上海3泊目は、「ペイマンションホテル」である。
静安寺区にあり、雑技団の劇場である上海商城の裏手、静かな通りにある。
到着したときは夜になっていた。
期待通りの美しい外観。
1934年に建てられた、有名建築家、貝氏の私邸である。
「上海貝軒大公館」と呼ばれる。
VIPのパーティーなども催されると聞いた。
ネオンきらめく高層ビルが立ち並ぶ南京西路から車を進めると、ここだけ別天地のようであった。
夜遅くの到着だったが、美しい制服のドアボーイ、ガールたちに扉を開かれ、
小さいが、ゴージャスなロビーを抜けて、フロントで温かい接待を受けた。
三階建ての二階の部屋を案内され、
旧時をしのばせる、美しい螺旋階段と、重々しい廊下が続いた。
厚い絨毯を敷き詰めた廊下から天井までの、大きなドアが並ぶ。
時間の螺旋に引き込まれそうになりながら、部屋へ向かう。
期待が高まった。