一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。
また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。
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コロナ保険が販売休止だそうです。
コロナに感染すると10万円もらえるというこの保険、感染者数急増で採算が合わなくなったのでしょうか。
儲からなくなったからと言ってすぐに保険の販売をストップ。
保険ってなんなんでしょうね。笑
そしてこの失敗はタイでも起きてました。
こちら先月のニュース。
日本と違うのはわざと感染して保険金を貰おうとしているところ。
悪質ですね…
第一生命もタイの保険会社も、流行りのウイルスに目を付けていち早く保険を商品化しました
。
これはビジネス的に正しいように見えましたが、結果は大失敗。
タイにおいてはこの保険のせいで感染者も増えることに…
このように一見正しいように見えるビジネスや問題解決方法が、意図せず失敗しさらに悪化することを「コブラ効果」と呼びます。
大昔のインドで、コブラが異常に増殖し大問題になりました。
そこで政府はコブラの死骸を役所に持ってきたら報酬を与える、という施策を行うことに。
最初のうちは報酬目当に多くのコブラが役所に持ち込まれました。
しかし途中からコブラを捕まえるより、たくさん繁殖させて役所に持ち込んだほうが稼げることに気づいた人が出てきました。
この方法が人々に広がり、コブラは施策前よりも増えることになったのです。
これが「コブラ効果」の所以です。
住宅業界でもこのコブラ効果は散見されます。
例えば地盤改良。
2000年の法改正により住宅新築の際、地盤調査が原則義務化されました。
その中で問題なのが地盤保証というシステムです。
地盤が不動沈下した際に保証するというものなのですが、きっと多くの方が加入しているはずです。
この保証に加入するには地盤が強固であることが条件。
地盤調査をして軟弱なら改良をしなければいけません。
(仮に地盤が強ければ改良なしで保証に加入できますが、その割合はかなり低い…)
保証会社としては保険金を支払いたくないわけです。
地盤改良をすれば地盤は強固になり、不動沈下の可能性も下がります。
その結果、保証会社は保険金を支払う可能性が低くなりますよね。
そう、お察しの通り保証会社は本来地盤改良が不要な土地においても、地盤改良が必要という判定をするインセンティブ(動機)が生まれるのです。
これは業界でも結構問題になっておりまして、いまだに解決されていません。
そしてさらに問題なのが、地盤改良した土地は不動産評価が下がる可能性が高いのです。
地盤改良はその建物に対して行うので、例えば建物を解体し更地にして土地を売却しよう!となったとき、改良杭の撤去費用が発生します。
この撤去費用、改良方法にもよって異なりますが数十万円~数百万円と言われています…
余計な改良工事でお金を取られ、将来的に撤去費用も発生するかもしれない。
本来は安心・安全のための地盤改良や地盤保証が、むしろ不安を生んでいるのです。
もちろん、地盤改良が必要な土地があることも確かです。
だからこそこの問題解決は難しいんですよね。
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