
一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。
また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。
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ミニマリストと建築
生活に必要最低限のモノしか持たない人、ミニマリスト。
またモノだけに限らず、生活様式や食事にまでその考え方が波及することもあるそうです。
建築にもミニマリストに似たような考え方があります。
1900年代前半、有名建築家たちが機能的で合理的な建築を推し進めるようになりました。
それによって誕生したのが「モダニズム建築」です。
このお家を知っていますか?
フランスにあるサヴォア邸という個人住宅なのですが、驚きなのがこれが完成したのが1931年だということ。
現代的なデザインでとても90年前の建築とは思えないですよね。
モダニズム建築と言えばコレ!という人も多いのでは。
実は私、実際に見に行ったことがあり建物内部も見学してきました。
もうだいぶ昔のことなので記憶も曖昧ですが、衝撃を受けたことだけはしっかりと覚えてます。
「装飾は犯罪である」
当時はここまで言う建築家もいたくらいです。
現代なら炎上必至ですよね。笑
建築は余計な装飾をせず、シンプルで合理的なほうが美しいという考え方が流行った時代があったのです。
ミニマリストの考え方にも通ずるとこがありますよね。
照明は設備か?インテリアか?
例えば照明に関しても考え方は様々。
「壁に照明なんていらなくない?」
「もっと明るい照明にしたら天井の照明1個で済むよね?」
「照明器具にホコリ溜まるから全部ダウンライトがいい。」
このような意見も間違っていません。
しかし、これは好みや価値観の話になってきます。
照明器具をただの設備として捉えるのか、重要なインテリアとして捉えるのか。
なるべく照明器具は目立たせたくないというのであれば、ダウンライトを多用すれば良いですし、照明器具も楽しみたいというのであればペンダントやブラケットを織り交ぜて照明計画したら良いでしょう。
たったそれだけの話なんですよね。

マキシマリストという暮らし方
インテリアも同様です。
余計なモノを全て捨てて何もない空間に幸福感を得る人(ミニマリスト)がいれば、自分の好きなモノに囲まれて暮らすことで幸福感を得る人(マキシマリスト)もいます。
あなたはどちらですか?
私は自分の好きなモノに囲まれ暮らしたい、マキシマリストです。
うちのお施主さんたちも、どちらかと言えばマキシマリストが多いように感じます。
間違ってはいけないのは、
モノは多ければ多いほど良いというわけではないということ。
モノで溢れかえっている=マキシマリスト、ではないということ。
マキシマリストだって自分の好きな空間に、余計なモノが加わるのは苦痛です。
そういった意味では、ミニマリストよりも余計なモノに関してはうるさいのかもしれませんね。
コロナが流れを変えたか
コロナ以降、ミニマリストには逆風が吹いているようです。
家で過ごす時間が長くなり、備蓄品なども含め必然的に家にモノが多くなったのが原因のようですね。
それはGoogleトレンドを見てもよく分かります。
検索ワードとしての「ミニマリスト」は2019年9月をピークに右肩下がり中で、コロナ以降はそれに拍車がかかっているようにも見ます。
だからと言ってミニマリストを否定するつもりも毛頭ありません。
結局は自分が暮らしやすくて快適ならそれで良いのですから。
ミニマリスト的な暮らしをしてみて「なんか違うな…」と思えばやめればいいだけ。
無理して続けてストレスを溜めていれば元も子もないです。
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