確か、高校生の時。
読んだSF小説の主人公が
超能力者で
【感情同調】の特殊能力を持つ。
そんな設定であった。
感情同調と言う能力は、
読んで字のごとく。
感情を同調する能力。
相手が悲しければ、
こちらも悲しくなる。
相手が怒っていれば、
こちらも腹が立つ。
というように、
普段の生活をしていると
誰しも経験があるんじゃなかろうか。
な能力の事だが、
主人公は相手の感情をコントロール出来る。
そんな話だったような…
そうでなかったような…
とある
利用者さんと話していると、
時々、
物凄く寂しい気持ちになる。
特に寂しい話をしている訳でも無い。
お子さんの話だとか、
お孫さんとの話だとか。
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子供の家と学校の間に、
私の家があるのよ。
孫が学校の行き帰りに寄るから、
ご飯とか洗濯物とか
毎日大変なのよ。
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賑やかで気難しいお婆ちゃんである。
口も達者。
何故、
哀しい寂しい気持ちになるのか。
不思議であった。
のだが、
その理由が判明。
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あの利用者さん、
虚言癖があるからあまり突っ込まずに
そっかそっかって話し聞いてあげてね。
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どうやらそんな事実は無いらしい。
哀しい寂しい気持ち。
は、
きっと利用者さんの気持ち。
心の中では、
そうだったらいいのに。
そう言ってるはず。
賑やかで気難しい人ほど、
実は孤独で。
面倒な人ほど、
かまって欲しい人だったりする。
強がって生きて来た人ほど、
最後まで強がって生きる。
どうやら私は、
言葉の裏に隠れていた
“寂しい” の感情に同調していたもよう。
人の身体を触る仕事をしてると、
ちょっと変わった特技が身に付くとは
聞いた事があるけど、
これ、
履歴書の特技の欄に書け無いかな………