お茶老師のお宅へ伺いました。
普通の古いマンションのドアを開けると、そこは別世界。
香が焚かれチェロが響く、ZENスタイルのお宅でした。
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柔らかい老師のお話を貴重なお茶を頂きながらうかがいます。
台湾での成功はしたが多忙な生活を捨て去り、
自分のために生きようと移住したそう。
多くのアーティストと交流がある彼は本当に楽しい方で、ユーモア溢れる人柄を私も大好きになりました。
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一杯の香りと味を言葉で表現するよう勧められ、私は心の中に浮かんだそのままを老師に伝えました。
「大海的声音、様子…」
老師は嬉しそうに私の手を取り、
このお茶に隠された塩味の風味に気付いた人は少なく、かつ「大海」と言った人は皆無だと笑いました。
君の感覚と表現力は信用できる、と。
大喜びした老師は秘蔵の百年ものの烏龍茶を淹れてくださり、
私を引き合わせてくれた友人も、
老師はすっかりあなたを気に入った、と嬉しそう。
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これが百年眠っているお茶。
老師の手で目を覚ます瞬間を見守りました。
葉の色とは遠い漆黒のお茶は、
苦味も渋味もなくゆっくりとなんだか懐かしい香りを残して私の身中を降りていきました。
老師は身辺に日本の鉄瓶や陶器を使っていて、
そのコレクションの美に学ばされました。
私は本当に気に入った物と暮らす術をまだ知らない、と。
老師、ありがとう。
次回伺うときは、茄子のモチーフをお持ちしますね。
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