一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。
また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。
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当ブログでも再三書いておりますが、新築住宅が売れません。
特に「注文住宅」が悲惨で「建売住宅」に関してはまだなんとか持ちこたえています。
なぜ注文住宅が売れなくなったのか。
そのひとつの要因として住宅価格の上昇が大きいでしょう。
こちらは国交省発表の不動産価格指数(令和5年4月分)で住宅や土地の価格推移が表されています。
マンションの高騰は一目瞭然ですが、戸建住宅も確実に上昇しています。
リーマンショック後の2009年からコロナ発生後の2020年半ばまでは、住宅地と戸建住宅ともに100近辺で推移していましたが、今や住宅地は110、戸建住宅は117です。
たった3年前、1,000万円で買えた土地は1,100万円、3,000万円で買えた家は3,510万円になりました。
物価上昇は何も住宅だけではなく食品や電気代、ありとあらゆるモノの値段が上がっています。
それに伴って賃金も上昇すれば良いのですが、残念ながらそのようにはなっていないのが実情ですね。
というわけで注文住宅を諦めた人たちが急増しており、その結果建売住宅や中古住宅に流れているのです。
ダイワハウスや住友林業をはじめとした大手ハウスメーカーもすでに注文住宅の受注を諦めています。
その代わりに建売住宅や企画住宅といったような注文住宅に比べ安価で提供できる住宅に力を入れています。
そうなると今まで競合してこなかった中堅住宅会社や工務店は、大手ハウスメーカーと少ない顧客を奪い合うことになります。
これも住宅会社倒産ラッシュに拍車をかけるでしょう。
そんな中、先日見つけたのがこちら。
これはブログランキング1位にもなった(と書いてある)住宅会社情報サイトの1ページ。
このサイトは様々な住宅会社をこのように☆の数で評価しているのですが、実はこの住宅会社・・・
今年の7月に倒産しているのです。
最高ランク☆5を与え、「是非相談したい住宅会社」とまで書いているのですけどね…
結局何が言いたいのかというと、
このサイトのようなドコの誰が何を根拠に書いてるのか分からないものは、参考にしてはならないということです。
このようなサイトの目的は広告収入です。
閲覧者が増えて広告先のサービスを利用してもらえればそれでいいのです。
言ってしまえば情報の正否などはどうでもいい、ということです。
広告収入を得ることが悪いというわけではありません。(私もこのブログなどから広告収入が発生していますしね)
ただ、情報発信するのならそれなりの根拠や責任を持ってほしいものです。
こちらは倒産した住宅会社のGoogleのレビューです。
倒産の数ヶ月前に悪い評価がいくつかついてました。
納期(引き渡し)遅れということですが、この頃からすでに取引先業者から取引を停止されてた可能性もありますね。
Googleのレビューも必ずしも信憑性が高いわけではありませんが、広告収入だけが目的のサイトを参考にするよりはマシでしょう。
家づくりにおいてネットで情報収集することは大切です。
ただ得られた情報をどう活かすかはあなた次第です。
情報の正否の判断も含め、最終的には自己責任なのです。
そして情報自体を判断するよりも、その情報を発信してる人を判断したほうが良いでしょう。
「この人の考えには共感できる!」
「この人とは価値観が近い!」
そんな人が見つかると家づくりはグッと成功に近付くかもしれませんね。