一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。
また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。
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誰もが一度は憧れる(?)薪ストーブのある暮らし。
まず始めに、よく間違われるのですが「薪ストーブ」と「暖炉」は全くの別物です。
一般的に暖炉は家の一部に焚火をするスペースがあるようなイメージ。
有名なのはサンタクロースの煙突~、でしょうか。
薪ストーブはその名の通り「ストーブ」です。
主にアメリカやヨーロッパで製造されており、日本メーカーの薪ストーブもあります。
薪ストーブの良さはなんと言っても、暖房能力の高さ。
しかもエアコンのように温風で空間を温める対流式ではなく、床暖やハロゲンヒーターのように赤外線で人やモノを直接温める輻射式です。
冬場、窓から入る太陽光で日なたぼっこすると気持ちいいですよね、あれも赤外線の暖房と同じようなものです。
とにかく心地いいんです。
薪ストーブの炎を眺め、パチパチと薪が燃える音に耳を傾けながら飲むお酒も最高。
数値や理屈では表せない、暮らしを豊かにするアイテムであることは間違いないのです。
ここまで言い切れるのは、私が実家や会社などで15年以上薪ストーブを使ってきたから。
しかし良いことばかりではない、ということもお伝えしなければなりません。
一番のデメリットは、
手間がかかる。
ということ。
私的に一番面倒くさいのは、薪の準備・運搬などですね。
薪を割ってそれを庭などに大量に保管します、そしてほぼ毎日燃やす分の薪を家の中に運んだりするわけです。
薪ストーブを設置して2,3年は、そんな苦労も楽しく感じるのですが、私のように15年以上使っていると…まあ面倒くさくなってしまうわけです。笑
それでも暖房としてのエアコンはほとんど使わず、薪ストーブを使い続けてきたのはやはりそれ相応の魅力があったからなのでしょうね。
たしかにエアコンは便利で経済的にも優れた設備です。
今では外出先からスマホで操作出来てしまいます。
常に家の中は暖かくて、朝起きてから夜寝るまで常に快適温度。
しかし人間とは不思議な生き物で、あまりに便利で合理的な生活を続けていると、不思議と不便が恋しくなってくるのです。
都会の暮らしを捨てて、田舎に移住する人の気持ちも理解できます。
(あ、私はずっと田舎暮らしですけどね…)
とはいえ最近の住宅は断熱性能が高く、薪ストーブはオーバースペックなる可能性があるので注意が必要です。
暑すぎて窓を開けながら使うなんてことも…
以前、ペレットストーブを入れたお宅もそうでした。
暑すぎて長時間使えないからエアコンを使っている、とお施主さん。
ちなみにペレットストーブはほとんど煙を出しませんが、薪ストーブはそういうわけにはいきません。
正しい使い方をすれば煙が出ない、という方もいますが、
全く出ない、ということはあり得ません。
僅かな煙でも気にする人はいますので、近隣トラブルに発展する可能性もあります。
なので住宅密集地で薪ストーブを設置することオススメしません。
せっかく高いお金をかけて薪ストーブを入れたのに、数回使って終わりなんて悲しすぎます。
薪ストーブ設置を検討している方は、必ず事前に専門家に相談してくださいね。
ああ、薪ストーブを楽しむ余裕が欲しい…