昨日は、久しぶりの観世能楽堂。

能楽師、武田文志さんの文の会に行って参りました。

 

最前列のほぼセンター。

圧巻でした。

帰り道、時間とともに、身体はぽやん…とした力抜けた感じで、心は感動の涙を堪えるという感じ(笑)。

 

解説、お能「経正」、狂言「二人袴」、仕舞、お能「玄象」という内容。

すごい…ってだけでなく、初めて仕舞の美しさに気づいた日でもありました。

 

解説

若手能楽師の武田崇史さんの解説。

やっぱり私には解説が必要です(笑)。

見どころも教えていただき、実際にお能を観たときに、いろいろ繋がったり、表現がすぐにわかったりして、ありがたいです。

オマケにカッコいい(笑)。

今回、琵琶がモチーフ?の1つでもあったと思いますが、琵琶の名器「青山」「玄象」「獅子丸」と聞いたとき、「獅子丸」で、忍者ハットリくんのししまるを思い出したことは言うまでもありません(笑)。

ちなみに私、琵琶法師の平家物語を聴くのが夢の1つでもあります。

 

「経正」

シテを勤められた功刀さん、一般家庭に生まれ育って、お能に一目惚れして、武田文志さんのお弟子さんになられた方です(お能に一目惚れ…私みたい(笑)。)。

記憶が確かなら…ですが、武田さんのお稽古場で、お能が観れるお試し能的な気軽なものを定期的にされていまして、その「能2」のとき、初めてお客の前で演じたって言っていたような気がします。

そのときは、緊張感がバリバリ感じられたのですが、落ち着いていらして、立派にシテを勤められたと思います。

上から目線的な物言いで申し訳ないですが、成長をすごく感じました。

ホントに、よくぞ能楽師になってくださいました!!!

ちなみにお顔は、金城武を思い出させる大人の男の顔です(笑)。

これからもいっぱい稽古して、少しづつでも確実に、師匠に近づいていっていただきたいです。

これからも楽しみです!!!

ちなみに、地謡方にむっちゃカッコいい人がいました(笑)。

 

「二人袴」

舞台上、カッコいい人しかいない(笑)。

お目当ての一人だった野村萬斎さん。

御子息の裕基さん。

ちなみに裕基さん、くもんいくもんとか、にほんごであそぼの数億倍カッコいいです。

そして…萬斎さんの声と声の表情、顔や身体の表情、間の取り方…愛してます(笑)!!!

よく古典芸能の方って、型でやっている的なことをおっしゃいます。

武田文志さんにも同じことを感じるのですが、もし本当に型だけであれだけ見てる側が感じられることをやっているなら、気持ち入れて演じる以上に凄まじいことだと思います。

舞台上で表現された全てで、笑わせていただきました!!!

 

仕舞

すみません、まとめて書いてしまいます。

正直に告白しますと、お能を見始めた頃、仕舞いらなくね?と思っていました。

紋付袴の地味な姿で、短い舞を舞うわけです。

「早くお能!!!お能!!!」と心の中で叫んでいたこともあったくらいです。

…が、今は、楽しみの1つとなっています。

今回も、若手から老齢のベテランまで、静かなのから激しいのまでありましたが、すごいなとか迫力あるとかいうだけじゃなくて、言葉にし難い美しさがあるということに、今更ながらにちゃんと気づいたきがします。

ちなみに、この仕舞の最初の「難波」を舞われた武田祥照さん、解説してくださった武田崇史さんのお兄さんです。

武田友志・文志兄弟に続き、注目している武田兄弟です!!!

 

「玄象」

武田さん…自分の語彙のなさに失望感すら感じますが、私的に神様の域にいます。

私の中に静かに優しく、でもしっかりと何かを落としてくれるというか、私も知らなかった私の中の何かを静かに優しく引き出してくれるというか…。

むぅ…恐るべし。

美しいって、やっぱり恐さも併せ持ってるんですね(笑)。

ホントに何度見ても、人間のやれることじゃないような、でも人間しかできないような、不思議な感覚になります。

こういう曲があることも初めて知ったのですが、これかなり面白いです。

見どころだらけ。

初めてお能を観る方も面白いんじゃないでしょうか。

疾風のように現れて 疾風のように去っていく龍神は、舞台上にいる時間は短いんですが、すごいインパクトを残します。

前半と後半の間の間狂言では、アイの方が面を付けているのを初めて見ました。

囃子方も、笛・小鼓・大鼓だけでなく、太鼓も入って、華やかです。

初めてお能を観る方にオススメしたい曲が増えました。

 

実は、この玄象のとき、個人的に不思議なことがありました。

突然、右耳のすぐそばで、ひとりの男性の謡の声がしました。

時間にして3秒ほどですが。

そこからとてつもない睡魔に襲われるという…。

ワタクシ、お能で寝るというもったいないことができない貧乏性なので、睡魔攻撃に耐えた時間もありましたが、昨夜寝るときはおやすみ3秒でした(笑)。

何だったんだろう???

ちなみに軽く頭痛もあり、なんかが来たのかしら…とも思いつつ、能楽堂で来る謡ができるなんかなら、ま、いっかっていう(笑)。

 

武田文志さんの奥様ともお話できました!!!

終演後は、なんと武田文志さんにもご挨拶できるという…!!!

さっきまで村上天皇だったはずなんが(笑)。

武田さんのお能は、面と装束と演じてる役が武田さんと一体化してるというか、普段別々で存在しているものと思えなくなります。

 

まるっと全部楽しめた公演でした。

もちろん、書くまでもなく数度涙にも耐えました。

耳・目・心、全ての保養ができました(笑)。

お能って、慰霊というか、供養というか、そういう面も担ってるんだなと改めて感じた公演でもありました。

 

本当に武田さん始め、関わった全てのみなさま、ありがとうございました。

とてもステキな時間を過ごすことができました。

来年の文の会も楽しみにしています。

武田さんと出会ったことで、私のお能ライフ?は、確実に変化しているところです。

 

 

今日は夜に、弟分としてめんこがっている役者のコと飲みに行きます(笑)。

日曜夜に飲み。

この歳になると、明日何もないからこそできることです(笑)。

楽しく飲んできまーす。