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自宅は築50年越えの空き家をフルリノベーション
インテリアと家づくりが学べる、一級建築士のブログ
この先、日本の大多数の都市で人口が確実に減ります。
こちらは「国立社会保障・人口問題研究所」が作成した人口増減マップ。
2020年と2050年を比較し、どれくらい人口が増減するのかを表しています。
東京などを除いてほぼ全ての地域で人口が減る予測です。
ちなみに私の地域は60~80%減となっています…
政令指定都市も川崎市、さいたま市、福岡市が唯一増加予想で、横浜市や仙台市、名古屋市ですら減少となっています。
そして人口減少に加え空き家問題も深刻さを増していきます。
こちらは野村総研が発表した「一戸建ての空き家率予測」
2023年以降、急激に上昇していることが一目瞭然です。
今後は単独世帯が増えるため共同住宅はそれなり需要はありますが、一戸建てに住む割合が高い核家族等の減少に伴い一戸建て空き家は急増していくとのことです。
そうなると一戸建ての価値が大きく下落するのも必然と言えます。
2050年、この頃に住宅ローンを完済する人もいますよね。
果たしてその時その家に一体どれくらいの価値が残っているでしょうか。
人口減少地域であれば土地の価値も下落しているかもしれません。
「売却しないで生涯住むつもりだから関係ない!」
という考えの方もいるでしょう。
しかしその家を相続する人にとってはどうでしょうか。
家を解体するにしても土地の価値下落により、家の解体費が土地の価格を上回ることも十分に想定できます。
更に地盤改良を行った土地は杭の撤去まで行う必要があり、以前も書きましたが杭の撤去費用(柱状改良の場合)は数百万円かかることもザラです…
ではどのようなことを考えて家づくりをすれば、このようなリスクを減らすことが出来るか、いくつかポイントを挙げてみます。
【価値が下がりにくい土地を選ぶ】
一戸建てとはいえ結局は土地の価値に大きく影響されてしまいます。
土地の価格に対して家の価格が高すぎるのはリスク大。
極論、田舎の豪邸より都心のローコストということになります。
【シンプルな家がいい】
工事をする側の立場としても、仕様もデザインもシンプルな家はリノベが行いやすいです。
逆にこだわりの詰まったオンリーワンハウスは、リノベには不向きです。
平屋の小さな家などは単身世帯にも需要があるため、将来的にも価値は落ちにくいでしょう。
【限界まで借り入れない】
最近は40年の借入MAXローンを組む方も増えてきましたが、ローン完済時(40年後)の家の価値はほぼ0円です。
40年経たずとも一戸建ての価値下落スピードは速いため万が一家を手放すとなったとき、残債>売却価格となる可能性が高いです。
結果的に身動きが取れなくなるでしょう。
【立地の良い空き家をリノベする】
家の価値(築年数など)は度外視して、土地を重視(立地が良く価値が落ちにくい)して物件を選びます。
30年程度暮らすことを想定したリノベを行い、将来的には家を解体し土地を売却する計画です。
これであればローン借入を抑えられ土地の売却金を元に終の棲家を探すことも可能でしょう。
まさに私の計画なんですけどね。笑
色々と書きましたが、郊外に新築を建てることを否定しているわけではありません。
人にはそれぞれ理想の暮らしがあり価値観も多種多様です。
私も住まいの本質はそこにあると思っています。
ですが今回書いたようなリスクもあるということは、これから家づくりを始める人には知っておいてもらいたいのです。
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