おひなさまのこと 選んだおひなさま。 | 日々悠悠閑適。

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選んだおひなさまはこちら。











山口美術の帯。
美智子皇后がお買い上げされた帯と同じものを買い付けされて
寿峰さんが仕立てたおひなさま。








美智子さまと同じものは販売できないから厳密には使ってある糸や色が美智子さまのより少なくしてあるものだけど。
それでもとても美しい織。
模様も全部織なのです。

京雛は業界内でもきちんとした定義があるわけではないようなのですが
京都の選ばれた人形師が昔ながらの伝統技法で西陣織物で作ったおひなさまであり
京都の頭師の頭を用いてつくられているものが厳密には京雛と呼ばれていいものじゃないかと思います。
ただ、お頭が京都で作られたものでなくても京雛という商標でよいみたい。
いわゆる作家ものの作家さんはからだ(着物)を作る職人さんのことを指し頭師や頭髪師など
細かい部分ごとに職人さんが分かれているそう。
そういう意味では、選んだおひなさまのお頭は岩槻で作られたお顔なので完全な京雛ではなく
京風と呼ばれてしまうかもしれません。
お顔の良し悪しを聞いてみたら、塗りで決まるそうです。
「肌をみて、これはすばらしい!と買い付けしたのに全然売れない、なぜだろう?
というお人形を集めてみたら肌は最上級なのにお顔がババ臭かったんです。
私たちは塗りの良し悪しで選んでしまうのでそんなこともあるんですよ~。」
というお話も聞かせてもらいました。

この点はワタシたちがあきらめたというか全体のバランスを取ったというか
厳密な京雛でないものでもいいかーと決心して選びました。
京雛のお顔は昔の美人さんの顔なのでどちらかというと今の美人さん顔ではないのです。
ワタシは京雛のお顔がとてもすきなのだけど双方の両親には岩槻のお顔の方が受けました。
どちらの母もおひなさまの方のお顔をとても気にしていて。
殿のお母さんには買ったおひなさまの顔に似てくるから美人な顔を選んであげて、
と言われてました。
京雛のお頭を買っていたらあまり喜んではもらえなかっただろうと予測できますタラリ

将来増やして段飾りにすることもできるように。
収納飾りや流行りの台屏風にせず。
金屏風に緋毛せんの台座に。




そして佳月さんが寿峰さんをイチオシにする理由のひとつが"本着せ"のつくりであること。

"本着せ"とは人が着物を着るのと同じように一着の着物を仕立てて人形に着付ける作り方です。
そう言われて初めて意識したのですが、一般的には着物を上半分と下半分に分けて別々に着付けています。
本着せはよほどの腕前がないと美しく着させることが難しく時間もかかるため量産できません。
なので必然的に値段も高くなります。
佳月さんが京都の他の作家さんに本着せで作るようお願いして作ってもらった作品と比べてくれたのですが
着付けた後の美しさ、特に背中側が全然違いました。
ただ、一般人がひとめみて違いの分かるものではないと思うのでそこに価値を見出だせるかどうかの価値観だと思います。
ワタシたちはちびちびちゃんから孫子の代までたいせつに引き継いでくれたらいいなと思っているので
細部までよりよいこだわりのあるものにしたくて本着せを選びました。




あなたのおひなさまは。
平安寿峰さんという着付け師さんの作ったものだよ。
本着せといって人が着物を着るのと同じように一枚仕立ての着物を着てるんだよ。
新宿御苑の菊をモチーフにして京都西陣の名人山口弘氏が創作した菊御苑唐織之御束帯で仕立てられた衣装なんだよ。
お顔はさいたまのお人形の町岩槻でつくられたお顔だよ。


あなたの厄を代わりに引き受けてくれるおひなさまだから。
たいせつにしようね。
健やかにすくすくと大きくなってほしい。
そう願って選んだんだよ。


そんなことを伝えられるおひなさまです。





まぁ。
完全に親の自己満足ですが。
親がよいと思えるものじゃないと子供に良さや大切さを伝えていけないので。
親が好きになれるおひなさを選ぶことがいちばん。
というのが選ぶいちばんの基準だと思いました。


今は毎日ワタシが見て喜んでます。