昨日の終戦の日。

仕事の疲労もあって、用事も入れず、おとなしく過ごしました。

 

夜、『太陽の子』を観ました。

出演者全員、ひとり残らず素晴らしかったです。

 

 

三浦春馬さん。

もしかしたら気づかれないかもしれないようなちょっとしたところも、表情・話し方・声・間…きちんと演じていらっしゃいました。

 

おとなしくも怖いくらいまっすぐに突き進もうとするお兄さんを演じた柳楽優弥さん。

凛とした姿の中に、何かを抱える弟を演じた三浦春馬さん。

表情や動きで、どっちが兄でどっちが弟か、前知識がなくてもわかるよう、三浦春馬さんは演じていらっしゃいました。

相手のために芝居をするということをちゃんとできている、数少ない俳優さんのひとりだったことを、改めて突き付けられました。

魂の抜けた状態で海の中へ向かっていく姿。

初めて「怖い…怖いよ…、でも俺だけ死なんわけにはいかん…」とお兄さんの胸で泣き崩れる姿。

最後、一歩下がってから「では、行ってまいります」と言うまでの間と表情。

敬礼した後背を向けて歩きだすまでの間とかすかに息子に戻る表情。

最後の手紙の、ものすごく優しい「ありがとう」の声と、決意を込めた「さようなら」の声…。

思い出すだけで涙が出ます。

 

普段、それほどドラマを観るほうではないのですが、もっと三浦春馬さんが出演されたドラマを観ればよかった…。

もっと前から三浦春馬さんをすきでいればよかった。

 

努力と才能に裏打ちされた、海外も認めるあれだけの一流の芝居、歌、ダンスの表現。

人としての存在そのものの美しさ。

私の知り合いの映画のプロデューサーたちが真っ先にいい人として挙げるだけの人間性。

間違いなく日本の宝です。

でも、もし、今の彼に至った理由が、芸能界にもあるのなら、辞めてもいい、無断で逃げ出してもいい、生きてほしかった。

 

ドラマの中の裕之みたいに、家族に心配させまいと、恐怖心を自分自身で潰して、国の犠牲となった若者がたくさんいた。

修やフミさんみたいに、引き留めたい気持ちを潰して、その若者を見送らなければいけない家族がたくさんいた。

世津みたいにすきな人を見送らなければいけなかった人がたくさんいた。

戦争が終わって帰ってきても、戦争による心身の後遺症に悩まされたり、自分だけ生き残ったことで苦しんだりした人がたくさんいた。

それをそばで支えた人も、見守ることしかできなかった人もたくさんいた。

いろんな本で読んで、字面では理解しているつもりだけど、何のための、誰のための戦争だったのか。

どういう思いで学生たちは、原爆を作ろうとしていたのか。

日本の原爆が先に出来上がって、アメリカに落としていたらどうなっていたのか。

いろいろなことを考えさせられた。

今までみた戦争関連のドラマの中で、いちばん刺さった。

 

役者陣・スタッフ陣、素晴らしいドラマを、本当にどうもありがとうございました。

 

 

 

私は、芝居という生ものに関わっていたせいか、リアルタイムで観れないものは縁がないと思う人間なので、録画できる機材を持っていません。

水曜日の再放送はもちろん、見逃してないけど、見逃しでも観たかったので、NHKプラスを申し込みました。

もしDVDとかになったら、それも買うと思う。

多分見るたびに、違う三浦春馬さんの芝居に、気付くんじゃないかと思っています。

まずは、見逃し配信でもう1度観ようと思います。