私がお風呂に入っていると、お婆ちゃんがやって来た。
「ママ、お風呂入ってる?話があるんだけど、後で部屋へ来て」と言う。
何だ何だ?こんなことは初めてだぞ。
私はまた、この間買って来たパジャマが合わないとか言うのかなと思い、
「どうしたの?お風呂の戸、開けてもいいから、そこで話して。」と言うと
めちゃくちゃ真剣でどよ~んとした顔を覗かせ、
「パパが、大変な病気になっちゃったんだよ。ママ知ってる?」
知らない・・・私の夫だし、病気なら何か言うでしょ・・・
でも婆ちゃんの息子だから、何か私の知らないことを知ってるのか
な~んてこともちょっと頭をよぎったくらい、めちゃくちゃ真剣な顔つきで。
「知らないけど、何?どうしたの?」
ホントにこの世の終わりみたいな暗い顔つきで
「大変な病気だよ。認知症だよ、パパが認知症になっちゃったんだよ。
どうしたらよかんべ。困ったなあ」
へ婆ちゃん何を言ってるの
そして、あーだこーだと、夫が認知症だと思ったきっかけを
話してくれたのだけれど、全部婆ちゃんの勘違いで起こったことで。
私が説明したら、納得してくれた・・・と、思う、たぶん。
「あー、よかった」って部屋に戻ったから。
夫に、認知症だと思われてたこと話したら、メッチャ笑ってたけど
婆ちゃんホントに大丈夫かなあ
元気とはいえ、94歳、要介護
自分の方が認知症かなって疑ったりはしないんだろうなあ