではなく、本物かどうかで決まると思うのです。

 

なのでどんなスタイルであれ本物の素材と技術力・設計力・デザイン力で建てられた家はカッコよく見えます。

 

そのスタイルが流行っているかどうかも関係ありません。

 

家の本質ってそこだと思うのです、個人的見解ですけどね。

 

 

 

 

 

では最後に先日完成したお家です。

 

 

壁はそとん壁にタイル、玄関はラワンの木製ドアに真鍮のハンドルとキックプレートが付いてます。

 

 

 

室内も無垢材にモルタルなど様々な素材を使って仕上げました。

 

写真では質感や空気感といったところまで伝わらないのが残念です。

 

 

 

次回はいよいよアメリカ人のお施主さん。

 

これまた個性的でカッコいいお家が出来上がる予定ですのでお楽しみに。