仏生山温泉。


初めて行った時、
懐かしい感じがした。

モダンな作りである。
しかも新しい。


お洒落な内装、
雰囲気であるのに、
懐かしく感じたのである。


久しぶりに行くと
あの懐かしい雰囲気は
消えていた。


原因は音楽である。
癒し系の静かな音楽。


以前は無音であった。


風呂上がりに連れを待つ待合い。

人の動く気配。
足音。
話し声。

そんな何でもないことが心地よく感じた。


音楽というものは
不思議である。
流すだけで店の雰囲気を変えてしまう。

今はどこへ行っても
何かしら音が流れている。


昔は音が溢れていなかったのだろう。

だから
音楽が流れていない空間に懐かしさを感じたのだ。


家に帰ると、
まずテレビを付ける。
音楽を聞く。

そんな生活をしている。


たまには何も付けずに
外の音を聞いてみるのもいいかもしれない。


そんなことを思った。