木造アパートのせいなのか…東京…寒い…。
ガスヒーターつけたいくらい…。
でもまだ早い…(笑)。
明日は大雨の29℃みたいだし(笑)。
この気温差ーーーっ(笑)!!!
今日ほどじゃなかったけど、気持ち気温低めだったこの前の水曜日、友達のSおちゃんがまたペアチケットが当たったっていうので、観世能楽堂の能楽講座に行って参りました。
前にもSおちゃんが当たって、行ったのが『松風』についての講座。
今回は、『井筒』についての講座。
40代独身女2人。
あの客層の中では、かなり若いほう(笑)。
(普通の公演だと、若い方も結構います)
前から2列目の、どセンター席をゲット!!!
(オマケに私の前の席は予約席だったのですが、最後まで空席)
舞台上には、井筒の作り物(井戸です)が置いてありまして、その井戸セットの一部である、ススキの形が見事!!!
舞台上のススキにまず感動(笑)。
今年、初ススキが、観世能楽堂の井筒セットのススキ(笑)。
冒頭の、ご宗家、観世清河寿さんのお話しによると、お花屋さんが、山に入って取ってこられたものなのだそうです。
ススキって、すぐに穂が開いてしまったりして、舞台上でいい状態にあるようにするのも、ものすごく大変らしいです。
講座も面白くて、お能はほんとにものすごぉぉぉく奥深いもんなんだなーっていうのをまた改めて実感して帰ってきました。
触れるたびに、深さを感じるお能。
私のお能の観方なんて、素人に産毛どころか、まだまだ産毛もないつるつる素人。
お能を観たことがあるっていうレベルでしかないですね。
もちろんそれでも楽しんで観ていますが(笑)。
言葉の1つ1つ、囃子の1つ1つ、作り物の1つ1つ、ホントに深いのです!!!
いろんな言い伝えが、いろんな解釈があるらしい『井筒』。
あんなに特殊な曲だとは知りませんでした。
世阿弥の書き癖のようなものまでわかってないと気づかないようなこともたくさん(笑)!!!
講座に行かないと知らないことだらけでした。
あそこまで理解できた上でお能を観れたら、もっともっともーっと楽しいんだろうなぁ。
講師の高桑いづみさんが、小鼓も打たれるということで、お囃子についてのお話もありました!
ひざを叩きながら、小鼓を打つ拍子の違いみたいなのもわかりやすく教えてくださって、なんかそれがすごくカッコよかったです。
個人的に、お能を観に行くと、最初の笛で涙をこらえるのに大変になる私(笑)。
お能は鎮魂の芸術と言われる通り、多くがあの世の方が主役のお話しなので、あの笛で、この世からあの世に切り替えてるというか、これからあの世のお話しですっていう感じで、この世を切り離しているんだと勝手に思っていました。
高桑さんによると、最初の笛によって、あの世の霊を降ろしているのだそうです。
あぁ…そうね、そうよね、始まるときに、あの世とこの世を切り離す、なんてことをするワケないよね。
あの世とこの世が、一つところに共存するところから始まらないと。
考えてみたら、切り離せないものがあるからこそ、鎮魂なんだもんなぁ。
あぁ…ステキすぎて、ゾワゾワします(笑)。
ちなみにワタクシ、お化けがらみは苦手ですが、かなり時間が経った、お能で取り上げられるような時代の歴史上の人物なら大丈夫(笑)。
(個人的には、明治時代あたりから苦手になります…)
最後に、ご宗家、観世清河寿さんが、井筒の、筒井筒部分の仕舞を舞ってくださいました。
私、最初に書きました通りにね、2列目の、どセンターに座っておりまして、前の席が空いてましたのでね、切戸口から清河寿さん(すみません…心の中の呼び方と同じ呼び方で…)が入ってこられて、地謡の4名の方と舞台上に正座されると、真正面の井戸の枠(井戸は枠とススキだけの作り物です)の中に、まるっと清河寿さんなのですよ。
息が止まりました。マジで。
そして仕舞が始まります。
清河寿さんの声。
深い。声が深い。
ほっぺの内側を噛んで、涙をこらえました。
そのくらい感動。
動きもなめらかで、左右の足で動いていると思えない感じ。
なめらかなのに、力強さも感じます。
やっぱり、お話しするために舞台に上がられているときと、全然違います。
もう、清河寿さんに釘付け。
そして、絶対に、お話しのままの流れで仕舞にいかれません。
「では、お願いします。」の言葉で一度、舞台を降りられて、また仕舞のためだけに舞台に上がられます。
能楽師になる旅のときの、武田さんもそうでした。
一度お能のお稽古用舞台を下りられてから、また上がられて、同じ人とは思えないような表情と目で仕舞を舞って見せてくださったんです。
能楽師になる旅っていう、公演や講座じゃなくても、そうなんですよね。
こういうところも、私がお能をますますすきになった理由の1つになっています。
通常の仕舞は、作り物なしでやりますが、司会進行の松岡心平さんのお願いで、作り物ありの仕舞に、清河寿さんが挑戦(笑)。
井戸がね、遮るもの何もナシで、私の目の前にあるので、井戸の中心が私の中心。
通常の井筒で使う井戸の作り物より、背が低い井戸らしく、井戸の前に座って、井戸の水に、愛する男(在原業平)の形見の着物を身に纏った自分の姿と、在原業平の面影を見るのですが(通常は立って井戸を覗き込むようです)、その動きの中で、多分普通の状態なら…多分ですが、清河寿さんと目が合っています。
私的には目が合っているんですが(笑)、もし本当に合っていたとしても、清河寿さん的には絶対に合っていないんじゃないかな、という感じ。
だって、確かに清河寿さんなのに、清河寿さんじゃないんだもん。
で、単純に私の座った位置に関係してくるのですが、最後の最後、立ち姿からゆっくり座る姿になるときに、清河寿さんが、井戸の中に消えていくのですよ。
井戸の作り物の枠が、清河寿さんの顔を、私の視界から消すのです。
そういう偶然も、なんかきましたね(笑)。
地謡の方の声も、4人の声にして1人の声で、1人の声にして4人の声。
もー、うまく言葉で表現できません(笑)。
とにかくすごかったです。
やっぱりお能は、いい席で観るに限る!!!
そして…清河寿さん、カッコよすぎます!!!
だいすきですっ!!!
あの声、あの姿、あの姿勢、あの顔…ステキすぎ(笑)。
清河寿さんにしても、武田さんにしても、能楽師の方のステキさは、言葉が見つからないのです。
なんかこう…魂をやさしく、でも強く、つかまれる感じ。
相反するようなものが、心地よく共存するんですよ。
それこそ、変な言い方ですが、あの世とこの世が能舞台の上に共存するみたいに。
凛としていて、女面と女の装束つけて女性を演じたりもするのに、すごく男を感じます。
存在が強くて美しい。
きちんとした男にこそ色気があるんだな、とつくづく思わされます。
それでお話がむちゃくちゃ面白いんだもんなー(笑)。
あぁ…(笑)。
ホント、ずるいです(笑)。
そして、700年にもわたる伝統を背負って、今に伝える男。
ファンにならずにいられるワケがない(笑)。
個人的に、松岡心平さんの、井筒の紀有常の娘のような一歩引いた女性より、松風のような若女の、すきすきすきーっていう感情を表に出して、愛する在原行平と思いこんでしまった松に抱き付きにいっちゃうような女性のほうがタイプっていうのもツボでした(笑)。
帰りは、40代独身女2人で、安安で焼肉しながら清河寿さんすきーーー!!!清河寿さんカッコいいーーー!!!を、ステキため息つきながら連発して帰ってきました(笑)。
Sおちゃんは文楽好き、私はお能好き。
お能・文楽を語れる唯一の友達(笑)。
Sおちゃん、これからもよろしく(笑)。
Sおちゃんは元地方女子アナで、現在土日は結婚式やイベントの司会とかのお仕事してるコなのですが、土日お休みだったら、一緒にいっぱいお能も文楽も観に行ってただろうなぁ。
井筒…11月はムリなのですが、近いうちに絶対に観に行きたいと思います。
いろんな井筒が観たい。
あぁ…観たいよ、清河寿さんの井筒…。
Sおちゃん、今回もありがと♪
またペアチケット当ててね(笑)。
しかし、井筒→井筒部屋→鶴竜と、絶対にどこかで動いてしまう私の脳ミソ(笑)。