連日感動しております。

 

キタサンブラックで感動した本日。

その前日である昨日、初めて移転してからの観世能楽堂に行きました。

 

第一回 文の会 「定家」

 

能楽師の武田文志さん主催のお能。

 

今回は、私、何と言葉で表現したらいいのか今もわかりません。

簡単に書くと、久々に何度も涙が出そうになりました。

今も思い出し泣きしそうなくらいです。

ものすごく感動しました。

 

武田文志さんは、定家という、2時間を超える大曲のシテを勤められました。

ちょっとねぇ…ハンパないですわ…。

元々すごい方なのはわかっていたつもりでしたが、わかっていたすごさの何倍もすごいです。

ちょっと…ステキため息しか出ません。

 

シテは、定家…ではなく、定家の身分違いの恋の相手である式子内親王の世を忍ぶ仮の姿である里女と、式子内親王の亡霊です。

詳しくはこれ読んでください(ごめんなさい、勝手にリンク貼ります…。)

http://www.the-noh.com/jp/people/essay/travel/201110.html

 

武田文志さんが、何を心に秘めてシテを勤められたかわかりませんが、私は、式子内親王と定家、手を取り合って穏やかな心で成仏したのではないかと思っています。

 

静かな曲だと思うのですが、言葉で言い表せない伝わってくるものがものすごくあって、心の中は、全然静かじゃありませんでした(笑)。

なんか、ワケわかんないところで涙出そうになりました(笑)。

演じていらしたのは式子内親王ですが、定家のお姿も見えるような気がしました。

 

武田さんももう、声がどうのこうのとかいうレベルじゃないですね。

(声も言うまでもなくすごかったですが)

ちょっとホントにものすごいものを観たって思いました。

 

地謡方も素晴らしく、囃子方も最高でした。

自然にすっと入ってきました。

 

すみません…言葉足らずで…。

 

すごいしかホントに言葉が出てこなくて…。

 

全体としては、一調という、初めてのものを観ました。

謡と小鼓の屋島

謡と大鼓の雲林院

謡と太鼓の巻絹

の3つ。

謡もものすごかったし、改めていわゆる打楽器系の囃子方のすごさも感じました。

雲林院の山井綱雄さん、和楽器のような声で、すごく印象に残りました。

オマケに男前です。

この方のシテのお姿も観てみたいです。

 

仕舞は、能2でワキを勤められた功刀望さん(功のつくりは力ではなく刀)。

ものすごい成長で、目を見張りました。

こういうお姿を見ることができるのも、楽しいですね。

 

ちなみに、幕が開いて最初の素謡。

総勢7名の方の謡。

これまたすごい声の力というか、声のすごさを感じて、涙が出そうになりました。

 

素謡も、一調も、もちろんお能そのものも、声の消え方を聞いてしまう人間なのですが、やっぱりみなさま深く、重く、響きながらも美しく声が消えていくんですね。

消え方が美しい声、ものすごくすきです。

この美しい消え方は、磨き抜かないと成せないもののような気がします。

 

解説は、武田崇史さん。

お兄様の武田祥照さん(祥のへんはネではなく示)とともに、若手有望能楽師のひとりです。

なんかかわいくて、きちんとしていて、定家を観ながら、あぁここのこと言ってたんだとか思い出しながら観ることができました。

楽しいひとときでした。

 

とにかく全体通して、ものすごいもんを観たというのを家に着いてからもひきずりました。

っていうか、今もひきずっています。

 

終演後、武田さんの奥様にご挨拶したのですが、奥様の顔見たら、涙がまたじわん…と出てきました。

 

武田文志さん、これからも応援していきます。

 

準備からお稽古から、大変だったと思います。

しばらくゆっくり休んでほしいです。

公演って、やる側は、終わってからも終わりじゃなかったりするんで、もうちょいなんやかんやとあるとは思いますが。

 

 

とある身分不相応なものを分割購入するハメになってしまい、来年から今より更に貧乏になる予定ですが(慣れてますが…)、お能積立をして、お能を観に行きます。

 

 

 

武田さん、ご家族のみなさま、関わられたみなさま、最高の時間を本当にどうもありがとうございました。